見たことありました?
何を思って植えてみようと思ったのか謎ですが、農場主が「今日はさ、和三盆植えるから!」と言い出すのです。和三盆ってあれだろ?和菓子とかで使われる砂糖だろ? 知ったようなことを口から放った僕ではありましたが、人生で初めて和三盆の苗を見ました。
100%オーガニックの鎌倉野菜を育てている「雨のちハレ、ときどき農業生活」も3年目に入っていますが、お店で売っている完成形ではない苗や種を見ることが多く、ヘェ〜を連発する日々です。
和三盆の豆知識
味わいは、上品でまろやかな甘みがあり、口どけが良いのが特徴です。落雁などの干菓子や羊羹などの和菓子がこれまで主でしたが、最近では、ケーキなどの洋菓子にも使われ、コーヒーや紅茶の砂糖、寿司屋の玉子焼き、蕎麦屋の割りしたなど、幅広く利用されてきているようです。確かに「和三盆」と書かれたPOPを見かけるようになりましたよね。
原料は「竹糖」とも呼ばれるサトウキビです。だからか、沖縄や鹿児島の奄美諸島のものと思われがちですが、徳島県や香川県を中心にした四国の特産品です。
その特徴と栽培方法
サトウキビはイネ科の多年草で、茎に蔗糖を含み、砂糖の原料となります。夏に刈り取り、皮をむいて茎の隨をそのまま食べたり、汁を絞ってジュースにします。サトウキビをかじるあの仕草を思い出しますよね。南国の植物というイメージが強いですが、夏前に植えつけると本州でも冬には収穫できるそうです。また、太平洋側に面する場所では翌年も収穫後の地下株から再び出てくる芽を栽培することが可能で、草丈は一般のサトウキビより低く、成長しても2mほどで茎も細めだそうです。
栽培方法として、日当たりと水はけのよいところに植えます。植えつける時は、サトウキビの苗をビニールポットから取り出して浅く植え付けます。生長は旺盛のため、株の間は50cmは空けた方がよいとか。鉢植えでも可能だそうなので、そのときは7号鉢以上に植え、日当たりのよい場所に置いた方が良いそうです。
水やりは不要。手間要らずですが、鉢植えの場合は極端に乾かさないよう、土の表面が乾いたら水をたっぷりとあげてください。成長期には、晴れたら1日1回くらいあげても良いそうです。肥料は庭植えはほとんど必要なく、鉢植えの場合であれば、化成肥料30gくらいを追肥しながらがいいみたいです。
成長すると丈は2mになるくらい伸び、大人をはるか超えていきます。「今年はお試しだから〜」そう農場主は言いますが、背丈を超えてざわざわと風に揺れるサトウキビ畑の姿が今から楽しみです。バスケットボールコートを縦に3面並べた大きさの僕たちの農地では、その広さを活かしていろんなものを栽培しています。その中でも和三盆を植える経験は想定していませんでした。手間要らずとはいえ、ちゃんと育つのかな。また楽しみがひとつ増えました。