普通のキャンプに慣れてきて、オートキャンプに挑戦したいと思っている人もいるのではないでしょうか。オートキャンプと普通のキャンプでは、勝手が少々異なります。オートキャンプ初心者が押さえておくべきマナーや、用意すべき道具を紹介します。
オートキャンプとは?
そもそも、オートキャンプとはどのようなキャンプを指す言葉なのでしょうか。まずはオートキャンプの意味を理解しましょう。
クルマを使ってキャンプをすること
もともとは、キャンピングカーや自動車に道具を乗せ、各地を回りながらキャンプをする方法をオートキャンプと呼んでいました。現在では、クルマを使ったキャンプ全般をオートキャンプと呼んでいます。
普通のキャンプ場では、駐車場とキャンプサイトが分かれており、サイトへの車の乗り入れは禁止されています。しかし、オートキャンプ場はサイトのすぐ近く、またはサイト内にクルマの乗り入れができます。クルマのすぐ横でテントの設営ができて非常に便利です。また、重たい荷物を運ぶ必要もありません。
テント泊だけでなく、車中泊という選択肢もできるので、キャンプ初心者にもおすすめのキャンプといえるでしょう。
オートキャンプ場の選び方
快適なオートキャンプを行なうには、場所選びが重要といえます。オートキャンプ場の選び方のポイントを2つ解説します。クルマを乗り入れるスタイルならではの観点もあるので、しっかりと目を通しておきましょう。
設備や周辺施設は充実しているか
トイレや水場などの水回り・電源設備・レンタル品の充実度などは要チェックです。キャンプ用品を多くは持っていない初心者にとっては、レンタル品の有無はキャンプを楽しめるかどうかにも関わってきます。
『野営サイト』と呼ばれる場所は、レンタル品や設備がほとんどないことが多いので注意が必要です。自然を感じたい人は、慣れてきたら野営サイトをえらんでも良いかもしれません。
また、近くにスーパーがあるサイトなら、気軽に買い出しに行けるので便利です。近くに温泉やレジャー施設があると、帰り道に寄ることもできて楽しみが増えるでしょう。
家から行きやすい場所にあるか
いくら設備や周辺施設が充実していても、キャンプ場が遠い場所にあったら、行き帰りだけで大変な思いをするでしょう。長時間の移動は体力的に負担が大きいだけでなく、キャンプの時間を短くしてしまう原因にもなります。
目安としては、長くても片道2時間以内で行けるキャンプ場を選ぶのがおすすめです。
準備や片付けがスムーズにできるようになり、時間に余裕が出てきたら、もう少し遠くのキャンプ場に挑戦してみても良いでしょう。
オートキャンプに持っていきたい道具
オートキャンプに持っておきたい道具を4つ紹介します。これらはいずれもキャンプの必需品といえるアイテムなので、この機会にそろえておくのがおすすめです。
寝室とリビングの役割を担うテント・タープ
テントは夜の寝床となり、日中は荷物置きにもなるアイテムです。キャンプ初心者なら、設営が簡単なドーム型や1本のポールで支えるティピー型もおすすめです。
タープは、日よけや雨よけとして使われるアイテムで、テントと併設することが多くなっています。テントが寝室なら、タープはリビングの役割を担います。日中の休憩スペースや、テーブルとチェアを置いて食事スペースとして使うのが主な用途です。
テントのモデルによってはタープの役割を兼ねているものもあるので、そちらを購入するのもおすすめです。
睡眠中の体温調節には欠かせないシュラフ
シュラフとは寝袋のことで、テントと併せて就寝時に必要なアイテムです。シュラフには、マミー型と封筒型の2種類があります。
マミー型は体を包み込むような形状をしており、その名の通りミイラのような形をしています。一方で、封筒型は封筒のように長方形の形をしており、マミー型と比べ開放感があることが特徴です。封筒型の寝心地は、布団に近いでしょう。
車中泊をするときも基本的にはシュラフを使うので、そろえておく必要があります。地面の凹凸や冷気を回避する場合は、マットがあると便利です。
食事の際にあると便利なテーブル・チェア
テーブルとチェアにはハイタイプとロータイプがあり、キャンプスタイルによって選ぶべきものが変わります。友達グループとキャンプをするなら、食事や作業もしやすいハイタイプがおすすめです。
荷物を軽量化したいソロキャンプや、子供がいる場合は、収納がしやすいロータイプが向いています。特にハイタイプのテーブルはサイズが大きい傾向にあるので、クルマに積載できるかどうかも確認が必要です。
クルマに入るサイズなら、座り心地でえらんでも良いでしょう。
キャンプで便利な焚き火台
キャンプといえば、焚き火を思い浮かべる人も多いでしょう。現在では、多くのキャンプ場で直火が禁止されているため、焚き火をするなら焚き火台を用意すべきといえます。焚き火台は調理できるものが多いため、一台あれば料理にも使えて便利でしょう。
なお、焚き火をする際は、火の粉がテントやクルマなどに飛び移らないよう注意が必要です。他の人のサイトに火の粉が舞ってしまうことも考えられるため、風が強い日は避けた方が無難です。また、使い終わった炭や灰の処分は、キャンプ場のルールに従いましょう。
オートキャンプの注意点
オートキャンプならではの注意点を3つ紹介します。オートキャンプでは、主にクルマの扱い方に注意する必要があります。
自分の区画からはみ出さない
各キャンパーには、それぞれサイトを設営できる区画が決められています。そこをはみ出してクルマを停めたり、テントを張ったりすることはNGです。クルマの大きさによっては、テントが張れない可能性も考えられるため、テント選びにも注意が必要でしょう。
複数人でキャンプする場合、2台目以降の車は別途駐車料金が必要だったり、駐車禁止だったりする場合もあります。キャンプ前にはルールを確認し、必要に応じて複数のサイトを予約するなどの工夫をしましょう。
夜間はできるだけクルマを動かさない
オートキャンプでは、クルマの乗り入れができたり、気軽にクルマで買い出しに行けたりと便利ですが、いつでもどこでも自由に動き回って良いわけではありません。キャンプサイトを走行する場合は、いつでも止まれるように徐行するのがマナーです。夜間のハイビームを禁止しているキャンプ場もあるので、ルールを確認する必要もあるでしょう。
また、騒音にも注意が必要です。大声で話すことは避け、車のスピーカーの使用も控えましょう。夜間は音が響きやすいので、エンジン音が寝ている人の迷惑になる可能性があります。
総じて、夜間はできるだけクルマを動かさない方が良いといえます。
車中泊をするときはエンジンを切る
特に冬場のオートキャンプでは、寒さ対策のためにクルマの暖房をつけて寝たいと思う人もいるかもしれません。しかし、エンジンをかけっぱなしにすると、一酸化炭素中毒になるリスクがあるので、避けるべきでしょう。
雪が降っているときに、マフラーに雪が入り込むと、うまく排気ができなくなります。そうすると排気ガスが車内に逆流し、一酸化炭素中毒を招いてしまいます。
車中泊における有効な寒さ対策は、防寒性の高いシュラフを使うことや、FFヒーターを使うことが挙げられます。FFヒーターはエンジンの力を必要とせず、かつ一酸化炭素も出さないヒーターなので安全に使えます。暖房能力も高く、キャンパーの間で人気のアイテムです。
まとめ
オートキャンプはクルマの横で野営ができることで、荷物を取り出しやすかったり、移動しやすかったりと便利なキャンプ方法です。車中泊をすれば必ずしもテントを持っていく必要もなくなるので、荷物を少なくしたい人や用具をあまり持っていない初心者にもおすすめです。
しかし、クルマを使うスタイルならではの注意点もあります。この記事を参考に、ぜひ初めてのオートキャンプを成功させましょう。