「はて、昔こんな話読んだことあるな」と思い書棚を探すとありました。遠藤ケイ著「おこぜの空耳」この本は杣人(そまびと:森で働く人)の体験談を小説風にした短編6編が収められています。表紙には「願はくば之を語りて平地人を戦慄せしめよ」と記されております。(笑)
毎月17日は山忌みの日で山には入ってはいけない日にあえて山に入り一人で祟りのある木を切り出した男の驚愕の体験「天狗の腰かけ松の怪」。
森の中にあるぽっかりと空いた空間そこには草すら生えておらず掃き清められたようになっている。そこで粗相をした男の末路「山の神の遊び場」。
やはり山には神さまがいらっしゃるのでしょう、昔からの伝承にはそれなりの理由が隠されているのかも知れません。ちなみに山の神に「獲物が獲れますように」とオコゼをお供えするのは、山の神は女性だそうで醜いオコゼをみて「私の方が美しいわねぇ」とご満悦になるそうです。
山に入るときは山の神の怒りに触れないよう禁忌に対しては畏敬の念をもって接することが大切ですね、それには老若男女の別は無いかと思われます。
令和2年残暑の頃 再読
浪速の崖っぷちにて 東雲 記
※こちらの記事は過去の読者投稿によるものです。
東雲さん