【ソロ秘湯】これからのシーズン行くべき「1泊2日の野湯×秘湯宿の穴場コース」教えちゃいます!!
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    温泉

    2022.04.22

    【ソロ秘湯】これからのシーズン行くべき「1泊2日の野湯×秘湯宿の穴場コース」教えちゃいます!!

    こんにちは! ご無沙汰しておりました。ソロ秘湯愛好家のゆみです! 最近ちょくちょくテレビに「野湯ハンター」とか「野湯レディ」として出演する機会が増えて多忙を極めておりました。4月20日オンエアのテレビ朝日『ノブナカなんなん?』ご覧いただいた方、いらっしゃいますでしょうか?オンエアでは、前日積もった雪で目的の野湯にたどり着くまでに時間切れになってしまいましたが、あんなハプニングも野湯ならでは。また機会をいただければリベンジしたいと思います!

    去る4月5日、雪中ロケで那須岳に登って来ました。

    さて、ここで大ニュースです!  昨年から『BE-PAL.NET』で連載していたこの『YOOMI’Sそろそろソロ秘湯』が、ついに4月11日に書籍化されました! う~ん、苦節1年、長かったような短かったような…。

    『令和最新版“湯界遺産”ガイドブック:絶景温泉ひとり旅 そろそろソロ秘湯』(定価1430円・税込/小学館)

    表紙

    表紙は、わたしが秘湯にはまるきっかけになった岩手県の『藤七温泉』。

    本では、ソロ秘湯歴17年のわたしが、実際に行って浸かって感動した野湯や秘湯の宿、66湯を掲載。それぞれのアクセス、装備や注意事項も書いてありますので、初心者からベテランの温泉マニアまでどなたでも楽しめる内容になっています!!

    そもそも『ソロ秘湯』とは、その名の通り「ひとりで秘湯に行くこと」。そこには、誰のことも気にせず温泉を独りじめする快感…その前に、誰も行かないようなところを「探す」楽しみがあります。たとえるなら、ひとりバックパックでディープな土地へ海外旅行するような…。言語、文化、ルールも違う異国で、遺跡の夕日の絶景に浸ったり、見た目も味も不安な屋台料理に挑戦したくなる感覚に近いものかもしれません。ひとりだからこそつきまとう不安と高揚感、そして、大自然の中で想像のはるか上を行く「野湯・秘湯」に出会った時の達成感は、『ソロ秘湯』の一番の醍醐味なんです。

    今回は、発刊を記念して、これからのシーズンにぴったりな「1泊2日でめぐる、野湯とその拠点となる宿のコース」を教えちゃいます。ただし野湯の詳しいアクセス方法は本を読むか、ご自分で情報収集してくださいね。

    ちなみに、<アクセス>★が多いほどアクセスが簡単、<ソロ向き>★が多いほどソロ向きを表します!

    4月から道路開通

    那須塩原の奥に潜む一軒宿と天然の湯滝をめぐる❝気分は山伏❞コース

    【野湯】地元の人にもほとんど知られていない温泉の秘瀑『両部の滝』

    <アクセス>★★  <ソロ向き>★★

    冒頭で紹介したテレビ番組の那須岳の雪中撮影、その目的地がココでした。茶臼岳西側8合目付近にある2つの向かいあう滝『両部の滝』。地元の人にもほとんど知られておらず、ガイドブックにも載っていない秘瀑なんですが、じつは、2つある滝のうち手前のほうの「雌滝」は、山岳信仰のご神体ともなった源泉湧出地(御宝前)を水源とする温泉の滝なんです! 沢水が混ざっているので温度は約30度Cと少しぬるめですが、気温が低い時は、辺り一面に湯気が漂って秘湯ムード満点です。

    誰と遭遇することもない秘湯ですが、湯浴み着は用意しましょうね。

    出発は、『沼ッ原湿原』駐車場にある登山口から。途中、登山道から外れ、多少の藪漕ぎもありますので、スマホのGPSアプリとクマ除けグッズは必携ですが、たどり着いて滝を見上げると、美しさに息を飲み、道中の疲れも吹き飛びます。『沼ッ原湿原』駐車場までの道路は、4月まで冬期閉鎖なので、事前に付近の道路状況の確認もしてくださいね。

    2つの滝のうち温泉の滝は手前の「雌滝」。夏は真水の川と交互浴なんてのも楽しいかも。

    『両部の滝』

    ● 住所:栃木県那須郡那須町

     <注意事項>

    ● 登山道から外れるので、登山用GPSアプリなどを使って自分の位置を確認してください。

    ● 途中、軽い藪漕ぎと渡渉があります。登山靴、長袖、長ズボン、手袋が必要となります。

    ● クマ除けグッズを必ず携行しましょう。

     

    【宿】山の景色と星空に圧倒される山小屋『三斗小屋温泉 煙草屋旅館』

    <アクセス>★★★  <ソロ向き>★★★★★

    そして『両部の滝』を味わった後、泊まってほしいのがこちら『三斗小屋温泉 煙草屋旅館』。『三斗小屋温泉』は、康治元年(1142年)に発見された那須七湯の一つで、江戸時代には、前出の山岳信仰の行者が訪れ、大変賑わったそうです。

    名前は『煙草屋旅館』ですが、たばこは売ってませんので、あしからず。

    歴史的にも大変価値のある温泉ですが、なんと言っても、煙草屋旅館の魅力はこの絶景の露天風呂。これからの季節は、昼間は青空と新緑眩しい山の稜線のコントラスト、夜は満点の星空を眺めながら湯浴みができ、もう、心地良さに時間を忘れてしまいます。携帯電話の電波も届かない秘境なので、デジタルデトックスも兼ねて、心と体を休めに訪れてみてはいかがでしょうか。

    体にやさしい「単純温泉」に浸かりながら、ゆったりと山の眺望を独り占めしちゃいましょう。

    『三斗小屋温泉 煙草屋旅館』

    ● 住所:栃木県那須郡塩原市910

    ● TEL:(営業期間内)090-8589-2048 ※7時~20時/(営業期間外)0287-73-4567 ※12時~20時

    ● 営業:4月中旬~11月下旬

    ● 料金:1泊2食つき大人1名10,150円~、日帰り入浴は大人1,000円*すべて税込

    通年OK

    九州屈指の温泉地、霧島で味わう生まれたての湯めぐり❞コース

    【野湯】広さは野球場並み!? 巨大な地獄『湯の池地獄』&『通し川の湯』

    <アクセス>★★★ <ソロ向き>★★★

    『湯の池地獄』。湯煙がモウモウ、高温の源泉がプクプクと湧いています。

    お次は、鹿児島県・霧島の山奥にある巨大な地獄『湯の池地獄』と、その下流にある『通し川の湯』のご紹介です。西日本最大級だと思われる、その広大な地獄一帯は、地中から高温の源泉が火山ガスや泥と一緒に湧き出していて、この世のものとは思えない圧巻の光景です。地盤が柔らかいため、誤って足を踏み入れると火傷してしまうこともあるので、地獄には近づかないようにしましょう。地獄から川の下流へ歩いて約5分。そこにはスカイブルーに輝く川の野湯!思わず、「キレイ!!」と叫んでしまうほど神秘的です。川底から高温の源泉が湧いているのですが、川の水と混ざってぬるめの適温になっていて、浸かれば極楽。訪れる際は登山靴や入浴時のマリンシューズを装備するなど、くえぐれも火傷対策は万全に。

    『通し川の湯』。高温の地獄から流れる湯と川の水が混ざって、川の色がスカイブルーになっています。

    『湯の池地獄』&『通し川の湯』

    ● 住所:鹿児島県霧島市牧園町

     <注意事項>

    ● 高温の地獄地帯が多数あるため、登山靴やマリンシューズなど必須。

    【宿】古き良き湯治気分を味わう濃厚硫黄泉の宿『新湯温泉 国民宿舎 新燃荘』

    <アクセス>★★★★★ <ソロ向き>★★★★★

    霧島のワイルドな野湯を楽しんだ後は、車で約20分先にある山奥の秘湯宿『新湯温泉 国民宿舎 新燃荘』を目指しましょう。ここは、標高920mの山間にある一軒宿。宿に近づくと、ひなびた木造の浴舎、漂う硫黄の香り…いかにも湯治場らしい雰囲気で、わたしのような秘湯マニアは、お風呂に入る前から盛り上がりまくりです。

    宿に近づくと硫黄臭がたちこめて、秘湯情緒もマックスに。

    自慢の「硫黄泉」は、規定値の10倍という濃厚さ。風呂場には「30分以上の入浴はしないで、再入浴は1時間あけて」などの注意喚起の貼り紙もあるぐらいなんです。湯の色は濃厚なミルキーブルーで、混浴露天風呂なんですが、女性でも他人の視線を気にせず入浴できるのがうれしいですね♪ もちろん湯浴み着は必須ですけど…。

    基本、個人のお客さんしか受け入れしないため、とにかく静かな宿です。

    『新湯温泉 国民宿舎新燃荘』

    ● 住所:鹿児島県霧島市牧園町高千穂3968

    ● TEL:0995-78-2255

    ● 料金:1泊2食つき大人2名14,450円~、大人1名16,100円~ 日帰り入浴は大人600円*すべて税込 

    6月上旬からツアー開始

    開湯1823年、歴史とロマンを感じさる宿と❝天然洞窟❞をめぐる通なコース!

    【野湯】あの、洞窟温泉『梶山元湯』がツアーになった!

    <アクセス>★★★★ <ソロ向き>★★★★★

    最後は、アクセス困難で秘湯ファンも行き辛かった天然の洞窟温泉。その憧れの野湯が地元の方によって整備されて、2020年6月から『秘湯洞窟温泉体験ツアー』ができたんです。事前に参加申し込みさえすれば、ソロでも案内してもらえるというのがうれしいですね。

    泉質もバツグン。炭酸ガスの清涼感とぬるめの湯がまた気持ちいい。

    所要時間は徒歩で片道約30分。途中、急なスロープもあるものの、ザイルが張られているので、安心して進むことができます。温泉までの道は草も刈られているので、藪をかき分けたりする必要もありません。ただし、いくら快適と言っても、『梶山元湯』はれっきとした野湯! 浴槽のような人工的なものはありません。到着したら、洞窟の入口に土嚢を積み上げる作業など、お湯をためる準備に30分はかかりますので、気長にお待ちくださいね♪

    実際にツアーに参加してみました! 足場の悪いところには、ザイルがありますからご安心を。

    『梶山元湯』

    ● 住所:新潟県糸魚川市梶山

    ● 営業:2022年度の体験期間は6月上旬~11月上旬までの予定。体験ツアーの料金・予約は下記のサイトでメール予約を。

    https://nechimirai.com/kajiyama/hotspringexperience.html

     <注意事項>

    ● 梶山元湯は私有地です。洞窟温泉体験ツアーでのみご利用できます。

    【宿】自家発電の秘境。ランプ灯す宿『雨飾温泉 雨飾山荘』

    <アクセス>★★★★★ <ソロ向き>★★★★★

    『梶山元湯』で思いっきり楽しんだ後は、車で30分ほど走った先に建つこちらへチェックイン。雨飾山の北面、標高880mの地点にあり、『雨飾温泉(別名:梶山新湯)』の一軒宿です。開湯は1823年。同じ地区にある『梶山元湯』とともに長い歴史を持つ温泉なんです。

    宿の玄関から、周辺の山々を眺めると、稜線が目の高さと同じぐらい!空気が美味しいのも納得です。

    こちらの山荘の魅力は、温泉が素晴らしいということに加え、山奥にありながら、最寄りの駐車場まで車で行ける「お手軽秘湯」ということ。電気は自家発電なので、21時以降はランプを灯しながら過ごす「わびさび秘湯体験」ができちゃいます。この体験は宿泊してこそ! 雨飾山登山や洞窟体験ツアーのついでに、ぜひ泊まりをおススメします!

    露天風呂『都忘れの湯』。新緑の時期は、周りの木々が青々としています。

    『雨飾温泉 雨飾山荘』

    ● 住所:新潟県糸魚川市大字梶山字広道倉1870

    ● TEL:090-9016-3212

    ● 営業:5月上旬~11月上旬*営業期間は要電話確認

    ● 料金:1泊2食つき大人1名9500円~ 日帰り入浴は大人500円*すべて税込

    ★★★

    いかがでしたでしょうか? 野湯の本格シーズンはまさにこれから。ゴールデンウィークに誰も来ないような温泉でのんびり過ごしたいあなた、本ではこの他にも全国各所の知られざる秘湯を掲載しています。また野湯に行く際の諸注意や温泉マニアの「あるある話」など、面白くて役に立つコミックもあります。ぜひ参考にして「湯界遺産」の旅にお出かけください。わたしも、みなさんとどこかの湯で会えることを楽しみにしています♪

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