整備工を引退して、現在「薪割り機」開発に没頭する小高義雄さん。車を極めた整備工がたどりついたマシンは、なぜ薪割り機だったのか?
「単純な構造でブルドーザーほどのパワーがある点が魅力」と小高義雄さんはいう。
小高さんは元オートバイレーサー。車整備会社を設立し約50年、整備工として腕を振るった。そんな中起こった5年前の東日本大震災。節電の意識から薪ストーブを購入したのをきっかけに薪割り機に夢中になった。
「最初は外国製の物などいろいろ試したんですが、日本の樹木に合わない。そこで自分で作るようになったんです」
農業用ディーゼルエンジン、ユンボの爪、ブルドーザーの油圧ポンプなど、日本中を歩き回って部品を調達。マツやケヤキなど、節のある硬い樹木も簡単に割れる薪割り機が完成した。
◎構成/松浦裕子 撮影/茶山 浩