新規登録から13年経過すると税金が上がるため、10年をめどに愛車の買い換えを検討する人が多い。
ところがキャンパー人気の高いハイエースやキャラバンなら走行距離10万km以上は当たり前、メンテナンス次第で20万km以上使い続けている人もいるほど長寿命だ。まだまだ元気に走るクルマを手放すのは残念だし、傷や汚れひとつにも家族との思い出がある。
話題のクルマが集結する「モーターキャンプエキスポ2022」(大阪・万博記念公園にて2022年7月3〜4日開催)で、次の10年に向けて気分を一新できるリノベサービスやキットを探してみた。
インテリアをガラリと変える4点セット
ハイエースのカスタムが得意なneru海(https://www.nerukai.com)は無垢材のベッドキットと床板パネル、ベッド天板が車内テーブルになるロングタイプのテーブル脚、Dピラー&スピーカーというお得な200系ハイエースバンスーパーGL標準ボディ用「W3インテリア4点セット」を用意している。
ベッド天板は車内テーブルとするほか、別売の脚を4本取り付ければ屋外でも使えるミニテーブルになるという仕掛けだ。無垢材のため自分で塗装できるのも高ポイント。
こちらは20色以上から選べるベッドマット、110色以上の棚色を用意したのが200系ハイエースバンスーパーGL標準ボディ用「Easy camping styleベッドキット」。色の組み合わせでオリジナリティを出せるし、くたびれたフロアも別売の「床板パネル」を使って一新できる。
ベッドの下はおおよそW85×H45cmの広大な収納スペースがあるので、クーラーボックスやポータブル電源など大きくて重いものの置き場所にぴったり。
neru海では、棚なしベッドキットも用意しており、こちらは車幅いっぱいをベッドとして使える。棚なしキットを選び、あとから棚のみを購入することも可能。これなら家族との車中泊旅は棚なし、仕事に使うときは小物整理に便利な棚を取り付けるといった使いわけもできる。
ノーマル車が快適になるシェード
ハイエースやキャラバンはとにかく荷室が広い。このメリットをできる限りいかすために、ノーマルのまま使っているユーザーもいるだろう。
CCcoupler(https://cccoupler.com)はハイエースやキャラバンのサイドウインドウや三角窓に取り付ける「モールシステムシェード」を販売している。横方向にウェビングが貼り付けられたMOLLEシステム風のシェードで、フックを使って小物整理ができるというもの。あまりに重いモノは掛けられないが、MOLLEシステム対応のポーチを取り付けた壁面収納でノーマル車でも手軽に硬派なインテリアを演出できる。もちろん日差しや視線を遮り、落ち着いて仮眠ができるのは言うまでもない。
ハイエースやキャラバンのサイドウインドウに手持ちの作業服用ファンユニットを取り付けられる「ファンプレート」というアイデア商品は、昨今の車中泊人気を見据えて開発。車中泊での換気に役立ちそう。ポータブルクーラーのダクトを取り付けるための穴なし「DIYプレート」(3980円)もあるという。
ベッドキットやシートをカスタムオーダー
ハイエースやランドクルーザーの専門店、FLEXではいち早くリノベーションに注目し2017年よりRenoca(https://www.flexnet.co.jp/renoca/)というプロジェクトを立ち上げているのはご存じの通り。
会場では、製作例としてYouTuberでありドキュメンタリー映像製作会社を経営しているご夫婦の機材車を展示していた。
「RENOCA COAST LINES」フェイスはシェビーバンをイメージした角目で、これだけでも印象をガラリと変えられる。
ボンゴブローニィのリノベサービス
ハイエースやキャラバンの影に隠れがちだが、ボンゴもタフなクルマだ。キャンピングカープラザ大阪はエレベーティングルーフとロングスライドレールで使い方の自由度を高めたキャンピングカー「RIW」シリーズ(https://riw.jp)が有名だが、ボンゴブローニィをRIW風にリノベする「RIW Brawny」でも密かな人気。エレベーティングルーフではなくルーフトップテントを取り付けているので車内で立って作業するのはつらいが、車外に持ち出せるテーブルなどその雰囲気はRIWそのもの。椅子やテーブルは重ねれば棚になり、車内にハンターカブを積載できるほど大きな空間が生まれる。
壁紙や床板からレイアウトまで、ユーザーの希望が詰まったオンリーワンのブローニィだ。
気になるリノベーション参考価格は218万9000円で、ベースカーは120万円程度とのこと。キャンピングカープラザ大阪にベース車両を探してもらうほか、ブローニィの持ち込みもOKだ。
10年ごとに愛車を買い換えるのもいいけれど、ハイエースに代表される長寿命のクルマであれば家族とともに走り続けたクルマを子ども世代が受け継ぐことも夢ではない。キットやリノベサービスは、その日を目指して大切に乗り続ける人たちを応援してくれる頼もしい製品だ。
フリーランスのライター、編集者。主なテーマはアウトドア、旅行で、ときどきキャンピングカーや料理の記事を書いています。https://twitter.com/utahiro7