ビーチコーミングをしながら海を綺麗に!
日本全国の主な海岸および海水浴場では、ボランティアによる「ビーチクリーン」が定期的に行なわれています。
ビーチクリーンという言葉を聞いたことがある方は多くても、実際に参加経験がある方はまだ少ないのではないでしょうか。
ビーチクリーンとは、簡単に言えば海で行うゴミ拾いのこと。
ビーチクリーン=ゴミ拾いと言うと、どこか面倒で汚い仕事のようなイメージをもたれるかもしれません。しかし、実際やってみると、きっとイメージが変わりますよ。
海を眺めながら、散歩がてら参加することもできます。
小さなお子様が一緒なら、歩くついでに漂着物を観察してみるのもおもしろいでしょう。海のゴミや環境問題について話し合うきっかけにもなります。
今回は、ビーチクリーンが盛んに行なわれている湘南エリア(神奈川県)を例にして、実施概要や参加する場合の持ち物など、ビーチクリーンの基本についてご紹介します。
ビーチクリーンはいつやっている?
ひとことにビーチクリーンと言っても、その種類や規模は様々。
企業が主催するイベント要素が強いものや、地元のサーファーや地域住民が集まって実施する地元色が強いものなどがあります。
事前申し込みが必要な場合もありますが、ほとんどの場合において申し込みは不要です。
「毎月第1日曜日の朝10時から」などと定期開催されているものも多いです。
“〇〇海岸 ビーチクリーン”などの文言でウェブ検索をすると、過去の開催実績や今後の予定などが見つけられます。
神奈川県の例でいえば、公益財団法人「かながわ美化財団」のバックアップのもと行なわれているものがあります。
このような財団のサポートを受けているビーチクリーンは、専用のフラッグをかかげて参加者を募っている場合があります。
参加する際にゴミ袋を支給してもらえるケースも多く、拾ったゴミは所定の収集場所に集めるだけ。
そのとき時間のある方が「手ぶらで気軽に」参加できる体制が整っているのです。
楽しい出合いもある
有名海水浴場のゴミ拾いとなれば、海水浴客や観光客が出したゴミを連想しがち。
ところが、ビーチにはそのようなゴミ以外にも様々な物が落ちています。
外洋からの漂着物が実は多く、ゴミ以外にも様々な楽しい発見物に出合えるのです。
例えば、波に揉まれて角が取れたガラス片「シーグラス(ビーチグラス)」が落ちていることもあります。
場所によっては、形の良い貝殻や変わった石を発見することも。
ビーチコーミング(海岸の漂着物の観察)をしながらのゴミ拾いも、楽しいものです。
当日の持ち物
色々な発見があって楽しいビーチクリーン。とはいえ、目的はあくまでゴミ拾い。手ぶらでも参加できますが、あると便利な持ち物をいくつかご紹介します。
日焼け止め
通常のビーチクリーンでは、30分から1時間ほど作業をします。
もちろん、個人のペースで休みながら行なえますが、それでも夏場は強い日差しを避けられません。
日焼け対策は必須。事前に日焼け止めをしっかり塗りこんで臨みましょう。
帽子と水分
ビーチには日除けとなる場所はほぼありませんので、帽子はあった方が良いでしょう。
日焼け対策も兼ねて、小さいお子様であればキャップタイプよりもハットタイプ、さらにはネックカバーがある帽子がおすすめです。
こまめな水分補給も忘れずに。塩分のタブレットも上手に使って熱中症対策を行ってください。
シューズがおすすめ
ゴミを拾いながら砂浜を歩くため、ビーチサンダルよりもシューズの方が歩きやすい場合も。
ビーチなので裸足で歩きたいところですが、夏場は砂浜がかなり熱くなるのでやけどに注意が必要です。
靴に砂が入って嫌だという方は、地面が固い波打ち際を歩くようにすると良いでしょう。
軍手とトング
ビーチクリーンは素手でも行なえますが、軍手があった方がベター。
軍手をつけておけばさっと拾えるゴミが増えますし、安心感も増します。
ちなみに上級者は「マイトング」を持参します。
ゴミを拾う度にかがまなくて済むので、腰に優しくおすすめです。規模の大きいビーチクリーンでは、貸し出し用のトングが用意されているケースもあります。
ゴミ拾い専用のトングであれば、先端にシリコン樹脂のパーツが付いていて、小さなゴミもどんどん掴めます。
“ワンハンド”ビーチクリーンとは
ところで、サーファー達の間で「ワンハンドビーチクリーン」という言葉があるのをご存知でしょうか。
これは、「サーフィンを終えて海から上がったら、片手にサーフボードを持ったまま、もう片方の手には持てるだけのゴミを持って家に帰ろう」というもの。
季節を問わずサーファー達が、海への感謝の意味を込めて行っている環境活動です。
1回1回のゴミ拾いは小さな活動ではありますが、世界中のサーファーがこの活動をすることで、地球規模で見れば大きな力になるのです。
訪れたビーチが綺麗だなと感じたら、それはきっと、ボランティアの方々の活動のおかげ。
皆さんも海にサーフィンをしに行った時には、ぜひワンハンドビーチクリーンをやってみてください。
そして、ビーチクリーンが実施されているのを見かけたら、ぜひ声をかけ合って参加してみてくださいね。