町中華ならぬ"アウトドア中華"が、今アツい!ということで、みんな大好き中華料理の定番、チャーハンをお店の味に近づける方法を伝授してもらった。
焚き火で黄金のパラパラチャーハンを作るには?
卵がしっかりとごはんにからまって、見た目は黄金! それでいてパラパラ! そんな美味しいチャーハンを、焚き火でチャレンジ。自然のなかで中華鍋を振れば、気分もアガる。やみつき焚き火チャーハン、お代わり!
中華料理の定番、チャーハン。シンプルに見えて、奥が深いメニューでもある。編集部イチの大食漢、ブッシュ早坂が教えを乞うたのが、アウトドア界の料理マスター、小雀陣二さんだ。
小雀(以下・雀) 初めてチャーハンを作ったのは、小学生のときかな。中華鍋を振っているプロの姿がかっこよく見えて。
早坂(以下・早) おおー、心強い! 僕はもっぱら食べ専で、家で作るとコレジャナイ感が。
雀:でも、見た目は中華の達人みたいだよ(笑)。
早:気合いだけはアイアンシェフです。それで、美味しいチャーハンのコツって何ですの? キャンプでもできるものですか?
雀:話が食い気味だね(苦笑)。中華の基本は火力。その点、焚き火はちょうど良いかもね。
早:ネットで調べてきたんです。ごはんは冷えたものを使うとか、あらかじめ卵とからめるとか。
雀:…まずは作ってみてよ。話はそれから。
まずは早坂が挑戦!
具におつまみサラミ、ニンニクの芽をチョイス。さらに追いニンニクを加え、「チャーハンは自由だー!」…そう思っていた。
1 先にごはんと卵をからめる
あらかじめ、ごはんと卵をからめてみた。両方がしっかりとからまって、見た目にはすでに黄金色。これは失敗しないはず、はずだった。
2 材料はドバっと投入!
最終的に全部炒めるので、食材を一気に投入。そのほうが味が全体について、時短にもつながるし…と、ここで安易な考えが裏目に出る。
3 でき上がり~でも…
まず、完成を急ぎすぎ。ベチャベチャなまま、味付けも濃く、全体的に油っぽい(早坂が全部いただきました)。
ネット知識満載のテクニックを披露する早坂だったが、でき上がりは微妙な結果に。
雀:うん、イマイチかな。水分がちゃんと飛んでない。これだと卵かけごはんの生焼け風だよ。
早:言葉もありません(涙)。
雀:まず、鍋全体に油をなじませる。しっかりと熱して、卵、ごはんの順に入れるのが基本。ごはんに油がなじむようにお玉の瀬で平にし、火力を活かして丁寧に炒める。具材はごはんに近い大きさに切ったほうがいいだろうね。
早:全部ダメってことですね…。
雀:中華鍋のなかで、ごはんと卵をしっかりからませて、火の加減を見ながら鍋を振る。お米がくっつかなくなるぐらいまで、炒めるのがポイントなんだ。
そうアドバイスしながら、テキパキとチャーハンを仕上げる小雀さん。水蒸気がどんどんとあがり、ジューっと、美味しい音が聞こえてくる。
雀:ハイ、でき上がり!
早:う、うまい…。
雀:食材もシンプルにしたから、食べやすいでしょ。中華鍋は熱伝導率が高いから、焚き火の火力をしっかりと伝えることができるよね。あと、いっぺんにたくさん作るよりも、1~2人前のほうが水分をしっかり飛ばせるし、中華鍋を振っても軽い。
早:なるほど。で、おかわり欲しくなっちゃったんですが(笑)。
焚き火の火力は中華料理に最適!
高火力かつ、火床も広範囲にわたる焚き火は、中華料理にもってこい! 焚き火台はファイヤーサイドアウトドアの「トレイルブレイザー」を使用した。
焚き火を制するものは、中華を制する
中太の薪に、しっかりと火をつけ安定させる。焚き付けや細い枝だと火力が足りなかったり、調理途中で火力にムラが出てしまうことも。おき火ができるまでじっくり準備しよう。
ちゅんちゅん 小雀流!焚き火チャーハンの極意はこれだ!
材料(1人分)
ごはん…180g
卵…1個
チャーシュー…30g
長ネギ…15g
白ごま油…大さじ2
醤油…大さじ1
黒コショウ…適量
塩…小さじ1/2くらい
1 おき火を全体的に配置
中太の薪をおき火にする。具のチャーシュー、長ネギを細かく刻んでおく。
2 中華鍋をしっかりと熱してから卵を投入
白ごま油を鍋全体にひき、中華お玉で油となじませる。その後、卵を投入する。
3 サッとごはんを入れて卵とからめる
卵が固まらないうちにごはんを入れ、中華お玉でかき混ぜて、鍋を振りながら炒める。
4 具と調味料を入れて食材をなじませる
塩、黒コショウを全体にふり、具材を加え、中華鍋のヘリから醤油を垂らすように入れる。
5 水分を程よく飛ばすのがミソ!
中華鍋を前後に振り、チャーハンが中華鍋の上で踊るように、中華お玉でかき混ぜる。
美味しい本格チャーハン、できました!
ひと手間加えて、エビあんかけチャーハンも!
材料(1人分)
エビ…4尾
乾燥キクラゲ…2個
小松菜…1束
白ごま油…大さじ2
塩…小さじ1/2くらい
片栗粉…小さじ1/2
(合わせ調味料)
お湯…50㎖
無添加鶏ガラスープの素…小さじ1
お酒…大さじ1
具材を十分に炒めて、合わせ調味料を入れたら片栗粉でとろみをつける。作っておいたチャーハンにかけて完成!
白ごま油は香りが少なく、料理の風味を邪魔しないのでおすすめ。
あんかけがアクセントに!
焚き火チャーハン 成功の五か条
●薪はしっかりとおき火に
●中華鍋を十分に熱する
●卵とごはんをからめる
●ごはんは固めが◎
●水分を程よく飛ばす
※構成/早坂英之 撮影/小倉雄一郎
(BE-PAL 2022年5月号より)