初心者におすすめな高尾山の魅力とは?
高尾山は日本にある山の中でも、特に初心者におすすめできる山です。その理由と、高尾山の魅力を解説します。
高尾山の魅力
都心から1時間程!アクセスの良さ
高尾山は東京都八王子市にある山で、新宿から電車で約1時間の好アクセスながら、豊かな自然を感じられる人気の観光地です。
年間の登山者は約260万人で、登山者数は世界一ともいわれています。東京にありながら多くの自然に囲まれており、手軽に『都会感』を忘れられる点も魅力の一つです。
ここまで人気なのは、アクセスの良さと手軽に登山を楽しめる点が大きいでしょう。トイレや売店も多く、利便性も高くなっています。
また、ビアガーデンもあることから、老若男女が楽しめる屈指の観光地といえます。
標高約600mで小学生でも登りやすい
高尾山の標高は599mで、登山初心者でも登りやすい山といえます。7つもある登山コースの中には舗装された道もあり、小学生でも登ることが可能です。実際、遠足で訪れる小学生も多くいます。
麓から中腹まで移動できるケーブルカーも出ているので、気軽に登れる山として人気を博しています。中にはベビーカーを押しながら登山をする人もおり、家族で登山を楽しみたい人にもおすすめです。
ケーブルカー清滝駅では、300円でベビーカーを預かってくれるサービスもあるので、登山初心者や子ども連れにはうってつけの山でしょう。
参考:ハイキング|八王子市公式ホームページ
参考:よくある質問 | 高尾登山電鉄公式サイト
初心者におすすめの高尾山の登山ルート
高尾山には7つの登山ルートがありますが、それぞれ難易度が異なります。その中でも初心者と中級者、上級者それぞれにおすすめのコースをピックアップして紹介します。
おすすめのコース
初心者は1号路がおすすめ
高尾山を初めて登る人や、登山初心者は『1号路』を登りましょう。
コースのほとんどが舗装されており、展望台や巨大な杉の木、猿山など見所が満載です。展望台からは新宿まで見渡せ、夜になると都会ならではのキレイな夜景も見ることができます。
山頂までの所要時間の目安として、歩きの場合は約100分、ケーブルカーを使う場合は45〜50分程度です。
途中には、男坂と女坂の分かれ道があります。男坂の方は煩悩の数と同じ108段の階段があり、しんどく感じる人もいるでしょう。
体力に自信のない人は、女坂がおすすめです。トイレも途中に5か所設置され、売店もあるので休憩もしっかりと取ることができます。
慣れてきたら3号路や4号路もおすすめ
ケーブルカー高尾山駅の先『さる園・野草園』あたりからは号路が分かれます。
『3号路』は緑が豊かなコースです。別名『かつら林コース』とも呼ばれる通り、山頂付近では見事なかつら林の中を通ることができます。
比較的すいており、ゆっくりと登りたい人におすすめです。道はなだらかですが、狭い道もあるので履きなれた靴で行きましょう。
途中に売店はないので、飲み物の持参が必要です。所要時間の目安は1時間程度ですが、トイレはないので、初めて登る人には不向きでしょう。
『4号路』には、高尾山で唯一のつり橋があります。つり橋付近には季節の樹木が生息しており、季節ごとに変わる表情を楽しめます。
難易度は少々高めですが、所要時間は約50分で、初心者でも登ることは可能です。体力に自信のある人は挑戦してみてはいかがでしょうか。
上級者は6号路や稲荷山コースにも挑戦しよう
登山の上級者には『6号路』や『稲荷山コース』がおすすめです。『6号路』は『びわ滝コース』とも呼ばれており、小川を眺めながら歩けることが特徴です。
途中には滝があり、観光スポットも多くあります。全体的に道が狭く、整備もされていないため、難易度は高めです。トイレもないので、登る際は注意しましょう。
『稲荷山コース』は急な斜面が多く、数あるコースの中でも特に難易度が高いコースといわれています。途中には八王子の街を見渡せる東屋があり、休憩スポットとして利用できます。
また、山頂直前にはおよそ200段の階段があるので、無理せず休憩を挟みながら登りましょう。
高尾山に行くときの準備
高尾山は気軽に登れるため、必ずしも本格的な装備は必要がありません。しかし、山であることには変わりないため、最低限の準備は必要です。高尾山に行くときの服装や必要な持ち物を解説します。
服装や必要な持ち物
服装は動きやすいものでOK
初心者で1号路を登る予定なら、普段着でも問題はありません。実際にカジュアルな服装で登山をしている人も多くいます。
しかし、1号路以外を登るつもりなら、一般的なハイキング向けの服装をする方が望ましいでしょう。
高尾山は都心よりも気温が低い傾向にあります。そして何より、山である以上は急激な温度変化が予想されます。夏でも薄い上着を1枚は持っていった方が安心です。1号路の場合、靴は普通のスニーカーやランニングシューズでもOKです。
ただし、革靴はやめておきましょう。雨が降っているときなどは地面が滑りやすく、けがをする恐れがあるためです。
必要な持ち物
飲料の持参は必要不可欠です。1号路には売店や自動販売機があるので、そこで飲み物を買っても良いでしょう。途中で小腹がすいたときのために、軽食も持参することをおすすめします。
歩きながら食べられるアメやチョコレートなどが望ましいでしょう。
夕方以降はあたりが暗くなるため、足元を照らせるライトもあると安心です。なお、高尾山口駅のショップには登山グッズが売られているので、そこで調達するのもありです。
また、山では急な雨や温度変化が想定されます。雨具やタオル、着替えなども持っていった方が良いでしょう。
高尾山でおすすめのスポット
高尾山には、自然の風景以外にも魅力的なスポットがいくつもあります。その中から、特におすすめのスポットを3つ紹介します。
おすすめのスポット
パワースポットとして知られる「薬王院」
744年に創建された歴史ある寺院で、真言宗智山派の関東三大本山の一つです。1号路にあり、敷地には天狗の像が立っているのが特徴です。修験道の聖地として昔からよく知られています。
目玉スポットは、人が通れるほどの輪っかがくり抜かれた石壁『願叶う輪潜』です。願いの成就を祈りながら輪っかをくぐり、その後に大錫杖を鳴らすことで、願いが叶うとされています。
また、お守りや御朱印を買うことも可能です。さらに、事前に予約をしておけば精進料理を食べることもできます。
参考: 高尾山薬王院公式ホームページ
景色をゆったり楽しめる「ケーブルカー」
日本一勾配のある地点を通るケーブルカーに乗れば、景色を楽しみながら、かつ体力も消費せずに一気に中腹まで登れます。
ケーブルカーでは、約1kmの道のりを6分程度でゆっくりと登っていきます。
運賃は大人(中学生以上)片道 490円、往復 950円です。子ども(小学生)は片道 250円の往復 470円で、未就学児は大人1名につき1名無料です。
リフトも運行しており、ケーブルカーよりも開放的に景色を楽しめます。リフトの運賃はケーブルカーと同じです。
参考:高尾登山電鉄株式会社
疲れを癒すなら温泉「極楽湯」
登山の疲れを癒すなら、高尾山口駅直結の極楽湯がおすすめです。
地下1000mから湧き出る温泉で、登山の疲れが取れるでしょう。ひのき風呂や炭酸石張り風呂、サウナなどが用意されています。
温泉の効能は、筋肉痛・関節痛・疲労回復・冷え性などに効果があるとされるので、冬にもおすすめです。
料金は平日大人1100円(税込)、土日祝・繁忙期は1300円(税込)です。駅直結のため、電車移動の人なら気軽に立ち寄れる点も便利でしょう。
高尾山でおすすめのグルメ
高尾山はグルメでも有名です。特に人気のグルメを3つ紹介します。
人気のグルメ
高尾山名物「とろろそば」
山頂にたどり着いたら、名物のとろろそばを食べてみてはいかがでしょうか。山頂にある「やまびこ茶屋」は1945年に創業して以来、現在も多くの登山客に愛されています。
とろろそばは、もともと薬王院の参拝客のために作られたといわれています。
山頂以外にも、高尾山には麓をはじめ、いたるところにそば屋があるので、見つけるのには困らないでしょう。とろろそば以外にも、月見そばや季節限定のそばを提供している店もあるので、いつ訪れても楽しめます。
「天狗焼き」などの軽食も人気
薬王院の天狗にちなんだ、天狗焼きも有名です。
黒豆とあんこがたっぷり詰まった天狗焼きは、登山の疲れを癒してくれるでしょう。ケーブルカー「高尾山駅前」近くの売店で購入できますが、人気なので夕方には売り切れてしまう可能性があります。食べたい人は、早めに購入しましょう。
醤油団子や胡麻団子も人気のグルメです。特に『大福・幸福・裕福』の3つの福が刺さっているといわれる『三福だんご』は、焼いた醤油の香りが食欲をそそります。
ほかにも高尾山のいたるところにだんごの売店があるので、小腹がすいたら食べてみましょう。
日本一標高の高いビアガーデン「高尾山ビアマウント」
高尾山には、毎年6〜10月頃まで開催される日本一標高の高い場所にあるビアガーデンがあります。その人気は非常に高く、8月や9月の週末には整理券を配るほどです。
ビアガーデンの標高は約500m弱で、天気が良ければスカイツリーまで見られることもあります。食べ物はビュッフェ形式で、満足がいくまで食べられます。
予約は不要で、満席でなければそのまま入場が可能です。なお、期間外は展望台としても利用できるので、訪れてみる価値はあるでしょう。
まとめ
高尾山はその手軽さとアクセスの良さから、外国人観光客も多く訪れる人気の観光スポットです。標高は599mと高くなく、小学生でも登れるのでファミリーにもおすすめです。
初めて登るなら、道が整備されており、途中までケーブルカーでも移動できる1号路を進んでみましょう。ほかのコースもそれぞれ特直があるので、何回訪れても飽きません。ただし、山であることを忘れずに、動きやすい服装や靴で行くことが大切です。
高尾山は登山デビューをするのにベストな山といえるでしょう。