アウトドアで王道中華に挑戦してみない?
キャンプ料理というとダッチオーブンやスキレットが定番だが、意外なことに中華鍋とも相性抜群なのだとか。
「中華料理はスピードが大切。焚き火の燃え盛る炎で、一気に作れるのがいいんですよね」とは、台湾料理店を営むキクタローさん。薪をガンガンくべながら、中華鍋を火にかける。
「これこれ。この焚き火の火力があれば申し分なし。何ならうちの厨房よりも火が強いかも」
中華鍋は薄い分、熱伝導率も高い。そのため、食材の水分を飛ばしながら炒められるから、歯応え抜群の炒め料理を作るにはもってこいだ。
「それに、中華鍋って炒め物だけじゃなくて、深さがある分汁物も作れるし、セイロと組み合わせれば点心もいける。底にアルミホイルを敷いてチップを乗せれば燻製までできちゃうでしょ。応用範囲が広いんですよ」
ザッと野菜を入れ、勢いよく鍋を煽る。
「台所が汚れるのを気にせず、鍋も煽り放題! 漢の中華料理にはおあつらえ向きですよ」
あると便利!中華料理の基本の調味料
身近な食材で本格風味「プリッとエビチリ」レシピ
手間はかかれど、一度揚げることでボリューム感UP!ソースも絡みやすくなり美味しさ倍増。見た目も華やかな炒め料理の代表格。
材料 (2人分)
エビ(殻をむいて背ワタを取ったもの)…10尾
ネギのみじん切り…⅓本分
塩、コショウ…適量
卵白…適量
片栗粉…適量
ショウガのみじん切り…大さじ½
ニンニクのみじん切り…大さじ½
豆板醤…小さじ1と½
ケチャップ…大さじ1と½
スープ(次ページ参照)…180㎖
片栗粉…大さじ2(水大さじ2で溶く)
卵…1個
ラー油…適量
作り方
1 洗ったエビに塩、コショウ、卵白、片栗粉をまぶす。油(分量外)で揚げ焼きして一度取り出しておく。
2 ニンニクとショウガを炒めて香りを出し、豆板醤、ケチャップを加えて炒める。
3 スープを入れて味を調え、水溶き片栗粉でとろみをつける。
4 ①のエビを加えてザッと煮込んだらネギを加え、仕上げにラー油と溶き卵を入れて完成。
専用調味料は豆板醤だけと、意外に手軽。仕上げにお酢を加えると味が引き締まる。
通常はたっぷりの油で揚げるが、野外なので少なめの油で素早く炒め揚げするといい。
低温調理で簡単に作る「しっとりよだれ鶏」
余熱でじっくり火を通した鶏肉は、しっとり柔らかくジューシー。ピリ辛なタレであっさりいただく、暑い時季にピッタリな一品。
材料 (2人分)
鶏胸肉…1枚
ショウガ…1片
ネギの青い部分…1本分
塩、コショウ…適量
もやし…½袋
ネギ(みじん切り)…⅓本分
カシューナッツ…適量
(タレ)
黒酢…大さじ3
醤油…大さじ3
砂糖…大さじ2
ごま油…大さじ3
花椒…小さじ½
すりごま…大さじ2
ラー油…適量
下準備
1 密閉保存袋にネギ、ショウガ、塩、コショウを振った鶏胸肉を入れてひと晩ねかせる。
作り方
1 鶏胸肉を密閉保存袋に入れたまま、65〜70度Cのお湯で湯煎する。火が通るまで、1時間程度。
2 茹でたもやしの上にスライスした鶏胸肉を盛り付け、合わせダレをかける。ネギと砕いたカシューナッツをのせ、ラー油を回しかけて完成。
漬け込んだ鶏肉を湯煎にかけ、低温で時間をかけて中まで熱を通す、低温調理。
ナッツとネギで歯応えをプラス。辛さはラー油と花椒で好みに合わせて調節しよう。
セイロを組み合わせれば蒸しもOK「旨味凝縮蒸し餃子」
中華鍋にセイロ用受け台+セイロをのせて蒸し料理に挑戦。餃子の皮のモチモチ感と、ツルッと口に滑り込む食感がクセになります!
材料 (20個分)
(餃子タネ)
豚ひき肉…100g
キャベツ…¼玉
タマネギ…¼個
ニンニクすりおろし…1片分
しょうがすりおろし…1片分
醤油…大さじ1と½
オイスターソース…小さじ1と½
ごま油…大さじ2
塩、コショウ…適量
皮…約20枚
作り方
1 キャベツとタマネギをみじん切りにして塩を振り、水分を出す。
2 豚ひき肉に①以外の材料をすべて加えてよく混ぜる。
3 ①の水分をよく絞って、②と合わせる。
4 ③のタネを皮で包み、せいろで火が通るまで蒸す。
タネを中央にのせたら周囲に水を塗り半分に折る。端を重ね食べやすいひと口餃子に。
皮が半透明になるまで蒸す。セイロから炎がはみ出さないように注意すること。
料理人 キクタローさん
登山(北アルプス好き)が趣味の旅する料理人。東京・目黒区に「CHI-FO(チーフォ) 台湾屋台縁食区」を昨年オープン。人気料理は焼き餃子。
(BE-PAL 2022年5月号より)