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    2022.07.29

    e-MTBを満喫するなら、大多喜でキャンプ&ライドだ!

     房総半島の大多喜町で散策ライドを楽しむ

    ここ数年で急速に広まった乗り物といえば「e-BIKE」。つまり電動アシスト付きのスポーツ自転車であります。e-BIKEは体力に自信のない人でも気軽にスポーツライドを楽しめるのが醍醐味ですが、とくにe-MTB(マウンテンバイクタイプのe-BIKE)は、単に「ラクに走れる自転車」にとどまらない、独自の遊び方が可能なポテンシャルを秘めているのです。
    という訳で、先日仲間と行ってきたe-MTBによる「キャンプ&散策ライド」のレポートをお届けしつつ、その魅力をアツく語りたいと思います! 

    我がポンコツミニバンに3台のe-MTBを積んでやってきたのは千葉県大多喜町にある「SDGs大多喜学園」。ここは廃校になった校舎を利用した地域のコミュニケーションセンターとして昨年オープンした施設。宿泊施設やキャンプ場を運営するほか、周辺の林道やトレイルをMTBでも走れるフィールドとして活用することを掲げており、かねてから訪れたいと思っていた場所なのです。
    ちなみに近年は、こうした都市部からアクセスしやすいエリアにMTB用のフィールドが相次いでオープンしており、e-MTBの普及と相まってMTBライドのハードルは確実に下がっています。

    利用した施設はここ!

    SDGs 大多喜学園

    住所;千葉県夷隅郡大多喜町大戸433
    TEL:0470-64-4961
    料金:MTBは一人あたり1000円、キャンプ場は一張5000
    問合せ先:https://otakigakuen.jp

    使用したe-MTBはこれ!

    「トレック Rail 9.7」はカーボン製のフレームに前後サスペンションを備えたハイパフォーマンスモデル。サスペンションストロークがたっぷりとあるので、ハードな路面のダウンヒルでも安定して走行できる。

    「コラテック E-POWER X VERT CX」はハードテイルのアルミフレームを採用するエントリーモデル。BOSCHの新型e-MTBユニットと安定性を重視したフレームジオメトリーで本格的なトレイルライドにも対応する。

    まずは校庭でウォーミングアップ!

    SDGs大多喜学園はもともと校庭だった場所がキャンプ場になっているので、我々はまず芝生のテントサイトにタープを張ってベース基地を設営。ここを拠点にe-MTBで周辺の山道を探索することに。校庭にはMTBの基本的なスキルをトレーニングできるパンプトラックも整備されているので、外に出る前に足慣らしすることができます。

    SDGs大多喜学園のキャンプサイトはMTBのスキルアップエリアも兼ねている。荷重移動だけで加速する「プッシュ」を練習するためのパンプトラックなどが設置されている。初心者ならこのスキルアップエリアだけでもかなり楽しめる。

    スキルアップエリアではこのような登坂走行の練習も可能。e-MTBは常に安定したトルクを発揮できるため、人力だけでは超えるのが難しい急登坂もぐいぐい登ることができる。

    いざ、大多喜町の山道へ

    何となくe-MTBの走らせ方が分かったところで、SDGs大多喜学園でもらえるMTBライド用のルートマップを参考にいざ出発!このマップにはMTBでも公認で走行可能なトレイルの場所も記されています。
    雨がパラ付く不安定な天気でしたが、近くにベース基地があるとじつに心強い。ヤバくなったら無理せずここへ逃げ帰ってこれるという安心感は絶大なものがあります。
    メインルートを走りつつ、気になる小径があればすかさず寄り道。そんな自由度の高いライドを誰でも堪能できるのがe-MTBの醍醐味です。というのも、山道での寄り道は登り坂がつきものなので、体力に自信がない人はいまいち気が進まなかったりしますから。電動アシストがあると、寄り道することへの心理的な抵抗感がフツーの自転車の50分の1ぐらい(当社比)。未舗装の激坂だろうと、好奇心の赴くまま躊躇することなく突き進むことができちゃいます。また、仮に行き止まりになっても、取り回しが軽いのでUターンも楽々。ここがモーターサイクルとの大きな違いです。
    この日、初めてe-MTBに乗った私以外の2名も「こりゃ反則だわ」とその機動力に驚嘆しておりました。

    本来はMTBで走ってもあまり楽しくない舗装路の登り坂でも電動アシストがあればご覧のハイテンション。

    大多喜を通るローカル線「いすみ鉄道」の無人駅にて。この日は利用しなかったが、自転車をそのまま車内に持ち込むこともできる。

    こちらはいすみ鉄道の総元駅近くにある黒原不動滝。バイクを降りて押せば近くまで行くことも可能だ。

    たまたま入った郷土料理店でランチタイム。焼肉定食を頼んだら、ご覧のように超ボリューミーな一品が! 大多喜の名産品であるタケノコを使った小鉢も付いていて美味だった。

    フツーのMTBなら寄り道を躊躇してしまうような登り坂の林道も、e-MTBならまったくヘーキ。より自由で冒険度の高いライドが楽しめるのだ。

    登りでは思いっきりラクできるのに、ダウンヒルの爽快さは普通のMTBと変わらない。

    美しい水田が広がる大多喜町の風景。地図にも載っていないような無数の小径があり、散策ライドにはうってつけの場所だ。

    雨が本降りになってきたのでたまたま近くにあった倉庫の軒下を借りて雨宿り。ゆとりをもって遊んでいると、こういうハプニングもポジティブに受け入れられる。

    e-MTBでなるべくラクに走る方法

    e-BIKEの心臓部がこのドライブユニット。ライダーからの入力をすばやく検知し、適切なパワーをリニアに発揮できるよう進化を続けている。今回使用したバイクはいずれもドイツ BOSCH製のドライブユニットが採用されている。

    e-BIKE(e-MTB含む)で走るのにはちょっとしたコツがある。それは「頑張らない」こと。e-BIKEは発進から低速走行時にアシストが強く効き、時速10kmを超えてからはスピードが上がるほどアシスト力が徐々に下がっていくという特性があるのです。したがって平地、坂道を問わず、アシストが効率的に効く適度な速度を維持すればほとんど疲労することなく走り続けられるというわけ。今回のライドでは舗装路の平地でも、あえて時速20km/h以下をキープしてひたすらラクしながら走りました。当然、常にアシストを効かせていればバッテリーは減りますが、e-MTBには大容量のバッテリーが搭載されているので1日で使い切る心配はまずありません。

    アフターライドはキャンプサイトで

    ライド後はコーヒーとお菓子でまったりタイム。ベースキャンプがあると、ゆるいスタンスでMTBライドが楽しめる。

    結局、この日はいくつかの小径を走ったところで雨が本降りになり、そこでライドは終了。午後は無理せずベースキャンプでのんびり過ごすことに。ライドがダメでもキャンプで楽しめるところもこのスタイルのメリットであります。

    e-MTBとキャンプ、そして良いフィールド

    近年はこの3つの要素が揃ったことで、ひと頃よりもゆる~くMTBで遊ぶことができるようになってます。ぜひ皆様もお試しあれ!

    他にもある!ライド&キャンプを楽しめる施設

    かすみがうらドッグ&MTBパーク

    初心者から上級者まで楽しめる本格的なMTBパークとドッグランラン、キャンプ場が一緒になったアウトドア施設。グラベルバイクでも楽しめる外周トレイルコースも用意されている。

    住所:茨城県かすみがうら市 中佐谷 飯塚1138
    TEL:0299-57-3310
    問合せ先:https://kdmpark.jp

    はるの山の村

    MTBコースを併設する山奥のキャンプ場。標高550mの高原に「チャレンジコース」と「ファミリーコース」が整備されている。MTBやヘルメットなどの装備品のレンタルも用意されている。

    住所:静岡県浜松市天竜区春野町杉943番地の1
    TEL: 053-984-0311
    問合せ先:http://harunoyama.org/

    私が書きました!
    乗り物ライター
    佐藤旅宇
    オートバイ雑誌、自転車雑誌の編集部を経てフリーランスのライターに。3人の子どもを育てる傍ら(ときには一緒に)、クルマ、モーターサイクル、自転車ライフを楽しんでおり、現在はBE-PALをはじめ、乗り物系のメディアなどで幅広く執筆中。自身のWebサイト『GoGo-GaGa!』でも情報発信を行なう。写真好き。1978年生まれ。www.gogo-gaga.com

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