小川張りとは?
小川張りをご存知でしょうか?
小川張りとは、セッティングテープなどを使用してテントの入口付近にタープを設営する方法です。
その原点は、ogawa(現キャンパルジャパン)が発売した「システムタープヘキサDX」にあります。小川張り、という名前の由来もその「ogawa」から来ていると言われています。
システムタープヘキサDXには、テントとポールを接続するセッティングテープが同梱されています。そのセッティングテープを使用してテントとタープを接続することで、キャンプサイトをより快適なものにすることを可能にしたのです。
小川張りが定番となった現在では、セッティングテープが単体で他のブランドから発売されています。そのため、システムタープヘキサDX以外のタープでも小川張りができるようになっています。
小川張りの設営方法
サイトをより快適に使用するための方法として、多くのキャンパーが取り入れている小川張り。
その小川張りの設営方法を、簡単にご紹介します。
まず必要になるのは、セッティングテープ。小川張りに欠かせないアイテムです。
セッティングテープを使用せずに小川張りを行なうこともできますが、ロープで代用する場合には注意が必要です。
小川張りはその構造上、風の影響を受けやすくなっています。
ロープの強度にもよりますが、安全確保のために小川張り専用のセッティングテープを使用することをおすすめします。
セッティングテープの一端とタープを接続します。
セッティングテープには基本的にカラビナがついていますので、接続はそのカラビナを利用します。
テープのもう一端はテント後方に立てるタープのポールに接続し、ポールを立てます。
上の画像では、タープからテント後方のポールまで繋がっている黒いテープが、セッティングテープです。
そして、タープの布部分がテントの入り口付近に来るようにテープの長さを調節します。
その後の手順は、普段タープを立てるときの手順と同様です。
タープとポールの間の橋渡しとしてセッティングテープを使用するだけなので、いつもの設営とほとんど手間は変わりません。
小川張りのメリット
ここからは、小川張りのメリットを、筆者の体験も含めてお伝えしていきます。
日差しや雨を完全にシャットアウトできる
筆者は、小川張りを知る前、テントとポールをできるかぎり近づけて設営することで日差しや雨をシャットアウトしてきました。
しかし、いくら頑張ってみても、どうしてもテントとポールの間に少なからず隙間ができてしまっていました。
そのため、大雨の日には、テントとタープの間を移動するたびに濡れてしまうのに加え、テントの玄関部分が雨ざらしになってしまうなど、不便が多くありました。
小川張りであれば、テントとタープを隙間なくぴったりと設営できるため、日差しや雨を完全に遮ることが可能になります。
両者の間に隙間が少しあるのとまったくないのとでは、快適性が大きく異なることを、小川張りをすることで感じることができます。
スペースが無駄なく設営できる
テントに被せるようにタープを設置することにより、テントとタープが一体化し、無駄なスペースがない設営が実現します。
筆者はソロサイトやデュオサイトを使用した際、サイトの狭さゆえにタープを諦めてテントのキャノピーのみで過ごすことがありました。
しかし、小川張りでスペースを有効活用すれば、小さめのサイトでもタープを使用することができるのです。
見た目が良い
小川張りは機能性だけでなく、見た目にも定評があります。
テント上部から六角形のヘキサタープがピンと張られている様は、非常にバランスがよく、外観を美しくしてくれます。
キャンプでは、自分好みのギアやサイトデザインで居住空間を彩り、日常とは違った雰囲気を楽しむことができます。
美しいデザインの小川張りは、誰もが憧れる1つの形とも言えるほど美しいです。
筆者も初めて小川張りをした際は、ベテランキャンパーに一歩近づいたような気持ちになりました。
小川張りの注意点
小川張りのデメリットは、耐風性能が低い点です。
テントを入れ込むようにして設営する分、タープとポールの距離が長くなり、その結果、風の影響を強く受けることになってしまいます。
筆者の体感でも、小川張りは普段と比べ、風で大きくタープが揺れる気がしています。
風でタープが倒れてしまうと非常に危険なので、風の強い日には、小川張りを選択するのは避けましょう。
快適さを追求して、より魅力的なキャンプライフを!
「不便を楽しむ」ことがキャンプの醍醐味と言われますが、その真意は、不便さの中で快適さを追求することではないかと筆者は思っています。
小川張りは、タープの張り方の1つでしかありません。
しかし、それによってキャンプをより快適に、より楽しく過ごすことができるようになります。
そういった意味で「キャンプの魅力の真髄を味わえる」と言える小川張り。
まだ試したことのない方は、その快適さに、一度触れてみて下さい。