寒い季節は、七輪を囲んであったかい鍋料理をつつきたいもの。でも、かじかむ手で食材を切るのはちょっとつらいですよね。今回、蓮池陽子さんが提案してくれたのは「ふろふき大根」。大根は家で切って下ゆでするので、現場では手間がかかりません。もうひとつの材料、厚揚げも家で切ってくればOKです(最近は食べやすい大きさに切られた厚揚げも売っていますね)。
さて、一般的なふろふき大根は、砂糖を入れた甘めのみそだれで食べることが多いようですが、陽子さんは甘みそのほかに、台湾風の辛みそを用意してくれました。辛みそは、熟成期間の長い赤い米みそに市販の「食べるラー油」と練り胡麻を入れています。食べるラー油は「花椒入りのものがおすすめ」とのこと。たしかに花椒のパンチの効いた辛さと香りが、食欲をそそります。練り胡麻は、みそとよくなじんでなめらかな舌ざわりです。
甘みそのほうは、「江戸甘みそ」に砂糖とみりんを入れています。江戸甘みそとは、江戸で流行した、麹多め、塩少なめの甘い米みそのこと。ふつう甘いみそというと白いものが多いですが、これは熟成期間が長めだからから赤褐色をしています。ここに、刻んだゆずの皮も入れます。甘いなかでもゆずの酸味が味を引き締めて、上品な味わいです。
みそは辛くしても甘くしてもおいしい。みその実力を実感した一日でした。
みそ大好きの陽子さんによる「ソトみそスープ」は、Facebookの「みそパル」でも月に4回公開中です。その中から厳選したメニューを『BE-PAL』本誌(次回は2022年4月号)でも紹介しています。こちらもお楽しみください。
【陽子さんのソトみそスープ 第4回 ふろふき大根のみそダレ2種】
●材料(2~3人用)炭火七輪とアルマイト鍋を使用
- 大根…1/3本
- 厚揚げ…1枚
- 酒、塩…適量
- だし(だしパックでOK)…適量
《台湾胡麻みそ》
- 米赤みそ(熟成タイプ)…大さじ1
- 白練り胡麻…大さじ1
- 花椒入り食べるラー油…小さじ1〜
- 山椒など…適宜
《甘みそ》
- 江戸甘みそ…大さじ2
- 砂糖…大さじ1/2
- みりん…大さじ1/2
- ゆず…適量
●作り方
- 大根は1.5cm厚に切り、皮をむいて隠し包丁を入れる。家でレンチンか下ゆでする。
- 鍋に大根、食べやすい大きさに切った厚揚げ、かぶるぐらいのだし汁、塩、酒を入れて火にかけ、弱火で約30分、やわらかくなるまで加熱する。
- タレはそれぞれの材料をすべて混ぜ合わせる
協力:みそ健康づくり委員会