今年の秋は、出かけようとするたびに雨が降る、の繰り返しだったので、晴れわたる空を見ると、どこかに出かけたくてうずうずしてくる。
11月に入ってから初となる休日のこの日も、まさにそうだった。
だいぶ日が短くなってきたから、遠出しなくても楽しめるところがあれば……。
あ! それなら、ただいま期間限定で公開中の「まんだら堂やぐら群」に行ってみよう。
「まんだら堂やぐら群」は、鎌倉時代に鎌倉と三浦半島を結んでいた古道「名越切通(なごえきりどおし)」の途中にあって、鎌倉市と逗子市をまたぐように通っている。この切通へは5カ所の入口があるが、今回は家からいちばん近い「大町口」から入ることに。
急坂の舗装された道を進んでいくと、絶好のトレインビューポイントに出る。ここは息子が電車に興味を持ち出した2歳頃から、たびたび訪れていた場所。線路沿いに立つ我が家からはいつだって電車が見られるのだが、かなり高い位置から車体上部を見下ろせる、このポイントからの眺めは別格だ。
電車を愛でるひとときを堪能してふたたび歩き出すと、急に鬱蒼とした山道に突入する。周囲には立派なシダ植物が生えていて雰囲気バツグン。でも、道自体は比較的歩きやすく、近場でハイキングをたしなむ程度の6歳児でもぐんぐん進めるレベルだ。いや、3歳の頃、すでに自分の足で歩いていたから、ぬかるんでいなければ小さな子でも平気だろう。
「じゃーん!」と岩に登ってポーズを取る。ここで一休みするのかと思いきや、「さ、行くよ」とあっさり休憩を終えて、また歩き出す。
ついに「まんだら堂やぐら群」の入口までやってきた。