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    2022.05.22

    トヨタディーラーと地元ビルダーがコラボしたキャンピングカー「KT CRUISER」

    キャンパー鹿児島×鹿児島トヨタ 「KT CRUISER」。

    自動車販売ディーラーでキャンピングカーが購入できる!?

    コロナ感染症の流行により、安全な旅の手段としてひときわ注目を集めているキャンピングカー。その人気は衰えることなく、キャンピングカーを製造する多くのビルダーでは、1年納車待ち(長いと3年近く先まで納車待ち)という車両も数多くあります。

    人との接触を減らす新しい生活様式のひとつとして、「ドライブ・ツーリズム」という公共交通機関をなるべく使わないで旅やキャンプを楽しむというスタイルが浸透してきており、車中泊やキャンピングカーの普及はこの数年で勢いを増すばかりです。

    車中泊やキャンピングカーの新しい楽しみ方が普及していく一方で、マナーなどの問題が増えていくのは、車中泊が文化として日本でも認知されはじめたからだとも感じています。

    こうした車中泊文化の盛り上がりのなかで、最近注目の新しい潮流のひとつに「自動車ディーラーで買うことができるキャンピングカー」があります。

    新車販売をしているディーラーでキャンピングカーを買うことができれば、車検やメンテナンス、修理のついでに架装の相談もできるし、気軽に足も運びやすいと思います。

    憧れのキャンピングカーが欲しい!けれどもビルダーの店舗に足を運ぶのには敷居が高くて躊躇してしまう…。そんな人にはまさに朗報なのではないでしょうか。

    ディーラーも独自性を打ち出す時代

    自動車ディーラーがキャンピングカーや車中泊カーを販売するひとつの理由として、店舗の独自性を打ち出すためだと考えられます。

    トヨタ自動車は2020年5月8日より全系列店で全トヨタ車の併売を開始しました。以前はトヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店などの系列販社ごとに取り扱い車種が異なっていましたが、今ではどこのトヨタディーラーでも全トヨタ車が販売されています。こうした変化は、店舗ごとの個性が薄まっていくことを意味します。

    そこでディーラーは各店舗の独自性を打ち出す必要に迫られ、車中泊カーやキャンピングカーといった新たなカテゴリーの販売をスタートさせたのだと考えられます。

    では、ディーラーがキャンピングカーや車中泊カーを製造しているのかというと、そこはケースバイケース。自社でベッドキットなどを製造するところもあれば、ビルダーとの共同開発を行なうところもあります。

    キャンパー鹿児島と鹿児島トヨタがタッグを組んで誕生!

    ボディサイズは4695×1695×1980mm/乗車定員6人・就寝定員2人。

    今回紹介する「KT CRUISER(KTクルーザー)」はキャンピングカービルダーである「キャンパー鹿児島」と鹿児島県内に20店舗を構える「鹿児島トヨタ」が共同で開発したモデルになります。では、さっそく詳細に迫っていきたいと思います。

    ベースとなる車両はハイエースバンDX4ドアという、標準幅に標準ルーフで、シリーズの中でもっとも扱いやすいサイズ。両社はコロナ禍もあってリモート会議を何度も行ないながら、開発コンセプトを「クルマでツーリズム」「空間を多目的に」「快適にトランスフォーメーション」という3つの柱に決定したそうです。

    車内の架装についてはキャンパー鹿児島が担当。同社は多くのハイエースベースキャンパーをラインナップしているほか、オートバックスとのコラボモデルや、独自のリチウムイオン電池システムなど、業界では定評のあるビルダーです。そのこだわりや家具類などの作り込みのよさが、KT CRUISERにもしっかりと注入されています。

    充実した装備と使い易さが光る室内レイアウト

    セカンドシートとベッドマットでリビングを展開。スライドドア右側には傘立ても装備。

    室内は限られたスペースを有効活用すべく、セカンドシートにはベッドやリビングの展開がしやすい3人掛けのREVOシートを採用。荷室部分は左側にキャビネット、右側にロングソファーを配したレイアウトでセカンドシートを反転させればL字型のリビングソファになり、オフィスモードとしても活用できる想定です。

    L字のリビングにも展開が可能。こちらはオフィスモード。テーブルやカウンターでタブレットやノートPCの作業ができる。

    また、反転したセカンドシートとベッドマットで対面でのリビング展開もでき、標準ボディとは思えない快適な空間を生み出すことに成功。またフロアや天井部分、家具類をウッド調でまとめて居心地の良さも抜群でした。

    ベッドはフラットにしたセカンドシートと4つのマットを組み合わせるだけ。サイズは約2700×1300(最大)mm。天井のパネルには4つのLEDダウンライトも装備。

    車載用クーラーで車内は快適。19インチテレビやチューナーはオプションで用意。

    装備面をチェックすると、左キャビネットは外部シャワーとしても使えるシャワーヘッド付きシンクも標準で装備。さらに驚きなのはDC12V車載クーラーもオプションではなく標準装備で、暑い日も快適に過ごすことができるようになっています。また、こうした快適装備を動かすための電装システムには115Ahサブバッテリー2個に加え、500Wインバータ、走行充電器を標準装備しています。

    セカンドシートは移動時では前向きでの乗車が可能。

    オプションの18L冷蔵庫は家具内に収められるよう設計。外部でも使えるシャワーヘッドは外遊びや調理・洗顔時などに便利。

    先述の3つの柱を具現化し、多くのニーズに応えた快適な1台。鹿児島県内の人はもちろん、近県の方も実車を見にディーラーに足を運んでみてはいかがでしょうか? 今後はこうしたディーラーで購入できるキャンピングカーや車中泊カーがますます増えていくことでしょう。

    価格:516万6110円〜

    問:鹿児島トヨタ自動車 https://www.k-toyota.co.jp/

     

    私が書きました!
    編集者・ライター
    伴 隆之
    大学卒業後、自動車専門誌の編集者として勤務し、その後独立。1999年から2年ほどカリフォルニアに住んでいたこともあり、アウトドアと旅が趣味。ニュージーランドでのキャンピングカー旅が特に好きで南北計4回ほど走破。現在は旅やキャンピングカーを中心にアウトドアやオートバイなどの誌面や動画を製作。愛車は1967年式イノチェンティ・ランブレッタと取材用のトヨタ・プリウス。また、日産エルグランドをベースに自身で車中泊カーを製作中。完成後はエルグランドで国内をキャンプ旅するのが目下の目標。

     

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