アウトドア初心者でも楽しめるグランピング
いま日本でも人気のグランピング(Glamping)。グラマラス(glamorous)とキャンピング(camping)を組み合わせた「グランピング(Glamping)」は、キャンプ用品があらかじめ用意されているのテントやRV(※1)、タイニーハウス等に泊まることが多く、キャンプをより気軽に、豪華に楽しめるとアウトドア大国のアメリカでも人気があります。
日本のグランピング施設では、食事も含まれているところが多いようですが、アメリカのグランピングは基本的に食事は持ち込みが多く、中には食事は外食で済ませ、素泊まりホテル感覚で利用すると言う人も多いそう。さらにプライベート施設では、牧場体験、農場体験、クラフト体験などの独自のプログラムを用意している場所も少なくありません。
そこで今回は、アメリカのグランピング施設の中でも最近特に増えているRV(今回は「トレーラーハウス」タイプ)に宿泊できるグランピング施設を紹介。ノースカロライナ州で「Legacy Farms」を経営する夫婦がRVを利用して始めたグランピング施設に行ってみたので、その様子をレポートします。
※1:アメリカで言うRVとは、キャンピングカーのこと。車体と一体型のモーターハウスタイプと、牽引タイプのトレーラータイプがある。
設置されたトレーラーハウスなら排水等の面倒な作業が不要
アメリカでのRVキャンプで一番大変なことと言えば、施設に着いてからのセッティング。水道・排水・電気などが整ったキャンプサイト(※2)であれば、到着後に給水ホースや排水ホース、電源を接続(「フックアップ」と言う)する必要があります。さらに出発時には汚水や汚物の処理、洗浄等も行なわないといけません。これが慣れないと意外と大変。また設備が整っていないキャンプサイトに行った場合は、水の補給、汚水処理などを行なうことができるダンプステーションという施設に立ち寄らなければならず、さらに面倒。なかなか時間と手間がかかる作業なのです。
しかし、これらの手間が一切ないのが「グランピング」のメリット! RVに泊まる体験はしたいけど、面倒な作業はしたくないと言う人にはぴったり。多くのグランピング施設では、到着直後から水も電気も使えます。
※2:RVキャンプ場を探すとき、電気、上水道、下水道がすべて整っている施設は「Full Hook-up」、電気のフックアップ可能な場合「Electric Hook-up」、上水道のフックアップ可能な場合「Water Hook-up」、下水道のフックアップ可能な場合「Sewer Hook-up」と表記されている。
ベッドもダイニングもバストイレもキレイで快適
わが家が行ったグランピング施設のRVはとてもきれいに整備されていて、快適に過ごすことができました。ダイニングテーブルにはお花が飾られ、おもてなしの食べ物も置いてありました。もちろん設備の快適さはホストの方次第なので、予約前に説明や口コミなどを参考にするといいでしょう。
プライベート施設ならではの体験が盛りだくさん
プライベート施設の魅力の一つに、体験プランがあります。今回訪れた「Legacy Farms」では、牧場体験(15ドル)、乗馬(25ドル/※2泊の場合のみ)、チーズやジャム作りなど(各20ドル)のプランが用意されていました。また採れたて卵や手作りチーズも購入できます(各3ドル)。参加者の年齢や宿泊数によって選べるプランが決まっていますが、小学生が2人いるわが家(1泊)の場合、牧場体験が最適でした。
いろいろな場所での宿泊体験ができるグランピング
今回はRV(キャンピングカー)での宿泊体験をしましたが、グランピングには他にも、ティピーテント、タイニーハウス、ツリーハウスなど、普段なかなか泊まることができない場所で宿泊体験することができます。すでに住空間は出来上がっているので、現地での観光や体験もたっぷり楽しむことができるのが魅力ですね。グランピング施設によっては、クラフト体験ができたり、ボートやカヤック体験、アスレチックグランド、プール、テニスコートなどを自由に使える場所もあるようです。
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アメリカでは、コロナ禍でRVを購入した人達が、グランピング施設として民泊を始めたり、RVをレンタルするサービスを始める人が増えているようです。最近は旅行者が増え、エリアによってはホテルが取りにくいことから、こういったグランピング施設やRVレンタルの需要はますます高まっています。価格は施設によって異なりますが、今回泊まった「Legacy Farms」は1泊40ドル+クリーニング代1回25ドル、牧場体験15ドルを含めても80ドル(約1万円)でした。貴重な体験ができて、ホテル並みの快適さとリーズナブルな価格設定! 特にファミリーにはうれしいアウトドア体験ですよ。