焚き火で使う陣幕とは?
そもそも陣幕とはどのようなアイテムなのでしょうか。陣幕のもともとの意味や、現代における用途を解説します。
陣地を囲うアイテム
陣幕とは、もともと戦で本陣を囲うために張る幕を指します。大河ドラマなどで目にしたことがある人もいるのではないでしょうか。現在では、主にキャンプで焚き火をするときの用品となっています。
陣幕は風よけとして使ったり、仕切りや目隠しとして使ったりできるので、あると便利なアイテムです。また、構造もシンプルなので、設営と撤収が簡単で誰でも使いこなせることが特徴です。
焚き火で活躍する陣幕の使い方
陣幕は現在、焚き火のときに活躍するアイテムです。キャンプ用品としての陣幕の使い方を3つ解説します。
陣幕の使い方
風よけとして使う
風が強い日は肌寒いだけでなく、焚き火の火が消えてしまいやすかったり、火がつきにくかったりします。そんなときに、陣幕があれば風よけの役割を果たしてくれるので便利です。また、リフレクト効果により熱が陣幕に反射して、周囲が暖まりやすくなるというメリットもあります。
さらに、火の粉が風に乗って他のものについてしまったり、他の人のサイトに飛んで迷惑をかけてしまったりすることも防げます。そのため、タープに穴があくことや、子どものやけどを防ぐ効果も見込めるでしょう。
特に気温が低い冬場に重宝するアイテムです。
目隠しとして使う
キャンプサイトは区画で区切られているものの、特に人通りが多いキャンプサイトでは、自身のサイトが他の人から見られるのは気分が良くない人もいるでしょう。そんなとき、陣幕は目隠しとなってくれます。
陣幕と同様に風よけができるアイテムにタープがありますが、タープの下のスペースは丸見えなので、目隠しができません。
陣幕があれば、人が混み合うキャンプサイトでもプライベートなスペースを確保できます。
大人数でのキャンプでは仕切りにも使える
グループでキャンプをするときも、最低限のプライベート空間を確保したいと思う人もいるでしょう。陣幕は他グループとの仕切りとしても使えます。サイズや張り方によっては、完全にスペースを遮断してしまうこともないため、グループでのキャンプにもおすすめです。
また、調理スペースとリビングスペースを区別したいときも、陣幕があると便利です。料理スペースの仕切りに使う場合は、タープと組み合わせることで雨風を防げるため、悪天候下でも快適に料理ができるでしょう。フックがあるものなら、調理器具などもつるせます。
焚き火用の陣幕を選ぶポイント
焚き火用の陣幕を選ぶ際のポイントを3つ解説します。陣幕の効果を十分に発揮するには、用途に合ったものを選ぶことが大切です。
陣幕の選び方
用途に適したサイズかどうか
陣幕のサイズは、ミニタイプとワイドタイプの大きく2種類です。焚き火を囲むタイプと、空間を囲うタイプとも言い換えられます。
使う人数や目的に合わせて、適したサイズを選びましょう。たとえば、目隠しとして使うなら高さがあるものがおすすめです。ただし、小さいサイズでも、椅子に座ったときなら目隠しは可能です。
また、陣幕の形には長方形や台形のもの、分割して自由に置けるものがあります。レイアウトを工夫したい場合は、分割数が多いものほどアレンジが可能です。しかし、分割数が多いものは設営が複雑になる傾向があるので、注意しましょう。
使われている素材
陣幕は焚き火の近くに設置するものなので、火の粉を浴びやすくなります。そのため、陣幕は基本的に耐熱性・難燃性の素材でできていますが、念のため購入前に確認しておきましょう。それ以外の観点から素材を選ぶ場合は、コットンかポリエステルかに注目することがポイントです。
コットン100%は難燃性に優れているので、耐久性を重視する人におすすめです。一方で、ポリエステルは防風性に優れており、かつ軽量なので、とにかく風を防ぎたい人や携帯性を重視する人に向いています。
素材によって陣幕の見た目も異なるため、自分が演出したい雰囲気に合っているものを選ぶと良いでしょう。
収納のしやすさもチェック
陣幕はキャンプの必需品ではないため、プラスアルファのアイテムとしてそろえる人が多いでしょう。そのため、保管時や運搬時に他のキャンプ用品の邪魔にならないことがポイントです。
家で保管しにくかったり、運搬時にかさばりやすかったりすると、かえって不便に感じてしまうでしょう。また、持ち運びのしやすさに関わるため、重量もチェックしておくことをおすすめします。
ソロでの焚き火におすすめの陣幕
ここからは、おすすめの陣幕を紹介します。まず紹介するのは、ソロキャンプにおすすめの、比較的コンパクトなサイズの陣幕です。
クイックキャンプ「焚火陣幕 焔 -homura-」
難燃性の高いコットン100%でできた陣幕です。コットンの中でもキャンバス生地を使っているため、風合いもよく周囲の自然とよく調和するでしょう。フレームは強度が強いので、ハンガーとしても使用可能です。
形状は煙がこもりにくい台形型で、台形型は焚き火の熱を前方に集めるという特徴もあります。高さは約70cmなので、座ったときには目隠しとしても機能するでしょう。
また、収納時の長さは約90cm、重さは約6.2kgです。収納袋も付いているので、持ち運びにも困りません。カラーはサンドとカーキ、ブラックの3種類が展開されています。
QUICKCAMP(クイックキャンプ) 焚火陣幕 焔 -homura-
フィールドア「焚火スクリーン TC 220」
サイズは約220cm×74cmで、一人で使う分には十分な大きさです。素材にはポリエステル65%、コットン35%の割合で混紡したTC素材が使用されています。TC素材は難燃性や遮光性に優れており、色合いも自然と調和するでしょう。また、はっ水加工と防カビ加工がされているため、急な雨でも安心です。
重量は約1.5kgと軽量で、収納時のサイズも約長さ42cm×直径9cmなので、持ち運びの際にも邪魔になりにくいでしょう。付属のポールは地面にしっかりと突き刺せる形状のため、安定した設置が可能なこともポイントです。
FIELDOOR(フィールドア) 焚火スクリーン TC 220
ロゴス「TAKIBI de JINMAKU-BA」
耐熱温度500度のファイバーグラス生地でできた陣幕です。ファイバーグラスとはガラスを繊維状に加工した素材のことで、耐熱性や強度が高いことから、日常のさまざまな製品に使われている素材です。また、両面にシリコンコーティングを施すことで、傷に強くし、ほどよい光沢を放っています。
幕帯の高さは約90cmと、ソロで使うには十分でしょう。収納時の長さは約56cm、重量は約2kgなので、持ち運びにも便利です。耐熱性などの機能面を重視する人におすすめです。
LOGOS(ロゴス) TAKIBI de JINMAKU-BA
複数人での焚き火におすすめの陣幕
複数人で焚き火をするときにおすすめの、大きいサイズの陣幕を3つ紹介します。分割できるものならレイアウトを工夫しやすいので、自分だけのキャンプサイトを作りたい人におすすめです。
DOD「タキビノムコウ」
三角形のティピー型デザインが特徴的な陣幕です。開く角度を調節することで、1〜3名程度までの使用が可能です。ペグを打ち込む前から自立するので、陣幕を立ててから角度を調整できます。
素材はコットン100%なので、耐熱性能も抜群です。頂点のポールはつながっており、各ポールもショックコードでつながっているので、設営も簡単です。開く角度によって、サイズは約横110〜145cm×幕の高さ70cmで、頂点までの高さは141〜143cmになります。
複数人で使えるサイズながら、重量は約1.8kgと軽量なこともうれしいポイントです。キャリーバッグが大きく開いて、中身を取り出しやすい点も魅力的です。
DOD タキビノムコウ
クイックキャンプ「焚火陣幕-大焔-」
横幅が約310cm、2〜3人用の陣幕です。高さは約90cmなので、座っている状態では目隠しとしても十分使えます。姉妹製品の『焔』と比べ幕が5面となっているので、人数やレイアウトによって角度を調節できることもポイントです。また、素材はコットン100%で耐熱性も良好です。
ただし、重量は約9.2kgなので、持ち運びは大変かもしれません。アイアンフレームは強度が高く、ハンガーとしても使用可能なので、料理スペースの仕切りとして使うのも良いでしょう。カラーはサンドとカーキから選べます。
QUICKCAMP(クイックキャンプ) 焚火陣幕-大焔-
ミニマルワークス「ULTARI / 横幕 陣幕」
横幅430cm、高さ115cmでファミリーやグループでのキャンプで活躍する陣幕です。角度を変えることで、まっすぐに広げたり、サイトを囲ったりできます。大きめのサイズにもかかわらず、重量1.5kgの軽量さと、収納時のコンパクトさが売りです。他のキャンプ用品と合わせても邪魔になりにくく、持ち運びも楽でしょう。
素材はポリエステルでできており、風よけとしてよく機能します。設営も簡単で、初心者にもおすすめです。カラーはアイボリーとオリーブ、ブラック、タンの4色が展開されています。アイボリーなら、プロジェクターのスクリーンとしても使えるでしょう。
MINIMAL WORKS(ミニマルワークス) ULTARI
陣幕の設営方法
クイックキャンプの『焚火陣幕 焔 -homura-』を例に、陣幕の設営方法を解説します。現地で慌てないよう、あらかじめ陣幕の立て方を把握しておきましょう。
知っておきたい陣幕の設営方法
支柱を打ち込む
陣幕を袋から取り出したら、まずは支柱のゴムキャップを外し、地面に打ち込みましょう。ゴムキャップは収納時に袋を傷つけないために大切な部品なので、なくさないようにしましょう。
支柱を打ち込むときは、打ち込む部分を幕のポケットから抜いておくことがポイントです。ポケットに通したままでは、幕に穴があくので注意しましょう。
位置を調整しやすくするには、真ん中の支柱から打ち込むことがコツです。15cm程度、打ち込むと、高さがちょうどよくなります。支柱の打ち込みが終わったら頭にポケットをかぶせましょう。なお、地面からは1〜2cmの隙間を開けるのがおすすめです。
フレームで強く張りペグで固定する
支柱を立てただけでは幕に張りがないので、支柱フレームを幕のスリーブに通してテンションをかけます。フレームはハンガーとしても使えますが、向きを間違えるとアイテムを引っ掛けづらくなってしまいます。
うまくいかない場合はフレームの位置を調整しましょう。なお、張りが足りない場合は、幕の両端にあるベルトで微調整ができます。
最後はペグを打ち込み、しっかりと固定すれば、設営は完了です。付属のペグでも十分固定できますが、より固定力にこだわる場合は、自前でペグを用意しても良いでしょう。
また、ランタンを使う場合は、付属品にランタンフレームを両サイドの支柱フレームのどちらかに差し込みます。撤去する場合は、逆の手順を行うだけなので、初心者でも使いやすいはずです。
まとめ
陣幕は焚き火を安全に、かつ快適に楽しむために便利なアイテムです。陣幕の役割は主に風よけと目隠し、仕切りの3つです。陣幕があることで、風が強い日でも焚き火をしやすく、火の粉が舞うことによるトラブルを防ぐことに役立ちます。
また高さのあるものであれば目隠しができるので、プライベートな空間を確保したいときにもおすすめです。グループでキャンプに来ているときや、リビングと料理スペースを区切りたいときには、仕切りとしても使えます。
陣幕を選ぶときは、用途に合ったサイズのものを選ぶことが重要です。素材によって強みや見た目が変わるので、重視する機能やキャンプサイトの雰囲気に合わせて選びましょう。
また他の必需品の邪魔にならないよう、持ち運びのしやすさや重量もチェックしておくことをおすすめします。この記事を参考に、ワンランク上のキャンパーを目指しましょう。