無骨なシルエットが魅力的なカトラリー
ビーパル2022年1月号の特別付録は「4WAYカトラリーセット」。グリップスワニーとのコラボアイテムです。
グリップスワニーといえば、アウトドア向けのアパレルやギア、とくに革製の黄色いグローブでよく知られています。
素材は丈夫でサビに強いステンレス。
マットブラックに塗装され、無骨でありながらスタイリッシュなデザインに仕上がっています。
名前の“4WAY”が示すとおり、4つの使い方に対応します。
・ナイフ
・先割れスプーン
・穴板スパナ
・マイナスドライバー
なかでも穴板スパナとして使える六角形の穴は、デザインにおけるアクセントとしても貢献しています。
今回も実際にフィールドで使用し、使い勝手を確かめてみました。
ナイフは握りやすく、ステーキがちゃんと切れる
手に取ってまず感じたのが、意外なほどの握りやすさ。
1枚のステンレス板から作られているため、握り心地はそこまで期待していませんでした。これはうれしい誤算です。
厚さは2mmほどあり、剛性は十分。よほど強い力を加えないかぎり、曲がることはないでしょう。
刃はそれほど鋭利ではありません。マイナスドライバーや穴板スパナとして使う際、刃に手が触れるため、あえて鋭利にしていないのでしょう。
そのかわりにギザギザがしっかり立っているため、ステーキがちゃんと切れました。
普通のナイフのように「1回でスパッと切れる」とまではいかないものの、十分実用に足ります。
先割れスプーンは汚れを拭き取りやすい点もGOOD!
先割れスプーンもナイフと同様、形状が独特なわりには握りやすく感じられます。
スプーンとフォークの2つの役割を担うため、必要最低限の道具で食事をしたい場合に重宝するでしょう。
ナイフでステーキを切るとき、肉を押さえるのにも役立ちます。ただ、先端部に厚みがあるため、固めの食材に突き刺すときは少し力がいる印象です。
この点もまた、本体の強度を保ちながら安全性にも配慮した結果でしょう。鍋料理のように、具材が柔らかい場合は問題ありません。
そして使用後に気づいたポイントが1つ。
スプーン本体に段差や継ぎ目がないため、ティッシュでサッと拭くだけできれいになります。この点はとても便利です。
穴板スパナは使いどころが多い3サイズ
持ち手に備わっている3つの穴。これを利用すれば、ボルトやナットを締めつけたり緩めたりできます。
穴のサイズはそれぞれ10mm、8mm、6mm。比較的使いどころが多いサイズです。
キャンプで活用できる機会はあまりないかもしれませんが、車や自転車などでトラブルが発生した際、手もとに工具がなければこれで対応できます。
しかし、本格的な工具とは素材がちがうため、大きな負荷をかけるのはNG。変形や破損の原因になります。
そして、安全に大きく関わる箇所では使用しないこと。応急処置として使った場合は、あとから専用の工具でしっかり本締めをしましょう。
マイナスドライバーは緊急用として使える
マイナスドライバーはナイフと先割れスプーンの両方に備わっており、どちらも形状は同じ。
持ち手がカーブを描いているだけに「とても使いやすい」とまではいえないものの、緊急用としては十分に使えます。
ネジを締める以外には、缶詰のタブを起こしたり、靴底に挟まった小石を取り除いたりといった使い方もできそうです。
ただし穴板スパナと同様、大きな負荷をかけてはいけません。塗装はげや変形につながります。
今しかもらえないアイテムだからこそ、大切に使いたいところです。
小さいけれど実用的!スタイリッシュで一風変わったツール
4つの使い方に対応する機能性、工具としての使用に耐えられるタフさ、そして“ギア感”あふれるデザイン。
4WAYカトラリーセットは、これら3つの要素が備わっているアイテムです。
本格的な工具と同等とまではいえないものの、それぞれの機能が実用的なレベルに達しています。
見た目がスタイリッシュであるため、カラビナを用いてリュックにぶら下げておいてもカッコいいはずです。
このデザインが気に入った方、そして一風変わったツールを好む方。
4WAYカトラリーセットは、そういった方にこそハマる付録だと感じました。