山形県最上郡真室川町で伝承野菜である里芋を作る佐藤春樹さん。幼いころから祖母・清子さんの作るこの里芋を食べて育ったため、そのすごさに気がつかなかったという。
「26歳から祖父母を手伝って農業をはじめたんですが、ちょうどそのころ、町が伝承野菜を探しているという記事を広報誌で知ったんです」
佐藤家では代々、里芋の種を絶やさずにとっている。そのおいしさは近所でも評判だった。「調査の結果、やはり伝承野菜でした。家宝はここにあった! って、武者震いしましたね」
佐藤春樹さん。1981年山形県真室川町生まれ。『甚五右ヱ門芋』を育てている農家『森の家』の20代目。イベントなどにも積極的に出店し、真室川の特産品をアピールしている。
山形大学で在来作物の研究をする江頭宏昌教授からも、「ねっとりとした特別な食感。粘り成分は普通の里芋の約2倍」とのお墨付きをもらうことができた。