各地で梅雨入りのニュースが発表されています。梅雨シーズンはなかなかアウトドアができず寂しくなりますが、今の時期にしかできないこともたくさんあります。そのひとつが「梅仕事」。
スーパーでも、梅と保存瓶が一緒に並ぶ姿をよく目にするようになりました。シロップ、梅酒、蜜煮、梅味噌…何を仕込もうかワクワクしてきます。
梅仕事のなかでも、仕込みから1か月弱で飲めるようになる梅シロップは、気軽にチャレンジできます。梅には、クエン酸やカリウムなど、健康や美容に良い栄養素が多く含まれています。疲労回復効果も期待できるので、これから訪れる暑いキャンプシーズンの水分補給にも活躍してくれるはず。
筆者が数年前から毎年作っているのが、「パープルクイーン」という和歌山県産の小梅を使ったシロップです。紅紫色の小さな梅で、アントシアニンが多く含まれているのだそう。毎年、近所のスーパーで購入しているのですが、調べてみると、和歌山県の農協JA紀南のオリジナル品種だそう。
「パープルクイーン」で作った梅酒やシロップは、青梅とプラムの間のような爽やかでフルーティーな味わいに仕上がります。見た目も自然なピンク色でとても可愛らしいのです。そのピンク色を楽しむために、使用する砂糖は氷砂糖やグラニュー糖などがおすすめ。きび砂糖や黒糖でも作ることができますが、茶色のシロップになってしまいます。
作り方は青梅と同じです。「パープルクイーン」を見つけた方は、ぜひ梅仕事をしてみてくださいね。
パープルクイーンで作る梅シロップ
材料
- 梅(パープルクイーン) 1kg
- 氷砂糖 1kg
- 保存瓶(3L)
上記のほか、ふきん、つま楊枝、食品用アルコール、キッチンペーパー があると便利です。
作り方
1.梅を優しく水洗いします。傷んでいる梅は取り除きます。
2.水気を拭きながら、つま楊枝や竹串でへたを取ります。保存食には水気は厳禁。水分が残らないよう、きちんと拭き取りましょう。このとき汚れが気になったら、ホワイトリカーを少し含ませたキッチンペーパーやふきんで優しく拭きます。
3.保存瓶はきれいに洗い乾かしておき、食品用アルコールやホワイトリカーなどで瓶の中を拭いて乾燥させておきます。
4.保存瓶に、梅→氷砂糖→梅と、交互に入れ、フタをしたら完成です。
1日に2~3回、瓶をゆする
保存瓶は日の当たらない冷暗所に置いておきましょう。毎日少しずつ氷砂糖が溶けていき、2~3週間でゆっくりと混ざり合っていきます。シロップがしっかり上がってくるまでは、1日に数回、瓶をくるくると傾けて、梅全体にシロップがまわるようにしてください。
梅シロップの完成後は
2~3週間後、色と風味がでてきたら、梅ジュースなどで楽しむことができます。
1か月ほど経ち、梅がシワシワになってきたら、梅の実を取り出します。長く入れておくと梅の渋みが出てくる場合があるので取り出すのがおすすめです。
完成した梅シロップは保存瓶のままでも構いませんが、清潔な小ぶりのガラス製などの容器に移すと、その後も使いやすいと思います。保存は冷暗所では2か月程度、冷蔵庫で保存なら1年ほど楽しめます。
もし、発酵して白い泡が出てきた場合は、シロップだけを鍋に移し、10分ほど弱火にかけ灰汁を取り除きます。漬け始めて数日なら再び保存瓶に戻し、10日以上経っているのであれば完成とし、冷蔵庫で保存しましょう。
梅シロップの割り方は、シロップ1に対して、飲み物4の割合が目安です。水、炭酸水、牛乳など、お好みの飲み物で楽しんでみてください。かき氷のシロップにしても美味しいですよ。
パープルクイーンで作る梅酒
材料
- 梅(パープルクイーン) 1kg
- 氷砂糖 500g ※甘さは400~800g程の間でお好みで
- 保存瓶(4L)
上記のほか、ふきん、つまようじ、食品用アルコール、キッチンペーパー があると便利です。
作り方
1~3は、梅シロップの作り方と同様。
4.保存瓶に、梅と氷砂糖を入れ、ホワイトリカーを注いだら完成です。
じっくり熟成させよう
しっかりとフタをして、冷暗所で保管します。氷砂糖が溶けるまでに週に何度か容器をゆすってなじませます。
3か月程で飲めるようになりますが、1年程熟成させるとより美味しくなります。じっくりと熟成させることで、コクがでて深みが増すといわれる梅酒。味の変化も楽しみましょう。
梅酒の場合も、梅の実を入れたままにしておくと、濁りや苦みがでることもあるので、1~2年漬けたら、梅の実を取り出しておくと、より長期保存ができます。
梅仕事ができるのは、5月下旬から6月にかけての短期間だけ。おうち時間が増える梅雨シーズンは、旬の梅を使って手作り食品を楽しんでみてはいかがでしょうか。