久留里城トレッキング
年越しはキャンピングカーで房総半島を巡りました。このところ房総の低山を家族で歩くのにハマっており、今回は水と城の町で有名な久留里へ。林道を歩きつつ久留里城まで向かう気持ちいいトレイルがあるとか。
ところが!
なんと通行止め……。
令和元年の台風15号は房総半島に大変な被害をもたらしました。いまだあちこちのトレイルがこのように通行止めになっているのです。歩かれる方はお出かけ前に要チェックです!
城に続く道は、まぁまぁな急勾配でした。まるで垂直に上るようなイメージ。アキレス腱が伸びて気持ちよかったですけどね(笑)。
私は日本史に明るくなくて詳しいことはよくわからないのですが、ここ久留里城ではその昔、たくさんのイザコザが勃発したのでしょう。平和って素晴らしいなぁ。令和の久留里の町を子どもたちと眺めながら、そんなことを思うのでした。
二の丸から本丸まではなだらかな山道になります。上がった息を整えるのにちょうどいい。
ところで久留里城は別名「雨城(うじょう)」とも呼ばれ、「城の完成後、3日に一度、21回雨が降った」とか、「この山にはよく霧がかかり、遠くから見ると雨が降っているように見えた。城の姿が隠れて敵の攻撃を受けにくかった」とか、言われていたそうです。ちょっと幻想的ですね。
もはや房総の低山を巡る旅の定番となった、「私たちしかいない贅沢な世界」。今回もまさにそんな感じで、こんなにいい景色があるというのにすれ違う旅人は皆無でしたよー。
久留里城
所在地:千葉県君津市久留里448
駐車場から天守閣までは舗装路をゆっくり歩いて25分ほど。身体がポカポカしてくる気持ちいい勾配と距離でした。この日は年末でクローズしていましたがルートの途中に資料館がありました。
周辺には桜の木などが植えてあり、四季折々の美しさを眺めながら散歩が楽しめそうです。
水の都、久留里
城から下山、クルマでちょいと移動しましょう。
名水の里として有名な久留里は、千葉県で唯一「平成の名水百選」に選ばれており、町のあちこちに水汲み場があります。
清澄・三石山系の山林に降った雨が天然の地層を通ることで濾過されて、さらに地下水脈を通ってきた豊富な地下水が、自噴井戸によりいつでも温泉のようにこんこんと沸き出ているのです。
水質の良さから「生きた水」とも呼ばれており、定期的に水質検査が行なわれているそうで、もちろん生で飲むことができますよ!
久留里観光交流センター前水汲み広場
君津市久留里観光交流センター、上総地域交流センターと同じ敷地内にあるので、駐車場が広々。キャンピングカーでも気兼ねなく訪れることができました。
また、水汲み場の規模も町内に数か所あるなかで一番大きいそうです。ペットボトルや大きなポリタンク持参で水を汲んでいる方々が何人もいました。
飛び石をピョンピョン跳ぶ息子たち。そこに6~7歳くらいの見知らぬ男の子も加わり、キャッキャッと飛び石セッションが始まりました。イヤな予感しかしない……。
この日は南風が強めに吹く、奇跡的に暖かい日でした。よかったねー。
……じゃなくて、もう!
この後の次男は夫の肩車移動でした……。
小さいお子さん連れの方は、万が一のために着替えがあるといいかもしれませんよー。
久留里観光交流センター前水汲み広場
所在地:君津市久留里市場195-4
水は24時間汲めますが、上総地域交流センターの駐車場が使えるのは朝8時から。
久留里散歩
水がおいしいということは、いろいろおいしいということですよね!?
ふらっと久留里散歩してみましょうか。
吉崎酒造
久留里の水を仕込み水として丁寧につくられたという「純米吟醸酒」。甘さひかえめなスッキリとした飲み口の「吉寿 発泡清酒」を購入しました。
外房の家に行くとき必ず立ち寄る馴染みの鮮魚店で刺身などを買い、吉崎酒造のお酒と合わせて房総の幸を楽しみました。スッキリした味わいでお料理との相性も抜群でした。
吉崎酒造
所在地:千葉県君津市久留里市場102
電話:0439-27-2013
営業時間:平日8:00~18:00 、土曜11:00~18:00
定休日:日曜
http://kichiju-gekka.com/
手打蕎麦処 藤美
久留里散歩はもう少し続きます。吉崎酒造から歩いて2分ほどで着いたのは手打ち蕎麦処 藤美。水がおいしい町のお蕎麦はぜひとも食べておかないと。
時刻はちょうど正午。外から覗いたらすでに満席で、そうしている間にも観光客がパラパラとやって来ます。人気のお店なんですね。庭には藤棚があり、シーズンになるときれいなんだろうなぁと思いながら、外のテラスで順番が来るのを待ちました。
「ランチセット」を頼もうとしたら、もうすでにお米がなくなったそうで、この日は売り切れ!
野菜天せいろの大盛りを2つ、エビ天ぷら、モロコ(魚)の天ぷらをオーダーしました。
ところでモロコってなんでしょう。魚……!?
ちょっと聞き慣れない名前の「モロコ」という魚を調べてみると、琵琶湖周辺に生息する貴重な淡水魚、「ホンモロコ」だそうです。久留里で増えている休耕田と、この町の上質な井戸水を利用して養殖しているのだとか。へぇ。水が豊かだといろんなことができるんだなぁ。
カラリと揚がったサクッ! とした衣と、ふわ~っとした白身がなんとも美味でした。個人的には汁に付けるより塩をチョンとしていただくのが好きでした。3歳の次男も爆食いしていましたよー。
手打ち蕎麦処 藤美
所在地:千葉県君津市久留里市場138
営業時間:11:30~20:00
定休日:月曜
久留里の水の恵みをたくさんいただいて、大満足で次の旅先へと移動したのでした。