趣味でマウンテンバイクを始め、ヘルメットの購入を考えている人に向けて、マウンテンバイク用のヘルメットの選び方を解説します。おすすめの商品も7個ピックアップして紹介するので、安全に楽しく山道を走りたい人は、ぜひ押さえておきましょう。
マウンテンバイク用ヘルメットの2つの特徴
マウンテンバイク用のヘルメットは、例えばロードバイク用のものと比べていくつか違いがあります。まずは、マウンテンバイク用のヘルメットの特徴を知り、選び間違いを防ぎましょう。
後頭部まで覆う形状
マウンテンバイク用のヘルメットは、後頭部までしっかりとカバーする形状になっています。舗装されていない道を走ることが多いため、万が一転倒してしまった際に頭を守るためです。
一般的には、自転車用のヘルメットは軽さが重視される傾向にあります。しかし、マウンテンバイク用のヘルメットは安全を第一に設計されているので、頭を覆う面積も広く作られています。
目を守り、視界を確保するバイザー
ほとんどのマウンテンバイク用のヘルメットには、バイザー(つば)がついています。バイザーの役割は、日差しから視界を守ることや、木の枝や泥が目に入るのを防ぐことです。オフロードである山道を走る上では、欠かせない機能といえます。
バイザーによっては角度を調節したり、取り外しが可能なものもあったりするので、そのようなモデルを選ぶと使い勝手が良いでしょう。
マウンテンバイク用ヘルメットの選び方
マウンテンバイク用のヘルメットを選ぶときは、サイズや安全性、調節機能の有無などに注目しましょう。それぞれ詳しく解説します。
頭にフィットするサイズを選ぶ
ヘルメットが頭にフィットしないと、効果をうまく発揮できずけがのリスクが高まります。自分の頭のサイズを測り、店頭で試着した上で購入するのが望ましいでしょう。頭のサイズを測るときは、一番大きい部分を測るのがポイントです。
なお、海外メーカーのヘルメットを購入するときは、アジア人の頭の形に合わせて作られた『アジアンフィット』と呼ばれるモデルがおすすめです。欧米人とアジア人では頭の形が違うので、欧米人用に設計されたものではうまくフィットしない可能性があります。
国内メーカーの製品であれば、日本人の頭の形に合いやすいものが多く売られているでしょう。
安全規格・MIPS搭載を確認
マウンテンバイク用のヘルメットは、特に安全性を重視して選ぶ必要があります。安全規格に承認されているか、安全機能が搭載されているかもチェックしましょう。
安全規格はそれぞれの国や地域が独自に設けていますが、日本でよく見かけるのは、一般財団法人製品安全協会による『SGマーク』です。安全規格は数多くの種類がありますが、求められる水準に大差はないので、規格を一つでもクリアしていれば安全面はほぼ問題ないといえます。
ほかにも安全機能で有名なのは、多方向からの衝撃から頭を守ってくれる『MIPS』です。ヘルメットを選ぶ際は、規格や安全装置の有無にも注目することが大切です。
着脱・角度調整ができると便利
バイザーは日除けや泥除けに役立つ機能ですが、傾斜を走るときはかえって視界を遮ってしまうこともあります。そんなときのために、バイザーが着脱可能であったり、角度調整ができたりすると便利です。
山道を走るなら、バイザーの有無だけでなく、走行状況によって調節できるかどうかも確認しておきましょう。
ダウンヒルならフルフェイスを着用
高速で山道を駆け下りるダウンヒルでは、転倒したときのリスクが大きくなります。ダウンヒルを考えているなら、耳や顎までカバーできるフルフェイスを着用した方が良いでしょう。
フルフェイスと聞くと、初心者にはハードルが高いと思うかもしれませんが、むしろオープンフェイスより安全性が高いので初心者にもおすすめです。カーボンファイバーでできたプロ向けのヘルメットは高価になりますが、それ以外の素材でできたものであれば、手頃な価格で買えるものもあります。
ダウンヒル用や、初心者が最初に買うヘルメットとしても、フルフェイスは検討する価値があるでしょう。
人気のマウンテンバイク用ヘルメット
ここからは、おすすめのマウンテンバイク用のヘルメットを紹介していきます。まずは人気のモデルを四つピックアップしました。
SMITH「Session Matte Spruce」
スタイリッシュな見た目と保護性能、通気性の三拍子がそろったヘルメットです。コロイドと呼ばれる独自の衝撃吸収素材を用いることで、高い安全性と通気性を両立しています。耐衝撃性に優れたMIPSも標準装備されているので、安心です。
バイザーは3段階に調節が可能です。角度によってはサングラスが収納できたり、ゴーグルを使ったりする場合も邪魔にならない設計となっているので、さまざまなシーンで活躍してくれるでしょう。
SMITH
Session Matte Spruce
カラー:Matte Spruce / Safari サイズ:S(51-55cm) / M(55-59cm) / L(59-62cm) 安全規格:CPSC, CE EN 1078 重量:370g(M)
- 公式サイト:商品ページ
OGK kabuto「FM-X」
マウンテンバイク用に設計されていながら、シーンを選ばずに使えるヘルメットです。バイザーは5段階の可変式となっており、ゴーグルやサングラスの収納に便利なだけでなく、ゴーグル着用時も邪魔にならない形状で快適な走りを実現してくれます。
サポート部分は適度にしなるスプリング構造で、頭の形に沿うようなフィット感を得られるでしょう。インナーパッドは汗がこめかみに流れるように設計されているため、走行中に汗が顔の正面に垂れることによる不快感を軽減してくれます。カラーバリエーションも豊富なので、見た目にもこだわりたい人におすすめです。
- 公式サイト:商品ページ
GIRO「MANIFEST SPHERICAL」
カバー面積が広くなるマウンテンバイク用のヘルメットにとって、課題ともいえる安全性と通気性を両立したヘルメットです。その秘密は、独自の技術である『スフェリカルテクノロジー』にあります。
スフェリカルテクノロジーとは、従来のMIPSに比べてフィット感と快適さを損なわず、高い安全性を実現する技術のことです。また、外部のシェルを大幅に肉抜きすることで、空気が通るスペースを確保し、高い通気性を誇っています。これにより、熱くなりがちなマウンテンバイク用のヘルメットも、涼しく保つことができます。
- 公式サイト:商品ページ
KASK「REX」
高いプロテクション機能を備えながら、軽量化にも成功しているヘルメットです。側頭部や後頭部をしっかりとカバーしながらも、重量はMサイズでわずか310gと、走行時のストレスを軽減してくれるでしょう。安全規格はCE EN 1078の認証を受けています。
フロントには、カメラやライトを取り付けられるマウントが設置されているので、ライド中の動画を撮りたい人にもおすすめです。カラーは4種類展開されており、どれも鮮やかなので、ファッション性を重視する人にも向いているでしょう。
- 公式サイト:メーカーページ
フルフェイスのおすすめヘルメット
ダウンヒルや、安全性の高さを重視する初心者ライダーに向けて、フルフェイスのおすすめヘルメットを3つ紹介します。本格的に山道を走りたい人は、ぜひフルフェイスのヘルメットを検討しましょう。
FOX「ランペイジコンプヘルメット」
顔全体をカバーするフルフェイスながら、軽量性や通気性も高いヘルメットです。安全性能については、回転衝撃を吸収するMIPS搭載です。内部のインナーは肌触りも良く、着脱もできます。
ヘルメットの各所に通気孔を設けることで、内部の熱くなった空気は外へ、外部の涼しい空気は中に入りやすい構造となっています。バイザーは調節可能なので、さまざまなシーンで活躍するでしょう。
- 公式サイト:商品ページ
KASK「DEFENDER」
赤・青・白の鮮やかなカラーが特徴的なヘルメットです。軽くて丈夫な素材であるカーボンシェルでできており、重量はMサイズで778gとフルフェイスながらも軽量な設計となっています。計18個の通気孔が、ヘルメット内の通気性を良くしてくれます。
チークパッドは取り外しが容易となっており、もしものときに素早く脱げるようになっているのもポイントです。チンガードのフィルターは交換可能なので、塵や埃が溜まったら交換することでスムーズな呼吸を維持できます。
- 公式サイト:メーカーページ
SMITH「Mainline AC」
高い衝撃吸収性と通気性を両立したコロイド技術が搭載されたヘルメットです。サイズはS〜Lの3種類展開されており、チークパッドは3種類、首と頭部上部のパッドは2種類用意されています。そのため、自分の頭のサイズに合わせて微調整も可能です。
バイザーは可変式で、同メーカーのゴーグルにフィットする設計となっています。自分の頭にフィットするものを探している人におすすめといえます。
- 公式サイト:商品ページ
マウンテンバイク用ヘルメットは消耗品
マウンテンバイク用のヘルメットは頑丈に作られていますが、実は寿命があります。ヘルメットの耐用年数をしっかりと把握し、適切な時期に買い換えることが大切です。
使用開始から3年が交換目安
マウンテンバイク用のヘルメットの寿命は、一般的には3年といわれています。ヘルメット内部の衝撃吸収材が劣化することで、徐々にその機能が失われてしまうためです。3年以上経過したヘルメットを使い続けると、万が一のときに効果を発揮せず思わぬ事故につながる可能性があります。
中にはインナーが取り外し可能で、交換できるものもありますが、時間が経つと生産終了などの理由で入手ができなくなる可能性があります。また、転倒などの衝撃で凹んだりヒビが入ったりした場合は、そのときが寿命でしょう。
まとめ
マウンテンバイク用のヘルメットは、他のヘルメットよりも安全を優先し作られています。それゆえカバーする面積も広く、重量もある傾向にありますが、中には堅牢性と軽量化を両立したモデルも存在します。
ヘルメットを選ぶ際は、まずは頭にフィットするかどうかが重要です。またMIPSをはじめとする安全装置や、SGマークなどの安全規格を取得しているかもチェックしましょう。傾斜を走るときにはバイザーは邪魔になるので、角度を調節できるものなら便利です。
ダウンヒルを予定している人やマウンテンバイク初心者は、より安全性の高いフルフェイスのヘルメットがおすすめです。この記事で解説した内容を参考に、ぜひ自分に合ったものを選びましょう。