麦わら帽子が似合う季節の足音が聞こえてきそうになると、決まってなぜか辛いものが食べたくなりませんか?
2020年3月から始まった100%オーガニックの鎌倉野菜を育てる『雨のちハレ、ときどき農業生活』ですが、家庭菜園としてプランターでも育てることができるメキシコを代表する青唐辛子「ハラペーニョ」を植えてみました。
「え!? ナスなの?」ハラペーニョの豆知識
発祥の地といわれているメキシコのベラクルス州のハラパ(Xalapa)に由来するハラペーニョは、ナス目ナス科トウガラシ属で、世界に115属2678種ほどがあるとか。ナス科って、本当? 調べてみると、ナスやトマト、ジャガイモなどはナス属。トウガラシやピーマンなどはトウガラシ属。タバコなどはタバコ属に属するそうで、ナスとは親戚になるんですかね。タバコも同じナス科というのも信じられない。勉強になります。
そんなハラペーニョの栽培方法で大事なのが、連作はNGな点です。連作とは、毎年、同じ土地に同じ作物を連続して栽培すること指しますで、同じナス科の植物を育てた場所でハラペーニョをすぐに育てると育たないそうです。なので、一度ナス科の植物を育てた場所には別の野菜を育ててから、ハラペーニョを育てる必要があるそうです。
また謎の農機具が登場してきた!
畝を作って、黒マルチを貼ったら、等間隔に穴を開けます。その時に使う器具が上の写真「マルチ穴あけ器」です。まんまのネーミングですね(笑)。だいたい2,000円〜3,000円くらいで、立ったまま作業ができるロングタイプと、柄がないショートタイプがあります。垂直に持ってブスッと黒マルチに突き刺します。
マルチに穴を開ける時には、しゃがむしか他に方法は無かったため「マルチ穴あけ器ロング」の登場はお年寄りをはじめ大好評だったとか。
そして、手元のレバー(つまみ)を引くと、マルチの中の土を掘り返しながら、穴を開けてくれます。
ハラペーニョの苗をその穴に入れて、土をかぶせると苗付けの完成です。とても簡単な単純作業ですけど、ミニ耕運機やマルチ穴あけ器がなかった時代には、それなりに足腰に負担があったんでしょうね。道具の進化は効率性に大きく貢献し、暮らしを楽にさせてくれるものです。
規則性ある植え付けの正体は?
こうして10列ほどのハラペーニョ畑の作業を完了したところ、ある法則性に気がつきます。赤い矢印です。農場主曰く「今年は4つ植えたら、1つ空けた」と。どういうことかと言うと、始めから間引きに近い状態を作り、成長を阻害させないためだとか。
「だったら、最初に言えよ!マルチ穴あけ器ロングで無駄に開けてしまったじゃないか!」
とイキる僕に農場主がニヤつきながら、ある花の種を植えていきます。その花が「マリーゴールド」です。あいみょんの歌のタイトルにもなっているマリーゴールドは、暑さに強い一年草で、開花時期が長く初心者にも育てやすい花とされ、山吹色、オレンジ色、クリーム色、黄色などのビタミンカラーが特徴です。でも、なぜハラペーニョ畑の中にマリーゴールドを入れ込むのだろう?
コンパニオン植物ってなに?
コロナ禍を経て家庭菜園をされる方が増えたことで、「コンパニオン植物」あるいは「コンパニオンプランツ」という言葉を耳にしたことがある人もいるかと思います。これは、野菜や花と一緒に植えることでよい影響をあたえる植物のことを指し、唐辛子の全体的な健康を改善するハラペーニョのコンパニオン植物がマリーゴールドなんだそうです。
他には、パセリ、オレガノ、コリアンダーといったハーブ系やニンニクも相性が良いとか。逆に近くに置いてはいけない植物もありとか。特定の植物が唐辛子の風味を損ない、不要な競争を引き起こすためだそうです。その代表格が豆類。
そう言えば、マリーゴールドもメキシコや南米が産地ですね。「もう離れないで」と見つめていたのはハラペーニョだったのか。いつまでも離さないと。