保湿剤として使われることが多いワセリン。実は、切り傷の応急処置や、靴ズレ防止などに使えるのを知っていますか?
キャンプでは、思いがけず怪我をしたり、忘れ物をしたりすることがあるので、1つで数役をこなすワセリンをバッグに忍ばせておけばきっと役に立つはずです。
そこでこの記事では、ワセリンの活用術を詳しく紹介します。
そもそもワセリンとはどんなもの?
ワセリンは、石油を精製して作られる皮膚保護剤です。
純度の高さによって、「黄色ワセリン」「白色ワセリン」「プロペト」「サンホワイト」の4種類に分けられます。
黄色ワセリンは最も純度が低いですが、安価で手に入るのがメリットです。ドラッグストアなどでよく目にする、ユニリーバ・ジャパンの「ヴァセリン」も黄色ワセリンに分類されます。
次に純度が高いのが白色ワセリン、その次がプロペトとなり、どちらも医療機関で使用、処方されるほど安全性が高い種類です。赤ちゃんや肌が弱い方は、白色ワセリン以上を使うのがおすすめです。
サンホワイトは、最も純度が高く良質ですが、その分高価です。よっぽど肌が弱い人以外は、使うことが少ないでしょう。
キャンプで大活躍!ワセリンの7つの活用術
アウトドアシーンでのワセリンの活用術を紹介します。
1.肌や唇の保湿
キャンプでは手が汚れることが多く、頻繁に手洗いをしますよね。また、焚き火をすると、お肌が乾燥しがち。
ワセリンを塗ると油膜ができて、肌の内部の水分が外に逃げにくくなります。乾燥が気になるところに塗りこみましょう。
目元や口元などのデリケートな場所には、精製度の高いワセリンを使うのがおすすめ。あまりたっぷり塗るとテカテカになるので、少量をこまめに塗るといいですよ。
ごく少量なら口に入っても害にはならないので、リップクリームの代わりにもなります。
2.切り傷の応急処置
一昔前は、「切り傷ができたら消毒液で消毒して乾かす」というのが一般的でした。しかし今は、消毒液は使わず、傷を清潔にしたあとで乾かさないで治す「湿潤療法」(モイストヒーリング)が主流になってきています。しっかりと保湿をするのが大切だと考えられているのです。
切り傷ができたら、まず砂や汚れを流水で洗い流します。出血があれば、ガーゼなどで押さえて圧迫止血しましょう。
次に、切り傷よりも少し大きめにラップを切り、そこにワセリンを塗ります。ワセリンがついた面が傷口に当たるようにして貼ったらOKです。
あくまでも応急処置なので、必要なら病院を受診してくださいね。
【参考】病院報 Vol.7(これからのキズの治し方 )|京都民医連中央病院
3.軽度のヤケドの応急処置
ヤケドをしたら、いち早く冷やすのが最も大切です。
流水や保冷剤で、最低でも15〜30分程度しっかりと冷やします。少し痛みがひいたらワセリンを塗布して、皮膚を保護しましょう。
ヤケドは空気に触れるとヒリヒリするため、ワセリンで油膜を作ることで痛みを和らげることもできます。
患部に水膨れができたり、白や黒に変色している場合は要注意!重度の可能性があるため、できるだけ早く皮膚科か外科を受診しましょう。
4.花粉症対策
春先は、スギやヒノキの花粉の飛散量がピークを迎えるため、花粉症の方はアウトドアどころではなくなりますよね。
「それでもキャンプをしたい!」という時は、目のキワや鼻の穴の入り口付近に、綿棒を使ってワセリンを薄く塗ってみてください。
ワセリンの油膜が花粉を吸着し、体の中に侵入するのを軽減する効果が期待できます。
デリケートな場所なので、精製度の高いワセリンを使うのがおすすめです。
5.クレンジング
ワセリンは油分が多いため、メイクを浮かせて落とすことができます。
ただ、粘り気があるので、一度で広範囲のメイクを落とすのは難しいです。ポイントごとにゆっくり馴染ませて、コットンや綿棒で拭き取りながら落としましょう。
手の温度で温めて柔らかくしてから肌に乗せると、伸びが良くなって使いやすいですよ。
クレンジングを忘れたときや、荷物を極力減らしたい方は試してみてくださいね。
6.靴ズレ予防
アウトドアでは長距離を歩いたり、舗装されていない場所を歩いたりすることがあり、靴ズレしやすいですよね。
あらかじめ傷ができやすいところにワセリンを薄く塗っておくと、摩擦が軽減し靴ズレしにくくなります。
7.着火剤
ワセリンを染み込ませたコットンは、着火剤として使うことができます。詳しい作り方をみていきましょう。
用意するもの
- ワセリン 大さじ2くらい
- コットンボール 10個
- ビニール袋 1枚
- 熱湯 適量
- ボウル
- ピンセット
作り方
1.ビニール袋にワセリンを入れます。
2.ボウルにお湯を入れて、ビニール袋をつけます。
3.ワセリンが溶けたら、コットンボールを入れて揉み込みます。
4.バットに出して冷ましたら完成です。
ワセリンはキャンプで使い道が多い便利アイテム
ワセリンは保湿だけでなく、ヤケドの応急処置や花粉症対策にも使えます。大人はもちろん、小さい子どもにも使えるので、1つ持っていると家族全員でシェアできて便利です。
傷口やデリケートな肌に使う際は、精製度の高いプロぺトや白色ワセリンがおすすめ。着火剤の材料にするのは、安価に手に入る黄色ワセリンでもいいでしょう。
ワセリンは、ドラックストアやスーパーなどで購入できます。ぜひキャンプに行く前にチェックしてみてくださいね。