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薪を無料で入手する方法のうち、正しいものはどれ?
キャンプ場やホームセンター、はては通販で購入する人も多い焚き火の必需品・薪。無料で手に入れられる方法があるって聞いたら、そりゃあ気になっちゃいますよね。
さて、正しい入手方法は一体どれ?
Question:薪を無料で入手する方法で、正しいのはどれ?
1:近隣の森で薪を拾う。
2:空き地に放置してある薪を拾う。
3:役場の土木課に問い合わせて入手する。
4:河川組合に問い合わせて入手する。
Answer
3:役場の土木課に問い合わせて入手する。
4:河川組合に問い合わせて入手する。
薪を入手する方法には、大きく分けて「購入する」「自分で伐採したり拾ったりして薪を作る」「人や団体から譲ってもらう」がある。購入する場合は、キャンプ場、ホームセンター、ネット通販、燃料店、薪専門店などで購入可能だ。
無料で入手する方法には、枯れ木や流木を拾ったり、自分で樹木を伐採して薪を作るケースがある。だがその場合は原則、自分が所有する土地以外で、無断で伐採したり拾って使用してはいけない。薪を販売しているキャンプ場などは、薪拾い禁止の場所もあるので、オーナーや受付で了承を得てから行なおう。
一方で、山林に放置された倒木や、伐倒処理で発生した丸太などを、木材資源の有効活用を目的といて、無料で配布している自治体や団体も多数存在する。伐採木が発生すると、各地域の役場や河川組合のホームページで情報発信しているので、チェックしておくとよい。荒れた山林や河川環境を再生させるためにも、大いに活用したい。※申請や抽選などの手続きは各自治体によって異なる。すぐに配布木材が無くなる地域もあるので注意。
薪を無料で入手する方法
1:役場の土木課に問い合わせる
街路樹の伐採や公園の整備、倒木処理などで発生した丸太などの多くが、焼却炉で廃棄処分される。そのため、木材資源の有効活用を目的とした伐採木の無料配布を行なう自治体も多い。まずは役場の土木課のホームページで情報を入手。伐採作業の多い冬から春にかけて、薪の無料配布情報が多く発信されるので参考にしたい。
2:地元の河川組合に問い合わせる
河川工事や洪水対策に伴う環境整備や樹木伐採で発生した流木や伐採木などを、地域住民限定で無料配布している自治体も多い。地元の河川組合(河川事務所)のホームページなどで確認してから問い合わせてみるとよい。
3:森林の持ち主に相談してもらう
森林は間伐をしないと、台風などで樹木が倒れやすくなってしまう。ところが最近、森林所有者の高齢化によって伐採できる人が少なくなり、倒木や枯れ木の処理に困っている所有者が急増している。もし高齢の森林所有者と面識があるなら、まずは相談を。森林整備をすることを条件に、快く無料で薪を譲ってくれるケースが多い。日頃から積極的に地域内の交流イベントや防災訓練などに参加し、ご近所づきあいを大切にすることも重要だ。
4:地元の造園業者に問い合わせる
造園業者が伐倒した樹木は処理に経費がかかってしまうため、相談するとすんなりもらえることも。特に倒木が多く発生する台風や暴風雨の後は、森林整備にもつながるため、もらいやすい。まずは家の近くにある造園業者に問い合わせてみるとよいだろう。
5:製材所に問い合わせる
製材所や建築現場などから出る端材は産業廃棄物として経費がかかるので、相談するともらえるケースが多い。面識のある建築業者さんなら定期的にくれることも。ただし、合板や合成樹皮を使った材木、すでに防腐剤処理された材木などは、燃やすと有害な煙が出るので避けたい。
6:森林整備のボランティアに参加する
全国には荒れた森林を整備するボランティアが多数存在。スギ枯れ、ナラ枯れ、マツ枯れなど病気で痛んだ樹木の伐採、倒木の処理、登山道の整備などが主な作業。作業終了後に処理した倒木や枯れ木を無料で配布してくれる団体も多数あるので、参加する前に問い合わせておくとよい。
無料で手に入れられれば嬉しいけれど、どの団体にも数に限りはある。ましてや今は空前のキャンプブームなので、問い合わせても供給量がなくなっている場合もある。そんな時は、潔く諦めるのがキャンパーの心得と胸に刻んでおこう。
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取材・文・撮影/松浦裕子