復活した漁協直売所
「唐泊(からとまり)漁協ストアー」は、福岡市西区宮浦の唐泊漁港から歩いて2分ほどのところにある、牡蠣や農産物などを扱う直売所だ。
以前は別のオーナーが運営していたが、お店を閉めて2年間休業となっていた。
昨年10月、就労継続支援A型事業所と野菜の直売所を運営するフロンティア・アドバンス(福岡県糸島市飯原)が、漁協からの運営委託を受けて、「ファームパーク伊都国即売会出張所」(就労継続支援A型事業所)として営業を再開した。
再オープン当初は、ストアーの一角の小さなスペースで「唐泊恵比寿牡蠣」のみを販売していた。
ストアーの再開を喜ぶ地元の人たちが足を運んでくれるようになり、地元の人たちからの要望を受けて、次第に野菜、果物、弁当、調味料、菓子類など、商品の拡充が行なわれていった。
毎日お店に並ぶ野菜や果物の種類は決まっていない。
フロンティアアドバンス本社の近隣農家が栽培した旬の野菜や果物、また、業者の方が持ってきてくれる近隣県の野菜や果物が並んでいる。
毎日、どんな商品が入っているかを楽しみに足を運んでくれるお客さんもいる。
近隣にスーパーなどのお店がない宮浦地区では、この唐泊漁協ストアーが、身近なコンビニエンスストアのような役割を果たしている。
昔の八百屋さんみたいな「地域と人とをつなぐ場所」
ストアーに立つ諸熊さんにとって、近所の方と挨拶や言葉を交わすことが日課となっている。
お話を伺った日も諸熊さんは、牡蠣を買いに来た近所の常連さんのお宅まで、牡蠣を運んでいるところだった。
その日お店に並んでいた”小ぶりの大根”について、大きさや味、育て方について、諸熊さんとお客さんが楽しく語り合っていた。
お店を訪れるお客さんは、商品を買うだけではなく、ストアーで働く方との会話も楽しんでいるように感じた。
私も「唐泊VILLAGE」でのキャンプの際にはこちらのストアーに寄らせていただくが、その日、お店に並ぶ食材からオススメのものを聞いて、キャンプ飯に追加することが楽しみの一つになっている。
農家の方や近所の方がお店に置いてくれるという”南天の枝”や”橙(だいだい)の実”もサービスでいただいたことがある。
今日も何かないかなと、近くに行くとついつい立ち寄ってしまう、そんなお店だ。
きれいな海の砂地が育む絶品牡蠣
唐泊で獲れる特産の「唐泊恵比寿牡蠣」について、諸熊さんと吉澤さんにお話を伺った。
泥ではなく砂地で育てられる唐泊恵比寿牡蠣は、藻が付きにくく臭みがない。
濃厚だけどあっさりしていて食べやすい。糸島の牡蠣ともまた味が違うという。
牡蠣の海臭さが苦手という方も、この牡蠣なら食べられるという人がいる。
東京銀座のオイスターバーからも注文が来るという唐泊恵比寿牡蠣、機会があったらぜひ一度味わってみて欲しい。
唐泊恵比寿牡蠣は、唐泊漁協ストアーでの購入、発送が可能だ。
ネットや電話でのお取り寄せ(通販)は、以下の、漁協サイトから申し込みができる。
唐泊恵比寿牡蠣お取り寄せ
https://karatomari.raku-uru.jp
- 販売期間は毎年11月初旬〜3月末ころ(カキの生育状況により前後する)
- 賞味期限は発送から3日間
唐泊漁協ストアー
- 福岡県福岡市西区宮浦273−1
- 月曜定休
- 午前10時から午後4時まで営業
ファームパーク伊都国(フロンティア・アドバンスが運営する直売店の本店)