「ジャパンキャンピングカーショー」
キャンピングカーイベントのシーズンがやってきました。最大規模の「ジャパンキャンピングカーショー2022」(幕張メッセ)を皮切りに、これから全国で大小さまざまな商談会が開催されます。
キャンピングカー購入にあたっては、たくさんの実車を見たり触ったり座ってみたりすることも大事なステップです。今回は初めて参加するイベントを最大限に活用するコツ、とくに「ジャパンキャンピングカーショー」のケースについてお伝えします。
購入を目的に行くのなら
まだ具体的に購入を考えている段階ではなく、会場をブラブラするつもりで行くのでしたら特別なことはありません。気の向くままに散策するだけで十分に楽しめると思います。
もし購入のための下見や商談を目的に行くのでしたら、ちょっとしたコツがあります。
というのもこれは私の場合ですが、やみくもに歩き回っていると、あっというまに会場の華やかな雰囲気にのまれ、物量に圧倒されてしまうのです。数百台の車が並ぶ広大な会場、各社工夫を凝らした展示、次々と目に飛び込んでくるニューモデル……。
そもそもキャンピングカーに興味があって行くわけですから、目移りせずにはいられません。「すごい!」「どの車もよかった!」「でも、なにを見に来たんだっけ?」となるのが私のお決まりのパターンです。
レジャーとして出かけるならそれでも大満足なのですが、情報収集が目的ならきっと消化不良になるでしょう。失敗しないポイントは事前の準備と計画にあります。
事前に公式サイトをチェック
「ジャパンキャンピングカーショー」では、事前に公式サイトで会場マップ、出展社、出展車両などが公表されます。まずは目当てのビルダーや車両が出展されるかをチェック。各ビルダー・ディーラーの自社サイトやSNSでも「出展します」のお知らせがアップされることが多いです。
もし具体的なビルダーがイメージできない場合は、大手から順にチェックしてみてもいいかもしれません。たくさんの人に買われている、ということは最大公約数を見つけるのが得意ということで、人気の型を知り尽くしている会社ともいえます。
少し乱暴な見方ですが、会場マップで「より大きな展示面積を占めている会社」といっていいでしょう。キャブコンでしたら「VANTECH(バンテック)」や「ナッツRV」、バンコンでしたら「Toy-Factory(トイファクトリー)」といった具合です。
マップには「C=キャブコン」「V=バンコン」などと出展車のタイプが載っているので、そのビルダーの得意分野の目安になります。
1番目、2番目、3番目と見学順位を決めて、会場マップで位置を確認してから出発しましょう。そして一直線に向かうこと!
しつこいくらい強調してしまいますが、道すがら魅力的なキャンピングカーが次々と目に飛び込んできて、ついつい浮気をしたくなるからです。
見たいビルダーを決めておき、それ以外のビルダーは余った時間と体力で見る。そう心がけると情報収集の成果を上げやすいように思います。
どのビルダーがよいかわからないとき
どのビルダーを見たらいいかさっぱりわからない、という場合は事前に年鑑のような雑誌を1冊購入したり、イベントガイドブック付前売券(ガイドブックは会期中に引換)を購入するのもよいでしょう。
情報をピンポイントで入手することに適したインターネットサイトに対し、書籍には網羅性、一覧性でまだまだ利があります。
イメージに合致するビルダーを見つけたら、事前に資料請求しておくのもお勧めです。多くのビルダーが快く送付してくれるはずです。
さらに、インターネットで実際に乗っているオーナーの声を探すのもいいですね。旅行記などを公開しているオーナーも多いので、きっと具体的な使用シーンが想像できるでしょう。
ここまできたら、あとは実車を見るだけです。イベントに出かけましょう!
見学のマナー
ハイエンド車を中心に予約内覧制のビルダー・ディーラーもありますが、多くの車は自由に見学できます。カタログやチラシをいただけることもあるので、クリアホルダーや、両手のあくバッグがあると便利です。
人気の車や、その年の最新モデルはたくさんの人が「じっくり見たい」と思っていますから、譲り合って見学することがマナーです。内覧できる場合は「車内は○人まで」「土足禁止」などの注意書きにも目を配っていただければと思います。
日本RV協会のイベントでは「展示車両の撮影は原則禁止です。撮影希望の場合は、必ず出展社へ確認をお願いします」という共通ルールがありますが、購入目的であれば快諾してくれるビルダーも多いようです。
状況によっては動画を撮影できることもあるでしょう。混雑具合に応じて手早く撮影できるといいですね。
また、キャンピングカーの家具は、走行時の振動で簡単に開閉しないよう特殊な構造になっていることがよくあります。扉や引き出しも、ただ引くだけでは開かないものが多いです。
無理に開閉しないよう、また「スタッフにお声がけください」の注意書きがあるような場合には、無断で開閉しないようご留意ください。小さなお子さんがいる場合も目配りしていただければ、気持ちよく見学できると思います。
商談には不向き?
会場には多くの人が訪れます。新たに購入を考えている人はもちろん、過去に購入した顔なじみのオーナー、車について質問したい人など、営業担当スタッフはとりわけ忙しそうです。
また、周りに多くの見学者がいるなかで「予算は……」「家族構成は……」などと個人的なことを話すのも居心地が悪いものです。
お話ししたいのに、前の方の商談がなかなか終わらない、という場面もあるでしょう。個人的にはイベント会場ではなく、日を改めて店舗におもむいた方が、ゆっくり相談できると感じます。
ビルダーによっては「オプション○円分サービス」など会場限定の成約特典をもうけていることがあります。
あくまで私のケースですが、会場ではアポイントに留め、後日成約した場合でも特典を適用してくれた例があります。
いまはもうない車の話なのですが、愛車をビルドアップしてくれた社長さんに会場でお目にかかり、車両の不具合を相談したことがありました。その場では原因がわからず、後日連絡をくれることになったのですが、待てど暮らせど連絡は入らず。
確認すると「すっかり忘れていた!」と恐縮されました。多くの人が訪れる商談会での出来事ですから、込み入った相談をすべき場所ではなかったな、と私も反省しました。
感染防止に配慮してお出かけを
新型コロナウィルスが再流行しています。密を避け、感染防止に気をつけてお出かけください。チケットの購入方法や会場マップなど、詳細は公式サイト(https://jrva-event.com/jccs/)に公開されています。
日本RV協会子会社の会員サービス「くるま旅クラブ」に加入していると、入場が無料になるチケット特典があります。会員種別によっては、ほぼ年会費に近い特典になるため利用価値大です。
人が集まる大規模イベントは控えたい、という場合はビルダー・ディーラーの店舗に出向いて商談することもできます。
ショー会場で興味をもった方に向けて、各店舗で「アンコール商談会」が開催されることもよくあります。ショー閉幕から近い週末などが多いので、ぜひチェックしてみてください。
商談会の開催日でない場合は、「目当ての車が地方イベントのため出張している」ということもあるため予約すると安心です。