散歩やハイキング、キャンプの時などに、ふと目にする鳥は、昔から人間の暮らしにきわめて身近な野生生物であり、季節の訪れを知る指標でした。バードウォッチングというと難しく感じるかもしれませんが、鳥を見たり、さえずりを聞くだけで、ちょっぴり幸せな気持ちになれますよね。野鳥観察の達人に基本と道具、森で見ることができる野鳥を教えてもらいました。
双眼鏡の選び方
森で野鳥を探すときは、まず声で聞き分け、その方向を双眼鏡で探すといい。
「最初に双眼鏡でおおまかな場所を探したら、フィールドスコープに代えてじっくり観察します」
とは、東京都檜原都民の森のガイド・浦野さん。
初心者が森で双眼鏡を使うなら、倍率は8〜10倍のものを。高倍率すぎるとブレが大きくなり、視野も狭くなる。また、対物レンズの口径も重要で、携行性を重視するなら20mm台、見え味を追求するなら40mm台がおすすめだ。
「じっと待っていても鳥が現われない場合は、虫や植物を見て楽しみます。双眼鏡は細部まで見られるので、いままで気づかなかった森の美しさを発見できます」
野鳥観察のための道具
森で見られる野鳥
オオルリ
ヒタキ科。日本には夏鳥として渡来し、低山~亜高山帯にかけて生息。岩壁にコケなどを用いて巣を作る。オスの青い背中が美しい。
キビタキ
ヒタキ科。こちらも全国の丘陵から山地の樹林帯に渡来して生息する夏鳥。個体によって変化にとんだ美しい鳴き声が聞ける。
ミソサザイ
ミソサザイ科。沖縄以外の全国に分布。夏の亜高山帯の風物詩。体が小さいながらも、ピチュピチュ チュリリリと力強くさえずる。
サンコウチョウ
カササギヒタキ科。初夏に渡来し繁殖。繁殖期のオスは体長の3倍くらいの長い尾羽をもつ。食性は昆虫食で、林内で飛翔中の昆虫を補食。