キャンパーからもサウナーからも注目を集めているのが、自然の中で楽しむアウトドアサウナだ。好きが高じて自作してしまった人や、アウトドアサウナを楽しめるギアやスポットを紹介する。
最高温度のサウナを求め…「断熱」こそ正義!
サウナ―から「一度は入ってみたい」と羨望の眼差しを集めるサウナテント「Enthalpy3」をご存じだろうか? 山梨県のサウナ好きの集まり「山梨サ活倶楽部」に所属する浜田桂一さんと菊池直樹さんがDIYしたもので、「日本で一番熱いサウナテント」を自負する。
制作を開始した2018年は、まだ高温を保てるサウナテントがなく、北海道出身の浜田さんは、氷点下の環境でも楽しめるサウナの自作を決意。週1回の作業を4か月弱続けて完成したサウナテントは、最高温度で160度C以上を記録する。
製作の基本コンセプトは「断熱こそ正義」。自宅を建築した際に工務店からもらった断熱材をテント材料の間に挟んで縫い、キルティング状にすることを思いついた。分厚い素材を縫製するため、友人である革職人の菊池さんを口説き落とし、業務用ミシンで縫ってもらった。試行錯誤の中でこの方法となったが、ちくちくする断熱材の扱いに苦労したため、勧めないそうだ。
床にはお風呂マットを敷き詰め下からの冷気をシャットアウト。座ったり寝たりと、リラックスした姿勢で高温サウナを楽しめる、唯一無二のサウナテントが完成した。
試行錯誤を重ねた断熱構造を見よ!
手動ロウリュもOKです
地面から熱を逃さず、快適性アップ
事故を防ぐために最大限の配慮を
サウナ―小倉も体験してみた!
「公称120度Cの名店・サウナ錦糸町をも超える140度C超の衝撃!吊るしのサウナテントでは味わえない熱量だ。壁面のみならず地面の断熱、熱源の反射まで考慮した設計に脱帽!」
DIYサウナテントは安全性に最注力!
サウナテントの自作に必要なのは、サウナ愛と情熱と狂気、そして業務用ミシンですね。あとレスポンスの良い温湿度測定器があると、人間の感覚に頼らない定量的な測定ができ、ブラッシュアップにつながります。
このサウナテントも最初は温度を上げることに注力していましたが、今はストーブの上にもう1枚幕を追加したり、上部に排気孔を増やして、ロウリュした蒸気がそのまま滞留せず、めぐったあとに抜けていく構造に挑戦しています。
そしてサウナテントを楽しむうえで、何より大切なのは安全性。常に耐熱性のある材料を選ぶことや、“念のため”を期すること、そしてサウナテントを楽しむときは、風上の対角線上にストーブを置くことですね。
DIYサウナテントに必要なこと
- サウナ愛と情熱と狂気
- 業務用ミシン
- 常に耐熱性を考えた材料選定
- 煙突周りにスパッタシートを使用
- 一酸化炭素センサーの設置
※構成/安念美和子 撮影/小倉雄一郎
(BE-PAL 2022年6月号より)