自作エンブレムをキャンプグッズにプリント!シルクスクリーンの版をDIYする方法教えます
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    2021.11.26

    自作エンブレムをキャンプグッズにプリント!シルクスクリーンの版をDIYする方法教えます

    シルクスクリーンの版をDIY

    版画の一種、シルクスクリーン。学校などでオリジナルTシャツを作った経験がある方なら、聞いたことがあるのではないでしょうか?

    シルクスクリーンは、その名の通りシルク(布)でできたスクリーン(版)を使って印刷する方法です。スクリーンの表面には光に反応して固まる薬剤を塗っておき、絵柄の部分の光をさえぎって露光させることで版を作ります。

    紙・木・布に印刷したシルクスクリーン。

    美しく耐久力のある版を作るには業者に頼むのが一番ですが、簡易的な版なら家庭でもDIYできます。

    シルクスクリーンなら、一般的な家庭用プリンターでは印刷が難しいホワイト・ゴールドなどのインクが使えますし、対応インクを使えば木・布・プラスチック・金属などに印刷することもできます。ぜひオリジナルの版を作って、キャンプグッズのデコレーションに活用してください!

    材料・道具

    版の準備をする

    ・TシャツくんJr.スクリーン(80〜120メッシュ)
    ・木枠(はがきサイズ)(木製の写真たて等で代用可能)
    ・タッカー

    「TシャツくんJr.スクリーン」は光に反応する特殊な薬剤が全面に塗布されている、シルクスクリーンに使える布で、オンラインショップで購入できます。

    「120メッシュ」というのは布の目の粗さを表す数値で、メッシュの数字が小さくなるほど粗く、大きくなるほど細かくなります。メッシュの数字が大きいほど画質が上がって細かい表現がしやすくなりますが、布の目が細かいため目詰まりしやすく、上手に感光させるのも難しくなります。ロゴなど比較的単純な絵柄なら80メッシュ、イラストなどでは120メッシュがおすすめです。

    枠は「TシャツくんJr.」専用の枠が市販されていますが、木枠ならなんでも使えます。木製の写真たてなどで代用できます。

    露光の準備をする

    今回の印刷原稿。中央に印刷したい馬のエンブレム、左下に露光テスト用の数字を振ってあります。

    ・印刷原稿2枚(トナー印刷したもの)
    ・油(サラダ油など)
    ・黒い紙か布
    ・ガラス板か透明な下敷き
    ・ストップウォッチ
    ・木工用ボンド

    印刷原稿はハガキよりひと回り小さい大きさで、トナー印刷したもの2枚を使います。手書きやパソコンで描いたものをコンビニなどでコピーしてください。

    原稿の端には「10・20・30・40・50・1分」などと数字を小さく書いておいてください。露光時間のテストに使います。

    油はサラダ油など、食用油ならなんでも構いません。

    印刷の準備をする

    ・シルクスクリーン用インク
    ・スクイージ

    シルクスクリーン用のインクは大型の画材店またはオンラインで購入できます。紙や木に印刷できるもの、布に印刷できるもの、プラスチックや金属に印刷できるものなど、いろいろ種類があるので印刷したいものに応じて選んでください。

    作り方

    版の準備をする

    「TシャツくんJr.スクリーン」を木枠にたるみがでないよう気をつけながら、タッカーで貼ります。

    左右の余剰分は切り取り、保管しておいてください。後から露光テストに使います。

    ※この作業は必ず太陽光の当たらない場所で行なってください。「TシャツくんJr.スクリーン」には、光で変質する特殊な薬剤が塗布してあります。紫外線に当てると露光して使えなくなるため、必ず太陽光の当たらない場所で作業を行なってください。蛍光灯でも少しずつ感光するため、作業は素早く行ないましょう。

    版の準備ができました。

    タッカーでたるみがでないよう留めたら、版の準備は完了です。

    もしこの状態で保管したい場合は、アルミホイルなど光を通さないものできっちりと巻き、押入れの中など光が入ってこない場所に置いてください。光が入ってしまうと使えなくなってしまいます。

    露光テスト用の端切れも忘れず、光が入らないようにして一緒に保管してください。

    露光テストをする

    原稿を油に浸しているところ。写真は浸した直後でムラになっていますが、ムラにならないようしっかり浸してください。

    印刷原稿とテスト用の数字を版より少し小さく切り、油に浸して光がよく透けるようにします。

    露光テストをしているところ。

    露光テストをします。

    一番下から、黒い布か紙・ガラス板または下敷き・TシャツくんJr.スクリーンの端切れ・露光テスト用の数字が入った紙(2枚をずれないように重ねたもの)の順に重ねます。

    数字が入ったテスト用の紙は、間に気泡が入りやすいです。置いたらしっかり指でこすり、空気が入らないようにしてください。

    準備ができたらストップウォッチと、厚紙など光を通さないものを用意し、テスト用紙を直射日光にさらします。

    今回テスト用紙には「10・20・30・40・50・1分・2分・3分」と記載しています。直射日光にさらして10秒後に「10」の数字、20秒後に「20」の数字といった具合で、厚紙で数字を隠し、光をさえぎります。

    3分後、シャワーでそっと洗い流します。

    「10」の数字だけがきれいに透けています。

    テスト用紙をシャワーでそっと洗い流すと、太陽に当たっていた部分は薬剤が固まり、インクで光がさえぎられていた部分は薬剤が落ちて透けているはずです。一番きれいに抜けた数字が適切な露光時間です。

    露光時間が短すぎると絵柄の周囲まで薬剤が落ちてしまい、感光時間が長すぎると絵柄の部分まで露光して薬剤が落ちなくなってしまいます。

    適切な露光時間は季節や天候によって変わり、直射日光であれば10秒程度、曇りなら数分かかります。

    露光させる

    版を露光させます。

    いよいよ本番の版を露光させます。

    下から黒い布・ガラス板・版・印刷原稿(2枚重ねたもの)の順に重ね、印刷原稿をよくこすって気泡を抜きます。

    準備ができたら、テストで一番きれいに抜けた時間だけ版を露光させ、シャワーでそっと洗い流します

    きれいに透けました。

    きれいに絵柄が透けたら、版が乾くまで天日で干します。よく光に当て、版に残っている薬剤をしっかり硬化させます。

    乾いたら、意図せず抜けてしまった部分やピンホールに木工用ボンドを塗り、インクが通らないよう埋めておきます。

    これで版は完成です!

    印刷する

    シルクスクリーンで印刷しているところ。

    印刷したいものの上に版を載せ、動かないようにしっかり押さえます。

    版の端にインクを乗せたら、スクイージを何度か滑らせ、インクを薄く伸ばします。

    紙、木、革に印刷してみたところ。

    版を動かさないようそっと外したら、印刷できています。

    印刷が終わったら、インクに合った方法で版や道具をよく洗っておきましょう。

    シルクスクリーンでオリジナルグッズ制作を楽しもう!

    版は一度作ってしまえば、何回でも使えます。

    今回は単色で印刷しましたが、色ごとに版を分けて作れば、多色刷りも可能です!

    ぜひシルクスクリーンの版を自作して、オリジナルグッズ制作を楽しんでくださいね。

    私が書きました!
    ライター
    マリ
    自然とランニングを愛するアラサー女性。今年はトレイルランニングに挑戦予定!レザークラフトが好きで、靴やカバンも自作しています。

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