日本単独野営協会 ~ソロキャンプの認知向上活動~[読者投稿記事]
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    2020.01.24

    日本単独野営協会 ~ソロキャンプの認知向上活動~[読者投稿記事]

    日本単独野営協会は「ソロキャンプの健全な普及」を理念に設立された任意団体です。
    任意団体ということで入会金や、会費などは一切頂いておらず、ソロキャンパーひとりひとりの集合体として、ソロキャンプの普及活動や各種キャンプイベント、野営地の清掃活動や草刈り、キャンプマナーの啓蒙活動などを無償で行っています。

    私が最初、たった一人で日本単独野営協会を始めようと考えたのにはいくつかの理由があります。

    私が学校を出て新卒で就職した時代はバブルも弾け、その影響が世の中を蝕み始めた頃でした。
    世の中の景気は日に日に悪化し、中小企業だけではなく、絶対に潰れないだろうと思っていた大手企業までが次々に倒産に追い込まれていきました。
    まだそこ頃の自分は若く未熟であったため、自分の実力ではどうすることもできない状況の中で、ただひたすら寝る間も惜しんで働く事しかできず、心も体もボロボロの状態で毎日をすごしていました。

    それから長い月日が経ち、仕事も自分の力で出来るようになり、落ち着いて、自力で自由な時間が作れるようになった頃、今まで過ごしてきた人生に疲れていた私は、学生時代に野宿で自由を感じていたあの頃の事を思い出していました。
    疲れきった心や体を自然が癒やしてくれることを知っていた私は、本能的に昔の記憶を呼び覚ましたのかも知れません。
    それ以来、私は少しずつ一人で野営地に出かけることが多くなっていきました。それが本格的なソロキャンプ人生の始まりです。

    ソロキャンプは、大自然のゆっくりとした時間の中で、他人に全く気を使うこと無く、自分を素直に、客観的に見ることができ、今自分が辛いと思っていることは、本当は取るに足らないくだらないことなのだと気が付いたり、「休息を取る」「楽な方法を選択する」ということは悪いことではないと知ったり、今すぐに何かの成果をあげなくても、この後の人生には何も影響しないとわかるなど、あらゆるストレスから開放される、とても健全な趣味なのです。

    しかしながら、ソロキャンプはまだまだ世の中に浸透しておらず、多くの方に偏見が残っています。人に話すと大抵「友達いないの?」「一人でつまらなくない?」「ずっと外に居てヒマじゃないの?」「怖くないの?」「変わってるね。」と、健全な趣味である割には、何となく理解し難い事を言われたような反応が返ってきたり、時には変人扱いをされることもありました。

    こうしている今も世の中には、不当な扱いや過剰な労働を強いられたりする、いわゆる「ブラック企業」が世に横行し、多くの方が心を痛め、病気になってしまったり、本来あってはならないことですが、自ら命を断つことを選択してしまう人がいます。その数は決して少なくはなく、精神面での病気になる人は数百万人、自ら命を落とす人は数万人に及ぶと言われています。私は昔、もしかしたらその一人になっていたかも知れないという想いの中で、「そんな不幸な人はこの世に一人でも居てはいけない」と感じています。

    昔の自分がそうであったように、自力で苦しい状況から脱出できない状況に追い込まれてしまった人達が、少しでも大自然の中で自分を見つめ直し、ストレスやプレッシャーなどから開放されるように「ソロキャンプ」という素晴らしい趣味を、誰もが抵抗なく気軽に始められるように、偏見をなくし、ハードルを下げ、一般的なレジャーとして胸を張って堂々と楽しめるようにしたいと強く強く思いました。
    それが、私がたった一人で日本単独野営協会をはじめた、いくつかのきっかけの中の大きな一つです。

    そして、もう一つの大きなきっかけがあります。私が野営に出掛けると、いつも決まって「焚き火をした後の放置」や「ゴミの不法投棄」「タバコのポイ捨て」などがあちらこちらに見られました。
    マナーを守らない人が多数訪れる野営地が閉鎖に追い込まれてしまったという話は度々私の耳にも入ってきます。キャンプはキャンプをする場所がなければ当然できません。キャンプをする場所がなければ、私が目指している「ソロキャンプの健全な普及」などできるはずもありません。
    私はこの状況を何としても変えていかなければならないという使命感に駆られました。

    不法投棄は犯罪です。焚き火跡の炭も炭素という元素なのでそれが将来的に土に還ることはなく、その場にあり続けてしまう「ゴミ」です。
    最初は感情にまかせ、ゴミを捨てている人を直接注意しに行ったりしましたが、やればやるほどは反発されるだけで、その効果を実感することができませんでした。
    最終的に考えたのは、マナー違反を注意したり、批判するだけではなく、とにかく「自分が率先して清掃活動をしよう」ということでした。
    ただ、残念ながらソロキャンプには「一人」という弱点があり、ゴミを拾っても拾っても全く減ることはありませんでした。

    そこで私は賛同してくれる人を集めようと考えました。「世の中にはきっと同じことを考え、同じことで悩んでいる人はいるはず。全力で想いを伝えれば、必ず全国のソロキャンパーが賛同してくれる。多くの人の力で清掃をする活動が広がれば、たとえ時間がかかったとしても、野営地のゴミはいつか必ずゼロになる」と信じ、私にとってはかなり重い決断ではありましたが、個人競技のスポーツにもそれを支援する団体があるように、1人でやるソロキャンプにも団体が必要だと考え、日本単独野営協会を設立しました。

    設立したばかりの頃は、当然たった一人です。ソロキャンプをしている間はずっと一人で日本単独野営協会の旗を掲げて活動をしていたので、指を差して笑われたり、ただの変な人だと思われました。
    個人競技にもそれを支援する団体が必ずあるという事実は無視され、「ソロなのに団体って何だよ」とあちらこちらで矛盾とバカにされました。

    しかし、私はいくらバカにされようが全く気にしませんでした。何故ならばソロなのに団体という矛盾こそが日本単独野営協会の始まりであり、今現在、全国各地で野営地を綺麗に使おうと動いてくれている多くの会員の皆さんが動いてくれている大きなモチベーションとなっているからです。

    日本単独野営協会の運営理念は「ソロキャンプの健全な普及」です。
    日本単独野営協会の理念に基づき約3ヶ月に一度、河川を管理する事務所に申請を出し、河川敷にてキャンプイベントを行い、野営地の清掃活動や、皆さんが快適にキャンプが出来るようにするための草刈り、これらの取り組みの啓蒙活動を行っています。

    私が一人で立ち上げた協会も、今では賛同してくださる会員さんが数千人規模となり、今も全国各地で増え続けています。
    2019年には本拠地とする神奈川県だけではなく、大阪府にも支部ができ、更に活動の幅を広げることが出来ました。

    誰もがいつまでもキャンプを快適に楽しむことが出来るよう、日本単独野営協会はこれからも全国で賛同者を集め、最終的には数万人規模の力で人々の心を癒やすソロキャンプを普及させ、全国の野営地のゴミがゼロになるまで、幅広く各種活動に邁進してまいります。


    ※こちらの記事は過去の読者投稿によるものです。

    日本単独野営協会さん

    日本単独野営協会はソロキャンプの健全な普及を目的として設立されました。
    ソロキャンプに興味があれば、経験の有無に関わらずどなたでも入会できます。
    入会金、年会費、月謝等、一切かかりませんのでお気軽にご入会ください。
    <日本単独野営協会公式サイト>
    https://tandokuyaei.com/
    <会員登録はコチラ>
    https://tandokuyaei.com/?page_id=490

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