7月25日は世界溺水予防デー「World Drowning Prevention Day」。溺水事故は個々人が意識すれば未然に防ぐことができる。溺水防止への取り組み、なにかひとつ行動してみよう!
あなたもワンアクション!青い物を身に付けてみる?
夏休みが始まり、ミンミンゼミも鳴き始めた今日この頃。高原の緑は輝き海岸には軒を連ねる海の家、いよいよ夏本番といった高まりがある。うだる暑さのなか、涼を求めて行きたくなるのは川や湖、海、プールといった水辺だ。
楽しいはずの水辺だが、悲しいことに世界では毎年23万6,000人もが溺水事故で命を落としているという。1時間あたりおよそ26人。そうした溺水事故によって失われる人的・資源的被害の甚大さを懸念して、昨年4月国連総会において毎年7月25日を世界溺水予防デーとすることが定められた。
世界中で溺水事故防止に向けた意識を高めることを目的としている。
そして、世界保健機関(WHO)が設定した2022年の世界共通テーマは「Do one thing to prevent Drowning」(溺水防止のためにひとつの行動を)。
“今年こそカナヅチを克服!”
“ウォーターセーフティーの講習会に参加してみる!”
“水辺の安全に役立つ情報を共有してみる!”
…などなど、どんなことでも溺水防止に繋がるなにかをやってみよう。
公益財団法人日本ライフセービング協会では、Do one thing (何かひとつの行動) として「Going Blue」(青く染まろう!) キャンペーンを実施している。
青い小物を身に付けるなどして、写真をSNSにアップ。より多くの人に世界溺水防止デーを知ってもらう試みだ。共通のハッシュタグを展開中。
#DrowningPrevention #世界溺水防止デー
水辺の安全10か条で楽しい水遊びを
警視庁が発表している「令和3年夏期における水難の概況」(※夏期とは7〜8月の2か月間)を見てみると、水難の発生件数は全国で451件。水難者は565人、死者・行方不明は212人だった。
このうち、中学生以下の子供の発生件数は67件。水難者は110人、死者・行方不明は16人。子供が全体の19.5%を占めている。
水難者565人の発生場所で多い順で見ると、海が295人(52.2%)、河川が203人(35.9%)だ。行為の多い順は、水遊び、水泳、魚捕り・釣りとなっている。
下記に紹介する水辺の安全10か条を念頭に楽しい水遊びの一日を過ごそう。海岸をベースとした10か条仕立てにはなっているが、危険な箇所を把握したり、飲酒したら水に入らない、ライフジャケットを着用するなど河川や湖どんな水辺であっても共通するポイントがあるので心得たい。
1.気象や遊泳情報を知る
現地へ向かう前にさまざまな情報を調べておこう。雨が降りそうか、風はどうか。
2.危険な場所を知る
水辺に着いたらまずは周辺をよく見て観察。危険な場所がないか確認だ!
3.自分で自分を守る
ライフジャケットなど浮力体を身に付けて遊ぶのもひとつの方法。
4.足の届くところで遊ぶ
川や海では突然深くなっている箇所も多く、強い流れもある。十分に足が届く場所を選ぼう。
5.休憩をしっかりとる
楽しいと忘れがち! 時間を決めて遊ぶ時間と休憩時間を交互に。
6.飲んだら泳がない
お酒を飲んだら、絶対水には入らない。確実に判断が鈍っているぞ。
7.避難経路を確認する
海岸の場合、高潮や津波がゼロではない。避難経路を確認しよう。海岸にハザードマップが掲示してある海岸も多い。
8.風や離岸流に流されない
海では波打ち際から沖へ向かう離岸流という流れに注意。ライフセーバーがいたら聞いてみるといいだろう。沖への風が強いときは浮き輪などで浮いていると流される危険性も高くなる。
9.熱中症対策をする
小まめな水分・塩分補給を忘れずに。日除け対策も十分にしておこう。
10.目を離さない
小さな子供がいる場合など、決して目を離さないこと。もちろん仲間同士でも互いの安全を目視しよう。
くるぶしほどの水かさがあれば人は誰でも溺れる。小さな子供がいる家庭では、目を離さないようにしたい。危険要素を事前に回避すること、予防することが最大のウォーターセーフティーだ。楽しく安全に水辺を遊ぼう。
※構成・撮影/須藤ナオミ