兄からの誘い
「富士吉田にうどん食べにツーリング行くけど、オマエさんもどうだ?」
急に届いた、7つ離れた兄からのLINE。
じつは私、つい最近23年乗り続けたハーレーを手放したばかり……。今後はモノを持たないシンプルな生活にシフトしようと、レンタルバイクすることにしたのです。
それにしても兄からの誘いはあまりにも急で、オートバイを借りる時間がない………。
「タンデムでいいじゃん」と、兄。
そうか、その手があったか!
ツーリング当日、家まで迎えに来てくれた兄の後ろに乗った瞬間、すぐさま後悔したのでした……。
体重0.1t。日本人離れした体格の兄です。恰幅が良すぎて、私の座るシートがほとんどない。まさに「崖っぷち」(笑)。
富士吉田まで、大丈夫か私!?
“元祖みうらうどん”に到着!
8時半に世田谷のわが家を出発(兄がピックアップ)、9時半、中央道の石川PAでお仲間さんと合流、雲ひとつ無い空の下を順調に進んで河口湖ICで下車。「元祖みうらうどん」に着いたのは10時半でした。
この日は月曜日。平日だというのにもうすでにお客さんが何組も麺をすすっており、私たちが席に着くやさらに続々と入店。ランチには早すぎるかな、ちょっとまだお腹いっぱい、食べられるかなとも思いましたが、この時間に着いておいてよかったです。
麺好きの私です。この吉田のうどん、何度も雑誌に企画をあげたのですが天気が悪かったり、タイミングが合わずでやっといただくことができたのです。感動のご対面!
麺をすするというより、ずっともぐもぐ噛み締めているようなズッシリ系の中太麺は、手作りだそうでところどころ不揃い。醤油と味噌ベースのサッパリ系のだし汁がよくからみます。また、この店の吉田のうどんに入っている肉は、なんと馬肉なんです。甘辛く仕上げてあり、とてもおいしい。しゃきしゃきした茹でキャベツが入っていたりと、初めてだらけの感覚でした。
10時半にランチって……、まだお腹いっぱい。食べられないかも……なんて心配はどこへやら。ぺろっと一人前完食しました。
テーブルには天かすと、「すりだね」という辛みが置いてありました。それとは、山椒、胡麻、鰹節などを油で炒めたけっこう辛い調味料なのですが、コレ、なんで買って帰らなかったのか、あとから大後悔。「味変」するのに最高でしたよ。
お店情報
元祖みうらうどん
所在地:山梨県富士吉田市下吉田1-22-5
電話:0555-30-2377
定休日:水曜日(祝・祭日は営業。お盆・年末年始は営業)
営業時間:10時~14時
https://ganso-miuraudon.com/
吉田のうどんからなんと直帰!?
ツーリングといったらまずはグルメ。それから景色……というのが私のなかの定番です。そういうライダーさんも多いかと思います。このまま河口湖とか行くの? とたずねると、「帰るよ」と即答する兄。ウソー! 本当に吉田のうどんを食べに来ただけとは……。
「ああ、そうさ」
とはいえ兄も私も、お仲間さんも、仕事に子育てに大忙しな世代。あまり欲張ると渋滞に巻き込まれて帰れなくなったりしますよね。腹6分目くらいですが戻りましょうか。
「帰りは富士山がきれいな道で行くよ」と兄。
そういえばツーリング中どこかで「富士山がもっともきれいに見える町、富士吉田」という看板を見かけました。本当に、この町から見える富士山は威風堂々、すばらしい姿です。
鮨職人と行くツーリング
食べることが大好きな兄のお仲間さんは、じつは鮨職人さん。四谷の超有名店で修行を積み、おのおの店を持った新進気鋭の方々でした。
「そろそろ、カラスミ作ってる?」とか出てくる会話が変でおもしろかったです。
ツーリングの装備
トシを取るにつれてヘルメットはフルフェイス以外考えられなくなりました。いざというときに安全安心というのはもちろん、静かでラク。排気ガスからも肌を守ってくれます。
初冬の富士吉田に行くということで、私が持っているなかで一番暖かいアウターとグローブを装着していきました。今年は暖冬なのか、この日は天気も良すぎて暑かったほど。高速移動中、胸元のジッパーを少し下げました。なんならグローブを外してもいいくらい。でもお仲間さんは談合坂で震えながらオートバイから降りてきて、あ、そうか。私には兄という巨大スクリーンがあったから寒くなかったのか、と気づいたのでした(笑)。