青森の夏の風物詩といえば、和紙で作られた人形灯籠・ねぶたが主役の「青森ねぶた祭」。その祭りの雰囲気を365日楽しめる温泉宿が「星野リゾート 青森屋」です。ねぶたが楽しめるのはもちろんのこと、実は豊かな自然体験も魅力。約22万坪、つまり東京ドーム約16個分の敷地面積のうち、約9割が公園なのです。温泉も、自然も、文化も欲張りに楽しめる「星野リゾート 青森屋」をレポートします。
青森を目一杯楽しむ温泉宿!「星野リゾート 青森屋」
「星野リゾート 青森屋」は「のれそれ青森 ~ひとものがたり~」をコンセプトに、青森の方言で「のれそれ」=「目一杯」青森の文化を満喫できることを目指した温泉宿。敷地内には源泉掛け流しの温泉が楽しめる入浴施設が2つあり、湯船と池が一体化したような露天風呂「浮湯」では四季折々の風景も楽しめます。泉質はアルカリ性単純温泉。クレンジング力があるアルカリ性ながらメタケイ酸を多く含むため、肌にも優しいトロトロのお湯です。
ねぶたとともに、青森屋の大きな特徴が広大な公園。1980年頃に青森屋の前身となるホテルが作り、青森屋が受け継いだ公園です。中心に大きな池を配し、一周回ると所要時間は30分〜40分ほど。植物や鳥を観察しながら歩くのはとても楽しく、道が整備されているのでジョギングも可能です。
4月は桜、5月はオオデマリ、7月はノリウツギといったように、春、夏、秋と季節を感じられる多種多様な植物が生息しています。あまりにも広大のためほぼ手付かずの山もあり、時にはカモシカが遊びに来ることも。冬は池がすべて氷り、その上に雪が積もり一面が銀世界となります。
広い公園を活かして季節ごとにさまざまなアクティビティも行なわれ、2022年8月31日(水)までは「しがっこ風鈴馬車」を開催。しがっことは津軽弁で「氷」を意味し、風鈴の音と馬の足音に耳を傾けながら、涼やかに公園を一周する体験です。青森南部地域では昔から馬と一緒に暮らしていた文化があり、その文化に倣って青森屋でも馬と触れ合えます。
池を高い位置から望める絶好のスポットが「八幡馬(やわたうま)ラウンジ」。席数限定、予約制の空間で、飲み物をフリードリンクで楽しみながらゆったりくつろげます。飲み物は日本酒、シードル、青森県産ブランド米「青天の霹靂」の玄米茶など、青森にちなんだものも味わえます。八幡馬ラウンジは一回二時間制ですが、翌日チェックアウトまで空きがあれば、何回でも利用できます。
2022年8月31日(水)までは「あおもり藍涼み」が開催され、涼やかな藍色をモチーフにした空間で「大人の日本酒ゼリー」を堪能できます。日本酒「八仙」のクラッシュゼリーに、カシスとリンゴ味の金魚ゼリーがトッピング。名酒が香るぷるんとゼリーは、りんごジュースで味変も楽しめます。
夜も楽しい!リニューアルしたショー会場「みちのく祭りや」
日が沈んだ後は本館1階の「じゃわめぐ広場」へ。広場には楽しい屋台が店を構え、中には無料で飲める「りんごジュースが出る蛇口」もあります!2022年8月31日(水)までは昔ながらの「金魚すくい」やポイを水につけると運勢が浮かび上がる「ポイみくじ」などで遊べる夏のイベント「しがっこ金魚まつり」が開催中です。
青森屋の大きな目玉が、毎夜開催される「祭り」!今まではショーレストランとして運営していましたが、2022年4月にショーに特化したショー会場「みちのく祭りや」にリニューアルしました。青森四大祭りと呼ばれる「青森ねぶた祭」「八戸三社大祭」「五所川原立佞武多」「弘前ねぷたまつり」の見どころを、四季の移ろいとともに演奏。実際の祭りで使われていた巨大な「山車」も登場し、手振り鉦(てぶりがね)や和太鼓の生演奏、工夫を凝らした影絵、プロジェクションマッピングとともに迫力ある祭りを体感できます。料金は1,500円(税込)~、予約制。
演奏や踊りを披露する人は、ほぼフロントなどで働いている青森屋のスタッフ。楽器や演劇は未経験というスタッフも多い中、血のにじむような努力の末、すばらしい「祭り」を作り上げています。ショーの最後にはゲストも青森ねぶた祭の踊り子「ハネト(跳人)」となり、「ラッセラー、ラッセラー」という掛け声とともにみんなで盛り上がります。
茅葺き屋根の古民家で味わう朝食・夕食。「南部曲屋」
食事はビュッフェレストラン「のれそれ食堂」や地酒が飲める「ヨッテマレ酒場」など選択肢が豊富で、ゆっくり食事をしたい人におすすめなのが古民家レストラン「南部曲屋(まがりや)」です。「曲屋」とは母屋と馬屋がL字型に連なっている南部地方の伝統建築様式。茅葺き屋根や火が焚かれた囲炉裏も趣があります。
料理は青森の郷土料理が中心で、夕食はウニとアワビのお吸い物「いちご煮」など青森で親しまれている旬の野菜や魚介類を用いた和懐石を楽しめます。先付けは「七子八珍盛り合わせ」。青森ではホタテノコやタコノコなどの「七子(魚卵七種)」とホヤやウニなどの「八珍(珍味八種)」を合わせて「七子八珍」と呼びます。初めて食べるような珍しい食材もあり、地酒とともに海の恵みを一度に楽しめる名物料理です。
朝食は「帆立味噌貝焼き」をメインにした「古民家のふるさと御膳」。「帆立味噌貝焼き」は帆立の貝殻を器に、味噌を濃いめにといた出汁を入れ、卵でとじる郷土料理です。南部曲屋では海藻やネギを入れ、温泉卵とともに、帆立を熱々のままいただきます。「青天の霹靂」と「あさゆき」の青森屋オリジナルブレンド米の炊き立て土鍋ご飯もおいしく、自然と箸が進みます。
露天風呂付きも。伝統工芸品を設えた客室
ゲストルームは全236室あり、最も客室数が多いのが「あずまし」。あずましは青森の方言で「心地よい」という意味で、心落ち着く和室に南部裂織(なんぶさきおり) や八幡馬といった青森県南部地方の工芸品が彩りを添えています。ヒバを使用した浴槽で温泉が楽しめる「あずまし 半露天風呂付」も人気。
青森屋で1室限定の客室が「青森ねぶたの間」。玄関、廊下、リビング、寝室、バスルームすべてがねぶた一色の特別な客室です。この客室を製作したのはねぶた師・竹浪比呂央さん。ハネトの衣装も用意されているので、365日、いつでも祭り気分を楽しめます。
アウトドアや自然体験の拠点にも便利!
自然豊かな青森県南部に位置する青森屋では、アウトドアを楽しむ拠点としてもうってつけ。車を約15分走らせた場所にある「小川原湖」は青森で最も大きい湖で、カヤック体験ができます。マリンアクティビティが好きな人にはSUPやシーカヤックが楽しい「蕪島」もおすすめ。
十和田八幡平国立公園内の「奥入瀬渓流」や三陸復興国立公園内の「種差海岸」には車で約1時間で到着。奥入瀬渓流でハイキングを楽しんだり、種差海岸でウミネコを観察したり、チェックイン前・チェックイン後に遊べます。国際的絶滅危惧種のオオセッカ、シマクイナなどが生息し、ラムサール条約に登録されている「仏沼」へは車で約40分です。
青森の自然と文化を“のれそれ”楽しめる、「星野リゾート 青森屋」。春〜秋は公園での散策が楽しく、冬は圧倒的な雪景色を拝めます。アクセスは三沢空港より無料送迎バスで約20分、「三沢駅」から無料送迎バスで約3分。祭りの熱気を体感し、温泉で癒される青森旅を計画してみてくださいね。
・星野リゾート 青森屋
住所:青森県三沢市字古間木山56
宿泊料金:1泊2食付き 2名1室利用時1名あたり19,000円~(税込)
ホームページ:https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/aomoriya/