e-MTBがあれば自転車旅がいっそう身近に!
自転車旅を楽しむなら、断然e-BIKE(電動アシスト自転車)。モーターがアシストしてくれるので、ビギナーでも体力を消耗しすぎることなく走れます。山も走破できるe-MTBなら、行動範囲はさらに広がります。
ここでは自転車好きライター佐藤が、自然大好き女子をゲストに迎えてのe-MTBを使ったキャンプツーリングをご紹介。この夏きっと挑戦したくなること確実です!
私たちが体験しました!
e-BIKEの登場は、従来にはなかった新しい自転車の遊び方を可能にしてくれた。そのひとつが誰でも気軽にMTBライド&キャンプを楽しめるようになったこと。上り坂や重い荷物をものともせずに走行できるe-MTBなら、強靭な足腰や軽量性に特化した特別な装備などは不要。いつものソロキャン装備があればすぐ実現できる。
というわけで、わたくし佐藤と自然と山を愛する田中愛生さんで伊豆半島へ。なぜ伊豆かというと、この地には「メリダXベース」という世界最大級のサイクリング施設が駅のすぐ近くにあるから。ここでe-MTBをレンタル(1日9,350円)すれば、バックパックひとつで1泊2日のMTBライド&キャンプが可能なのだ。ちなみにe-MTBを借りられる施設は全国的に増えているものの、メリダXベースのように女性サイズまでしっかり常備しているところはまだまだ少ない。スタッフの方にサドル位置を調整してもらっていざ出発!
9:00
バックパックを背負って駅からレンタル場所へ
バックパックにキャンプ道具を詰めて、伊豆箱根鉄道の田京駅へ。ショップまで徒歩8分。
ふたりのe-MTBはここで借りました!「MERIDA X BASE」
台湾の自転車メーカー「MERIDA」の最新モデルが勢ぞろい。ロッカーや温泉施設もあるので旅のベースに。
住所:静岡県伊豆の国市田京195-2 伊豆ビレッジ内
TEL:0558(77)2727
営業:9:00 ~ 17:00
定休日:年中無休(年末年始除く)
問い合わせ先:https://www.merida.jp/x-base/
サイズも豊富!
最新のe-MTBをレンタル。ヘルメットやライトなどの備品も無料で貸してくれるのだ。
今回借りたe-MTBはこちら!
アルミフレームのフルサスモデル「eONE.SIXTY 500」は佐藤が乗車。トレイルライドも楽しめる本格派。
愛生さんが駆るのはハードテールモデルの「eBIG.NINE 400」。29インチタイヤで走破性抜群だ。
キャンプ場で荷物を軽くしてからMTBライドを楽しもう
本日走るのは、だるま山高原を経由して出逢い岬を目指す約55kmのルート。伊豆の道はとにかくアップダウンが多いので、スポーツバイクでもハードな行程である。初めてe-MTBに乗る愛生さんは、いきなり段差をフロントアップで乗り越えようとするなど気合十分のようだ。
MTBライドをしっかり楽しむなら、先にキャンプ場で設営して荷物を軽くするのがセオリー。標高600mの高台に位置する「だるま山高原キャンプ場」に向けてペダルを漕ぐ。修善寺の町を抜けるとキャンプ場まではひたすら上り坂の洗礼。だが、アシストモードを最強にしてペダルを漕げば疲労感は極小。というより、乗り手がいくらサボってもモーターのアシストで進むので、その気になればいくらでも楽ができる。周囲の景色をゆったり見ながらのヒルクライムは、普通の自転車では味わえない独特の感覚だ。しかも登るスピード自体も一般的なスポーツバイク以上に速い。これといったドラマもなくあっさりとキャンプ場に到着した。
10:00
いきなりスゴイ坂道!
まずは本日の宿営地を目指して出発…したものの、伊豆半島は坂道がいっぱい。激坂がふたりをお迎え。
電動だから疲れないー!グングン進むー!
でもe-MTBなら問題なし。普通の自転車と同じようにギアを軽くすると、モーターアシストをより効率的に効かせることができる。
11:00
オフロードに引き寄せられる
キャンプ場までの道中で未舗装林道を発見。e-MTBで走ると自然との一体感がスゴい。
杉の大木が見たい〜!
設営後にコーヒーを飲んでいると愛生さんが「ここへ行きたい!」とスマホの画面を差し出してくる。そこには山中で圧倒的な威容を誇る巨大な杉の木の写真が。なになに河内の大スギ? こりゃ凄い。よし行ってみよう。キャンプ場から大スギまでは約10kmほどだが、車通りのほとんどない細い山道で、路上は大小の石だらけという酷道。にわかに冒険気分が高まる。小さな案内板を頼りに杉林へ入ると道はついに階段に。もうバイクを降りて押すしかない。e-MTBの重い車体が急に恨めしく感じる我らだった。
まずはベースづくりから
先にテントを設営し、荷を軽くしてからサイクリングを楽しもうという算段なのだ。
それとコーヒーブレイクも
すでに15kmほど走ったのでコーヒー片手に休憩。山の上なので風が涼しい~。
12:00
巨木を目指してペダルを漕ぐ
林道を登ること10分、幹の直径が10m以上はありそうな巨大な老杉が突如として目の前に現われる。周囲には植林された真っ直ぐな杉しかないのに、この木だけは長く風雪に耐えてきたことがひと目でわかる迫力ある姿。思わず手を合わせたくなるほど神々しい。ある意味、寄り道を躊躇なくできるe-MTBだからこそ出合えたともいえる。
身軽になったところで、巨大な老杉を目指すことに。くねくねとした山道を進む。
押すなんて聞いてないよー
登山道では、乗り入れ可でもバイクを押す。一転、重い車体がライダーを苦しめる。
13:00
推定樹齢400年日本有数の大杉に到着!
西浦河内は戦前から木材の産地として知られていたが、この杉はその立派さ故に伐採を惜しまれ現在まで保護されてきたとか。
河内の大スギ、これはBIG!
14:00
道の駅でランチ&リラックス
大スギを見た後は山を一気に降りて海まで。e-MTBは重心が低いうえにブレーキもよく効くため、じつは下りのライドも気持ちがいい。伊豆半島の海岸線はアップダウンがさらに激しくになるが体力もバッテリー残量も、まだまだ余裕だ。そして目的地の出逢い岬に到着。湿度が高いせいで富士山は見えなかったが、太古の火山活動によって形づくられた御浜岬の美しい姿を堪能する。
昼食もとらずに走り回っていたため、さすがに疲労の色が隠せない我ら。県道で山を下って、道の駅「くるら戸田」にピットインすることに。
遅い昼食は駿河湾の深海ザメをフライにしてパンにはさんだ「戸田深海ザメバーガー」。
こちらは金目鯛のおにぎり。
サメバーガー美味しい!
くるら戸田には日帰り温泉(源泉かけ流し!)のほか、無料で利用できる足湯もある。
16:00
爽快! 山から海辺の絶景ロードへ
日の入りギリギリにキャンプ場へ戻ると、急いで夕食の準備に取りかかる。ここでも頼りになるのが調理師免許も持つ愛生さん。自分で釣った魚のオイル漬けと自家製味噌を持参していたのだ。おかげで準備はあっという間に完成。今日のライドを振り返りつつ夕食タイム。一日中ペダルを漕ぎ続けていたにもかかわらず、さほど疲れていない。キャンプ自体を楽しむ余裕もある。ビールも買ってあることだし、今夜は語り明かすぞ~。
上りはヨイヨイ、下りはもっとヨイヨイ。e-MTBはアップダウンにも強い!
桜が美しい春の伊豆。負荷の少ないe-MTBは風景を眺めながら移動するのにぴったり。
戸田漁港にある直売所でお土産を物色。キンメやトロボッチ(メヒカリ)などが有名だ。
山あり海ありのライドを堪能……してる場合じゃない。日暮れ前にキャンプ場へ戻らねば。
出逢い岬で戸田港を一望!
出逢い岬からは、御浜岬に囲われた戸田港を一望できた。緑豊かな岬には、静岡県の天然記念物のイヌマキ林が分布している。
19:00
キャンプ場に戻って焚き火&ごはん
まずは薪割りから!
ソロ用の焚き火台に合わせてバトニング。モーラナイフは料理でも使う。
前日に釣った川魚をオイル漬けにして持参してきた愛生さん。パスタを加えて一丁あがり。
地元食材も投入!
直売所で買ってきた焼き海苔は、愛生さん自家製の味噌を使った味噌汁に投入する。美味。
今日一日楽しみましたー!
日中はライド、夜はキャンプという最高の一日だが、ちょっと欲張りすぎて忙しかった。明日は遅くまで寝る予定(笑)。
e-MTBが楽しめるショップ増えてます!
富良野ネイチャークラブ
ヤマハのe-MTBで富良野の自然を満喫。駅やホテルなどに自転車を配達してくれるサービスも行なう。
住所:北海道富良野市北の峰町10-22
TEL:0167(22)1311
問い合わせ先:https://alpn.co.jp/
シライトジェネラルストア
富士宮市では複数の拠点でe-BIKEのレンタル事業を展開。ヤマハのe-MTBで富士山麓の豊かな自然を散策しよう。
住所:静岡県富士宮市上井出266-4
TEL:0544(21)3360
問い合わせ先:https://shiraito-general-store.jp/
フォレストバイク
首都圏に近いMTB専用フィールド。スペシャライズドのe-MTBで本格的なトレイルライドが楽しめる。
住所:神奈川県小田原市荻窪
TEL:080-2018-3892
問い合わせ先:https://www.forestbike.jp/
グリーンパーク吉峰
立山の麓に位置し、キャンプ場や温泉などを備える施設。モンベルのe-MTBで吉峰の四季を感じよう。
住所:富山県中新川郡立山町吉峰野開12
電話:076(483)2828
問い合わせ先:https://www.yoshimine.or.jp/
BE-PAL的 ACTIVE POINT
1 先に設営して、身軽になる
2 電動だからこそ、坂道を選択!
3 オフロードもグングン走る!
※構成/佐藤旅宇 撮影/高柳 健 撮影協力/だるま山高原キャンプ場
(BE-PAL 2022年6月号より)