最新号vol.10の特集『今しかできない旅』では
伊豆諸島の最南端、青ヶ島の4泊5日バイクパッキング旅行記を書きました。
この青ヶ島、東京から絶対的に遠いことに加え、そこまでの交通機関がしょっちゅう欠航するという、
社会人が遊びで訪ねるにはとんでもなくハードルの高い場所であります。
われわれ取材班は奇跡的に予定通り旅を終えることができましたが、
帰りの船は「臨時運行」、つまり港の状態いかんでは、引き返す可能性もあるというギリギリの状況。
その便に乗れなかった場合は、恐らくあとプラス1週間ほど島にいることになったかと。
ずっと天気が悪かったですから。
ちなみに、船のほかにヘリコプターで八丈島へ渡ることもできますが、
一度に乗れる人数が限られているため、予約はいつも一杯。
船が欠航になろうものならキャンセル待ちでさらに混雑することになります。
人口200人にも満たない小ささな島でも、インフラの工事や公務員の出張などで、意外と人の行き来が頻繁なんですよね。
さて、ここでは、そんな青ヶ島の印象に残った部分についてお話したいと思います。
誌面では紙幅の関係で書ききれなかったことも多いですから。
【スゴイ!①】 やっぱり坂が多かった
誌面でも散々書いてますが、自転車で訪れたこともあって、やはり「坂」がもっとも印象的でしたね。
青ヶ島では基本的に「道=坂道」。
ちょっとした距離を移動するにもやたらに時間がかかります。
島の入口である港から集落までせいぜい4㎞ぐらいにもかかわらず、
島民のみなさんは自動車を使って移動してます(なんとレンタカーもある)。
写真は情け容赦のない激坂を前に、呆然と立ち尽くし&悶絶する松井カメラマンの勇姿。
【スゴイ!②】 キャンプ場はジャングルの中?
青ヶ島へ渡る観光客は、事前に宿もしくはキャンプ場の予約をしていなければ、上陸できません。
そこで我々はまずキャンプ場に泊まることにしたのですが、
利用客が少なく、手入れがあまりされていないのか、テントサイトは南国の草木が生い茂るジャングルのような様相。
おまけに集落から離れていて周囲に人家はなく、炊事場の水も飲料不可(トイレは有り)、
と、なかなかワイルドなシチュエーションでした。
ただ、これがいかにも離島感があって、じつに面白かった。
アウトドア好きにはおすすめです。
【スゴイ!③】 学習用の信号機がありました
誌面には掲載しませんでしたが、集落にはひとつだけ信号機があります。
車も人も往来が絶対的に少ないため、実際にはほとんど使われることはありませんが、
児童の学習用に設置されています。
他の離島や山間部でも、同じような信号機があったりしますね。
【スゴイ!④】 食材は意外と豊富!
青ヶ島は物資のほぼすべてを輸送によってまかなってます。
そして食糧を購入できる商店は、島にたったひとつ。
ただ、品ぞろえはなかなかのもので、鮮魚はないものの(自分で釣るため?)、
野菜や肉(流通の関係で冷凍品)、豆腐、パンなど、日常的な食べ物にはほとんど不自由しません。
ちなみに島にはわずかながら畑もありますが、
作った野菜を販売することはほぼないようで、
お店には北関東産の野菜が並んでおりました。
■東京都青ヶ島村ホームページ
http://www.vill.aogashima.tokyo.jp/
文=佐藤旅宇 写真=佐藤旅宇、松井 進