昼の情報番組で紹介された火起こしグッズ
“日本で唯一のBBQ芸人”として、たびたびメディアに登場するたけだバーベキュー氏。
そんな彼が愛用する火起こしグッズとして、とある昼の情報番組で紹介されたのが「ファイヤーライターズ」です。
マッチと着火剤が合体したような製品で、これがあれば簡単に火起こしが成功するとのこと。
本当に火起こしが簡単になるのか、気温が0度Cを下回る厳しい環境のもとで検証してみました。
ファイヤーライターズの特徴と使い方
ファイヤーライターズの特徴をざっと挙げると、以下のとおり。
・成分は「圧縮木材繊維」と「植物性ワックス」
・1箱20本入りで価格は660円
・1本あたりの燃焼時間は8分
・コンパクトで携帯しやすい
・素手で触っても汚れがつかない
・長期保存ができ防災グッズにも使える
1本あたりのコストは33円となる計算です。1箱に20本入っていますが、かならずしもすべてを持って出かける必要はありません。
コンパクトな容器に必要な本数だけ移し替えれば、より携帯しやすくなります。
使い方はよくあるマッチと同様です。以下の3ステップで火起こしをおこないます。
1.箱から取り出して、1本だけ折ります。
2.発火薬がついた先端部を箱の側面で擦り、火をつけます。
3.あらかじめ組んでおいた薪や木炭の隙間に差し込みます。あとは待つだけ。
着火すると徐々に炎が大きくなり、穏やかながら力強く燃焼します。
燃焼時間は8分と記載されていますが、実際には10分ほど燃え続けました。
ここまでの使用感は、なかなかいい感じです。それでは肝心の、火起こしの能力はどうでしょうか。
針葉樹・広葉樹・木炭で火起こしの検証!
針葉樹の薪・広葉樹の薪・木炭の3つで、火起こしが成功するかを検証しました。
検証の手順は以下のとおりです。
1.薪・炭を組み、着火したファイヤーライターズを差し込む
2.3分経過した時点で、状態をチェック
3.10分経過した時点で、状態をチェック
1本のファイヤーライターズが燃え尽きるまでの10分間で、火起こしが成功するかどうかに注目します。
針葉樹の薪で火起こし
まずは針葉樹の薪から。
火がつきやすい細い薪と、火持ちがいい太い薪を組みあげ、着火したファイヤーライターズを下に差し込みます。そしてそのまま放置。
気温が低くて少々不利な条件ですが、ファイヤーライターズが生産されているのはスウェーデン。冬の気温が氷点下となる冷涼な国です。
もしも寒いくらいで着火できないとなると残念。せめて針葉樹の薪くらいは、問題なく着火できてほしいところです。
3分が経過しました。この時点ですでに、薪に火がついています。
本来であれば、ここから薪を追加して炎を大きくしていくところ。
ですが今回はファイヤーライターズ単体の能力を知りたいので、このまま手をつけずに放置します。
火起こしを始めてから10分。すでにファイヤーライターズが燃え尽きています。そして薪はというと、このとおり。
細い薪はもちろん、太い薪もメラメラと燃えています。結果として、針葉樹の薪の火起こしは難なく成功。
この結果だけでも、焚き火での火起こしがだいぶ楽になることがわかりました。
広葉樹の薪で火起こし
焚き火においては、火がつきやすい針葉樹から燃やし、それから火がつきにくい広葉樹に火を移すのがセオリーです。
そのセオリーを無視して、最初から広葉樹の薪に着火できれば、これほど楽なことはありません。
今回はあえて、組みあげた広葉樹の薪の下にファイヤーライターズを直に差し込み、そのまま放置。
ちなみに、着火したファイヤーライターズを長く持っていると、軸のほうに火がまわってきます。
安全のため、着火してから5秒以内には手から離したいところです。
3分経過。さすがに針葉樹ほど簡単ではない様子です。
しかし上に置いた薪からは、すでに火が立ち上がっています。ここからどれだけ燃焼が進むか期待。
10分経過。3本の薪すべてが、みずから炎をあげているのが確認できます。
もちろん、途中で息を吹き込んだり、ファイヤーライターズを追加で投入したりはしていません。
これは完全に期待以上。
ファイヤーライターズがあれば、焚きつけ用として針葉樹の薪を用意したり、キャンプ場で杉の葉や松ぼっくりを拾ったりする必要はなさそうです。
木炭で火起こし
木炭も広葉樹と同様、火起こしに手間がかかる燃料です。
木炭の場合はバーベキューという本来の目的があるため、食材の準備などもおこなわなくてはなりません。
そのため、ファイヤーライターズ1本で自動的に着火できるのであれば、大変素晴らしいことです。
炭を並べて、着火したファイヤーライターズを放り込みます。そしてこのまま放置。
3分経過。よく見ると、木炭の一部が白くなっています。ですがこの時点では、ちゃんと火がついているかどうかを判断できません。
ここから先、ファイヤーライターズがどれだけ頑張ってくれるかにかかっています。
そして10分が経過。ファイヤーライターズを入れた場所を中心に、木炭が本格的に燃焼していることがわかります。
大きな木炭も高温ですっかり赤くなり、このままバーベキューを始められる状態に。結局すべての木炭が灰になるまで、数時間燃え続けました。
もはや、いうことなしの結果です。
便利でありながら、火起こしの面白さを失わない
ガスバーナーを使うには、バーナー本体とガス缶が必要です。
固形燃料を使うには、固形燃料のほかにライターも用意しなければなりません。
いっぽう、マッチと着火剤の両方の性質を持つファイヤーライターズなら、これ1つで完結します。
この手軽さこそが、ファイヤーライターズの素晴らしさです。
ただし、薪をどのように並べても着火できるガスバーナーとちがい、火起こしにおける最低限のツボを押さえておかなくてはなりません。
酸素を取り込みつつ、熱を逃さない薪の並べ方が求められます。そこに「火起こしを楽しむ余地が残されている」ともいえるでしょう。
ハイテクな道具に頼らないところも、人によっては大きな魅力になるはずです。
氷点下の厳しい条件のもと、期待以上の結果を見せてくれたファイヤーライターズ。
見た目だけではわからない、確かな実力を秘めた逸品です。
SOLSTICKAN(ソルスティックカン)ファイヤーライターズ
サイズ:幅6.7×長さ12× 厚さ3cm
重量:142g
内容量:20本
燃焼時間:8分
価格:660円