2022年3月12日にオープンした「ABUキャンプフィールド」。キャンプ場のある阿武町は山口県の日本海側に位置する人口3,000人の小さな町。全国に比べ、40年早いスピードで人口減が進んでおり、基幹産業である農業や漁業などの第一次産業の後継者の育成、確保が課題となっている。そのため、移住先として「選ばれる町」になることが重要と、キャンプ事業構想をスタート。キャンプを通じて、豊かな「森」「里」「海」に触れ、阿武町の魅力を体感してもらうことを目的にしてキャンプ場が開設された。
スノーピークの監修なので安心。獲れたての魚介類も格安でGET!
スノーピークが監修に入っているので、設備は大充実。お湯の使える炊事場、シャワー、温水洗浄便座付きトイレ、カフェなどが揃っている。テントサイトは海に面した開放的な芝生で、車の乗り入れできるサイトと電源サイトも備える。スノーピーク製品を中心にレンタル用品も充実。キャンプに必要な道具一式を貸し出ししているので、手ぶらキャンプもOKだ。
キャンプ場と橋でつながる奈古港には、日本海のさまざまな魚が水揚げされる。早朝、港に水揚げされた魚は、隣接する「道の駅阿武町」の魚売り場へ直送。鮮度抜群の魚を格安で入手できる。ちなみに、「道の駅阿武町」には、地域の食材売り場のほか、入浴施設、食事どころ、温水プール、トイレ、RVパークが併設されており、キャンプビギナーも心強い。
キャンプ+αの体験が楽しい!
スタッフだけでなく、地域住民による農業・漁業・林業のワークショップなど、阿武町ならではのバラエティに富む体験ができるのもこのキャンプ場の特色だ。地域の山から伐り出された丸太を使ったスウェーデントーチ作りや、農産物の生産現場をめぐるツアーなど、第一次産業が盛んな阿武町ならではの体験プログラムをラインアップ。夏季には隣接する磯を使った海士体験なども展開する。町内にはシーカヤックツアーのアウトフィッターも在住するので、キャンプと組み合わせることも可能だ。
海も山もある! 阿武町そのものが魅力的
観光地として知られる萩市に隣接する阿武町は、平成の大合併時代に、合併しないことを選択した町。それだけ、町に誇りを持つ住民が多い。生活するうえで多少の不便はあるものの、自然を愛する人にとっては、それ以上の魅力がある。
キャンプ場のある海沿いの奈古、宇田郷エリアは、対馬海流の影響で比較的温暖で、漁業が盛ん。また、山間部にある福賀エリアは寒暖差が大きい内陸性盆地気候を生かし農業が盛んなエリアとなっている。変化に富んだ豊かな自然環境も特徴で、町全域が、『萩ジオパーク』に含まれている。
日本海に突き出した不思議な岩肌のモドロ岬、鳴き砂の浜として知られる清ケ浜海水浴場、撮り鉄に人気のJR惣郷川橋梁、木与の棚田など、知られざる見どころもいっぱいだ。
テントサイトの環境がさらに魅力的になる!?今後の展開にも注目!
キャンプサイトから徒歩0分の防波堤は、アジ釣りのポイント。アジは通年狙うことができ、夏〜秋にはアジを餌にしてアオリイカやスズキも狙える。また、山が海に迫る阿武町の木与地区には見事な棚田が残っているが、ABUキャンプフィールドでは今後、この棚田を活用し、限定数組でサテライトサイトを展開する予定。初夏にはカエルの合唱とホタルの群舞を楽しめる。
阿武町の「まちの縁側」を目指すABUキャンプフィールド。ここをベースに、縁側に腰をかけて過ごすように、のんびりと気の向くまま、豊かな自然や、代々受け継がれてきた日々の営みを体感したい。
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- ABUキャンプフィールド
https://abucampfield.jp/
住所:山口県阿武郡阿武町奈古 2249
電話:08388-2-3000
アクセス:萩・石見空港より車で約50分。JR新山口駅より車で約70分。
JR山陰本線・奈古駅より徒歩約10分。
※構成/松村由美子
- ABUキャンプフィールド