キャンプの楽しみのひとつでもある焚き火。キャンプ初心者の方にとって、苦戦することが多いのが、火おこしではないでしょうか?
今回ご紹介する方法を知れば、誰にでも簡単に火おこしができます。火おこしの焚き付けに着火剤は使用しません。必要なのは、段ボールだけです!
冬は焚き火を囲むのに絶好の季節です。ご紹介する方法をマスターして、焚き火をスマートに楽しみましょう。
火おこしの基本
まずは火おこしの基本知識をおさらいしておきましょう。
火はだんだんと大きくする
火おこしの基本中の基本は、「火をだんだんと大きくしていくこと」です。
通常、新聞紙や段ボール、枯葉や着火剤などの燃えやすいものを焚き付けにします。
焚き付けに火をつけ、火が消えないように焚き付けを少しずつ継ぎ足します。
次に細めの枝や、細く割った薪をくべ、火を移していきます。
細めの枝に火が移ったら、大きめの薪をくべて、火を移します。
大きめの薪が芯から燃えるまで火が育ったら、火おこしは成功です。ここまでくれば、簡単に火が消えることはありません。
火おこしに適した薪とは?
薪の種類は、大きく分けて針葉樹と広葉樹の2種類です。
針葉樹の薪は油分が多く、火が大きくなりやすい性質があります。広葉樹は油分が少ないため、火がつきにくいです。ただ、木の密度が高いため、ゆっくりと燃える性質があります。
このような違いがあるため、火おこしには、火をつけやすい針葉樹の薪を使用するのが基本です。広葉樹の薪は、焚き火の火を長く維持するのに使用するのがおすすめです。
空気の通り道を意識しよう
先ほど、焚き付けに火をつけて、次に細めの枝や、細く割った薪に火をつけていく、とご説明しましたが、火がついた焚き付けの上にやみくもに薪を乗せても、せっかくつけた火が消えてしまいます。これは、空気の通り道が塞がってしまうことが原因です。
火が安定して燃えるためには、酸素が必要になります。隙間を開けるように薪を組んで、空気の通り道を意識しましょう。
煙突効果を利用して火をおこす
続いて、火おこしの際に知っておくと便利な知識に「煙突効果」というものがあります。
「火おこし器」という道具はご存じでしょうか?火おこし器は、炭に火をつける道具です。
火おこし器の円筒状の本体の下に、焚き付けを入れ、その上に炭を置きます。焚き付けに火をつけて、放置するだけで、簡単に炭に火をつけることができます。
この火おこし器、少ない焚き付けで、驚くほどの火力が得られるのですが、そのわけは煙突効果という現象を利用しているからです。
煙突効果とは、煙突の中に高温の空気がある時に起きる現象のことです。
煙突の中が高温になると、煙突内の空気に浮力が生じます。浮力が生じ、煙突内の空気が上昇すると煙突下部の空気取り入れ口から、外部の空気が大量に取り入れられます。すると、酸素の多い空気が取り込まれ、強い火力を得ることができるのです。
今回ご紹介するのは、段ボールを焚き付けに使用し、さらに煙突効果を利用した簡単火おこしです。円筒状の形状に、段ボールを丸め着火することで、火おこし器と同じように煙突効果が発生し、高い火力を得ることができるのです。
それでは、段ボールを使った簡単火おこしの手順をご説明していきます。
段ボールを使って火を起こしてみましょう
<使用するもの>
・段ボール
・針葉樹の薪
・斧や鉈
・ライターやマッチ
1.薪を細く割る
斧や鉈などを使用して、針葉樹の薪を細く割ります。片手で握れる細い薪を、12本ほど用意しましょう。
斧や鉈で怪我をしないように十分に注意をして、薪割りを行なってくださいね。
2.薪を組む
片手で握れる細い薪12本を、井桁(いげた)の形に組みましょう。井桁の形は空気が通る隙間が多く、高い火力を生み出します。この薪の組み方は、初心者でも簡単に火をおこすことができます。
3.段ボールを丸めて着火
段ボールを丸めて円筒状にします。段ボールは、井桁に組んだ薪の中央に収まる大きさに丸めてください。
丸めた段ボールの片側に、ライターで火をつけます。円筒状の段ボールは渦を巻いています。段ボールの中心の奥を狙って火をつけると、着火しやすいです。
着火が上手くいくと、火をつけた逆側から、煙が噴き出してきます。煙が噴き出したら、段ボールの火をつけた側を下にして、井桁に組んだ薪の中央に差し込みましょう。
4.火を育てる
しばらくすると、段ボールの上部から勢いよく煙が噴き出し、下部から大きな火が上がります。放置しておくだけで、井桁に組んだ薪に火が移りますよ。
井桁に組んだ薪の全体に火が移り、火が安定したら、より大きな薪をくべて、火を大きく育てましょう。
さいごに
井桁に組んだ薪の中央に、円筒型に丸めた段ボールに火をつけて入れ、放置するだけで、安定した火を得ることができます。
驚くほど簡単に火おこしができるので、焚き火初心者の方におすすめです!ぜひお試しくださいね。