キャンプ王国のキャンプ飯は「手間なし!簡単!」が鉄則!?
キャンプ王国であるアメリカのキャンプ飯って聞くと、すごく本格的な道具を用意し、豪快に料理をするバーベキューを思う人が多いかもしれません。実は全くそんなことなし! 日本人の方が数倍もキャンプ飯には凝っていると先に言っておきましょう。
ではアメリカ人のキャンプ飯ってどんなの? 実は手をかけずに、おいしく、手軽に野外でいただけるものばかり。そんなシンプルなアメリカンキャンプ飯をご紹介しましょう。
定番は「ホットドッグ」と「ハンバーガー」。こだわり派は「ケサディア」に!
筆者がアメリカ人家族とキャンプに行ったとき、焼き鳥、スペアリブ、海鮮類や野菜を焼き、その後チャーハンを作っていると、ものすごく驚かれ、「私たちのご飯を見せるのが恥ずかしいわ」とまで言われました。彼らの用意してきたキャンプ飯は、ソーセージを焼いてパンに挟んだホットドッグに、ポテトチップス、買ってきた豆サラダとりんご。食後デザートはスモアで。ちなみに朝食はシリアルとフルーツだけ。
そう、アメリカ人が考えるアウトドア飯と言えば、ソーセージかハンバーグを焼いてパンに挟むのが主流。野菜も入れずにただ肉だけを挟む人も多いようです。たまに味付けのリブ肉を焼いたり、バーベキュー串を焼く人もいますが少数。ちなみにリブ肉もバーベキュー串もグロッサリーストア(食料品店)で味付きのものが手軽に買えるので、家できちんと下準備をしている人など本当に稀なのです。
ちなみにホットドッグやハンバーガーは飽きたというキャンパーの間では、焼いたソーセージを使ってメキシカン風にアレンジした「ケサディア」が人気。作り方はこれまた簡単! トルティーヤの上にチーズ、焼いたソーセージ、ゆで卵などをのせ軽く焼き、サルサソースをつけて食べるだけ。朝食に食べる人も多いようです。
ごく一部のこだわりアメリカ人キャンパーの中には、ダッチオーブンを利用して煮込み料理を作ったり、燻製に挑戦したり、スキレット鍋でパンを焼いたり、屋外で料理を堪能している人も。でもめったに出会うことはありません。少なくても家族キャンパーは焼くだけ、温めるだけのものを食べることが多そうですね。
スナックが立派なディナーに!? 手軽だけどボリューム満点!ドリトスナチョス
実はアメリカ人の多くはメキシカンフードが大好き。グロッサリーストア(食料品店)には、いろいろな種類のトルティーヤやタコシェル、サルサソースなどが売られています。先ほど紹介した「ケサディア」の他、タコシェルに焼いた肉類をのせたり巻いたりして食べる「タコス」や「ブリト-」も人気。でももっと簡単な食べ方で、筆者が衝撃を受けたものがこちら!
スナック菓子の「ドリトス」に、タコミートとレタスなどの野菜、チーズを入れて混ぜ、揉みながらスプーンで食べるという簡単ナチョス。この料理、ちょっとしたイベントでも売られていて、子供達も大好きなのです。
スナック菓子を主食にしちゃうという何ともアメリカらしいジャンキーフードですが…たまにはこんな手抜きキャンプ飯を試してみるのもありでは!?
本格ソロキャンパーの愛用品! 賞味期限30年のインスタントフリーズドライミール
アメリカのアウトドアショップやウォルマートなどのスーパーマーケットに行くと手に入るインスタントミール。いわゆる、お湯を注ぐだけで食事ができあがるフリーズドライミールで、衝撃の賞味期限30年(※)というスーパー保存食です。メジャーなブランドと言えば「MOUNTAIN HOUSE」の「ADVENTURE MEALS」シリーズですが、「ALPINEAIRE Foods」や「BACKPACKER’S PANTRY」などの様々なブランドがあり、1パック(2SERVINGS)10ドル前後~で手に入ります。種類もブランドによっては10~20種類くらい揃っていて、パスタ、シチュー、カレー、アジアンヌードルなど、好みに合わせて選ぶことができます。
※賞味期限はブランドや商品によって年数が異なりますが、「MOUNTAIN HOUSE」のものは多くが30年です。
そしてなんといっても味がおいしい! お湯を入れるだけでなかなかのクオリティーの味が楽しめます。ちょっと値段は高めで、キャンパーの間では「高級食」なんて言われているようですが、いざという時にお腹を満たせる究極の非常食として持っていくのはありですね。
先日、ソロキャンプの達人であるアメリカ人に、「日本人のキャンプ飯のこだわり方はすごい! いかに荷物を減らすかが大事だから、軽くて簡単に食べられるものがキャンプの鉄則だよ!」と言われました。確かに道具、食材、料理法などすべてにこだわる日本人のキャンプ飯のレベルはすごく高いのかも! 外国人からしたら、「それがキャンプの敷居をあげている理由じゃない?」とのことでした。納得!?
気軽に思いついたらすぐにキャンプに行ってしまうアメリカ人にとって、キャンプは身近なイベント。だからこそ、本当に簡単でシンプルなキャンプ飯が好まれているのかもしれません。手はかかっていないけど、それでもとてもおいしくいただけるのは、大自然の中で、身体を動かした後で食べるから。アウトドアで存分に遊んだり、ゆっくりリラックスをして、料理にも余力を使わずにラクをする…それがザ・アメリカ流のキャンプの楽しみ方なのかもしれません。