4月の下旬になると、毎日庭のサクランボの木をチェック。その理由は、サクランボは鳥にとっても大好物の食事。年によっては3メートルほどの樹高があるサクランボの木が丸裸にされることも。
野生の鳥や動物は自然の食べ物のソムリエ。いつも一番おいしい頃合いを知っている。「明日は収穫だな」と思って一晩越すとずいぶん食べられていることも珍しくない。網をかければ問題ないと思いきや、少しの隙間から入られる。
趣味でのんびり家庭菜園している人間より、命がかかっている鳥の方が真剣になるということ。小学校から帰ってきた娘が枝に登って、枝から直接サクランボを次々に頬ばっては種を飛ばしているのをみると、鳥と人間もあまり変わらないもんだと思い鳥を許す気にもなる。
そういえば40代になった自分より、小学生の娘の方が庭のことをよく知っていてびっくりする。仕事から帰ると娘が「柿がもうすぐだ」とか、よその畑を通りかかったときには「うちよりもトウモロコシのなり方が早い」だとか、よくそんな話をしてくれるし、夕飯のために収穫しておいてくれる。このまま小学生のままでいてくれたらいいのに、と思いながら料理をする。
今年は人間の圧勝でボウル2杯分の収穫があり、きれいなのでそのままチェリーパイに。種を抜いたサクランボを鍋に入れて、煮詰めすぎないようにしてレモン汁と砂糖をほんの少しだけ加え、コーンスターチを少量加えてとろみをつけて完成。あと何年、娘とサクランボをとれるのだろうか。
※こちらの記事は過去の読者投稿によるものです。
トシさん