SUVの魅力は何か? を考えたとき、走りや積載性もあるけれど、いちばんの魅力はいいクルマが放つ「雰囲気」と「存在感」ではないだろうか。たとえ通勤や買い物で使っても、なんとなくアウトドアな気分にさせてくれる。そこが大事なのだ。正直、実用的にはコンパクトカーで十分かもしれないけれども、クルマってたんなる実用品以上の道具なんじゃないかとも思う。アウトドア好きなら、やっぱSUVじゃなくちゃ気分が出ないですよね?
そんなわけで、2~3名で軽くキャンプに行くようなカップル・家族にピッタリな「小さめのSUV」の人気車種を集めてアウトドア試乗テストを敢行。
もちろん、SUVといっても燃費もなかなかよし。サイフにも環境にもやさしい、イマドキのコンパクトSUVがこの3台だ。
ホンダ/ヴェゼル ハイブリッドX・Lパッケージ
サイズ 全長4,295×全幅1,770×全高1,605㎜
最低地上高 170㎜
最小回転半径 5.3m
車両重量 1,380㎏
乗車定員 5名
エンジン 直列4気筒DOHC+モーター(総排気量1,496cc)
最高出力 132ps/6,600rpm
燃料種類 レギュラーガソリン
燃費(JC08モード)21.6km/ℓ
価格 ¥2,542,593
直噴1.5ℓエンジンにモーターユニットを組み合わせたハイブリッドは、クラス上を思わせるパワフルな走りを楽しめる。ガソリン車は¥1,787,963から、ハイブリッドは¥2,092,593から。撮影車両は4WD。
マツダ/ CX-3 XD ツーリング
サイズ 全長4,275×全幅1,765×全高1,550㎜
最低地上高 160㎜
最小回転半径 5.3m
車両重量 1,260㎏
乗車定員 5名
エンジン 直列4気筒DOHC直噴ターボディーゼル(総排気量1,498cc)
最高出力 105ps/4,000rpm
燃料種類 軽油
燃費(JC08モード)23.0km/ℓ
価格 ¥2,400,000
静粛性が高くパワフルで、しかも低燃費。夢のような性能を実現したクリーンディーゼルエンジンを搭載。質感や色に並々ならぬこだわりを追求したインテリア・デザインも、このクルマの存在価値を高めている。
MINI /ミニ クーパー SD クロスオーバー
サイズ 全長4,120×全幅1,790×全高1,550㎜
最低地上高 未発表
最小回転半径 5.8m
車両重量 1,420㎏
乗車定員 5名
エンジン 直列4気筒DOHCターボディーゼル(総排気量1,995cc)
最高出力 143ps/4,000rpm
燃料種類 軽油
燃費(JC08モード)16.6km/ℓ
価格 ¥3,583,334
「ミニ」初となるクリーンディーゼル搭載車。迫力あるフェンダーやバンパー、ルーフレールなどの演出を加えることで、SUVらしさを視覚的に表現。ガソリンエンジン仕様の「ミニ・ワン・クロスオーバー」もある。
→次ページでは、BE-PALスタッフ3人の試乗&本音レビューをお届けします!
価格差も、エンジンの違いもあるけれど、気分とサイズ感ではガチのライバル(と勝手に決めました)。ビーパルスタッフ3人衆(山本・小森・沢木)が、3台でドライブに出かけて徹底調査。その実力はいかに?
山本 ほんと、今どきのSUVってスタイリッシュで惚れ惚れしちゃうね。
沢木 とくにマツダの「CX-3」は、「ミニ」と比べても遜色ないほど洗練されてる。まるで欧州車のようなデザインがいいと思います。
小森 パッと見、都会的な感じだけど、こうやってアウトドアフィールドに持ち込むときっちり溶け込むところはさすが!
山本 それに三車三様に個性がある。実際に選ぶときには迷いそうですね。
沢木 僕ならまずは価格。あとは、エンジンとデザインかな。価格でいうと、高いほうから「ミニ」「ヴェゼル」「CX-3」の順。「ミニ」は輸入車ってこともあって300万円オーバー。でも、デザイン的にそれを納得させるだけの存在感があるような気がします。
小森 エンジンでいうと、ミニと「CX-3」がクリーンディーゼル。ヴェゼルがハイブリッド。実際に乗ってみて驚いたのは、「CX-3」のエンジンですね。ほとんどディーゼルってことを感じさせない静かな室内は快適そのもの。それでいて、トルクに溢れた走りを楽しめる点が最高。
山本 たしかに「ミニ」と「CX-3」を比較すると、振動もエンジン音も「CX-3」のほうが上品。でも、僕は「ミニ」のワイルドな乗り味は、あえて演出したもののように感じたけどね。上下に狭いフロントウインドウや、アバンギャルドなデザインのインテリア。さらに、ディーゼル独特の粘り強い加速感や跳ねるような感じのサスペンション。すべてが同じ方向性にまとめられてる。感性に訴えるクルマって、たまらない!
沢木 個性って意味では、「ヴェゼル」は少しおとなしい気もするけど、静粛性、上品さ、運転しやすさではよくまとまっていると思うなあ。しなやかな走りとモダンなデザインには、誰からも好かれるポテンシャルがある。
山本 実際に乗るまではどんなクルマか想像もできなかったけど、上品な走りは200~250万円クラスとは思えない出来ですね!
◎構成/櫻井 香 ◎小倉雄一郎