4才児の子ども達と雑木林で遊びました。12月も半ばを過ぎ、小さな池にはうっすらと氷がついている。そんななか白い息を大量に吐き出しながら子ども達が駆け足で集まってきた。
「長谷部先生、暑いからジャンパー脱いでいい?」
開口一発出てきた言葉がそれだ…。毎年感心させられるけど、いつも自然の中で駆けまわっている子ども達は季節感を一切無視した行動をとるのだ。上着を何カ所かに山積みして、身軽になったところで遊びが開始された。
この日は快晴。そして「ザ・冬」の素晴らしい自然の状態だったので、あえて何をするでもなく自由にみんなで遊ぶことにした。
秘密の遊び場へ向かう途中では、転んで泣いている友達に駆け寄り、肩を組みながら歩きだす子ども達に出会った。よく見てみると何かを話しながら歩き、時々立ち止まっては向かい合い、強く会話を交わしたと思ったらまた肩を組んで前に進む。今まで様々なミッションを一緒にこなしてきた戦友だけに、素敵な友情がそこには芽生えていた。
秘密の遊び場では、実に様々な遊びが展開されていた。とある女の子達は、葉っぱの上に寝転び始めた。
「何をしているの?」と聞くと
「あのねえ、気持ちいいから寝てるの」と帰ってくる。
ひとりの男の子は、真剣なまなざしで右手を左の肩に当てながらクルクル回り続けている。
「何をしているの?」と聞くと
「くっつき虫がとれないの!先生助けて」と返ってくる。
どうやら左肩についたくっつき虫に手を伸ばそうとしていたら、勝手に身体が回っていたようだ。
一番ギャーギャー大きな声を出している子ども達の所へ行ってみると、男の子と女の子が落ち葉に埋まり始めている。
「何をしているの?」と聞くと、
「これから隠れるの!」と返ってくる。
遊ぶっていうのは、先生や大人に与えられたことをするのではなく、本来こうやって自由に遊びを考えて、発展させていくから面白いし、成長の場になるのだ。
彼らは思いついた遊びを次々と発展させて遊びの世界を作っていく。
今度は、ロープでも渡してみようかな?
はたしてどんな遊びが始まるかな?
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◎文=長谷部雅一
アウトドアプロデューサー。
アウトドアイベントの企画・運営を手がける「Be-Nature School」スタッフ。人と自然をつなぐインタープリターとしても活躍中。
著作に『ネイチャーエデュケーション』1300円+税 みくに出版