2016年4月23日(土)、24日(日)に神田錦町で行なわれた「コーヒーコレクション around 神田錦町SPRING」。香り高くフルーティーな「サードウェーブコーヒー」を目当てに、4,000名以上の来場者が訪れました。
コーヒー人気恐るべし! むしろ、これはもうブームの域を超えているのかもしれません。
ということで、どんなお店が出店していたのかを、ご紹介していきたいと思います。
【DAY1】
アマメリア エスプレッソ
武蔵小山にあるロースタリーカフェ。自家焙煎のスペシャリティコーヒーを提供しています。焙煎士である、オーナーが日々、焙煎の仕方を研究。同じ豆でも、ひと味違った風味が楽しめます。個性的なフレーバーの香りと、さわやかな甘みが特徴!
http://www.amameria.com/index.html
ポールバセット
バリスタ世界チャンピオンのポール・バセット氏によるエスプレッソカフェ。スタッフのひとり佐々木修一さんはエアロプレスの世界選手権で日本人で初めてチャンピオンに! バリスタに憧れ、コーヒーを心から愛するスタッフが全国から集結。独立を目指す人の学びの場にもなっています。エスプレッソマシンを使えるようになるまで7科目の試験があり、現場はかなり厳しいそうですよ。世界最高峰の焙煎機で自家ローストした豆は、新鮮そのもの。スイーツと合わせたり、ミルクを入れて飲んでもおいしいです。
フグレントウキョウ
ノルウェー・オスロにある人気のコーヒーショップの国外1号店として東京・渋谷にオープン。ノルウェーでは、浅煎りのコーヒーがブーム中だそうで、「フグレントウキョウ」がこの日、提供していたコーヒーはフルーティーで酸味と甘みのバランスがよく、果実味が感じられます。酸味のあるコーヒーが苦手な人でも、飲みやすい味でした。フレーバーの香りや風味がダイレクトに伝わる浅煎りは、豆の質がよくないとおいしくない。豆本来の味を伝えるために、工夫された1杯を飲めば、コーヒーへの考え方が変わるかもしれません。
https://www.facebook.com/Fuglen.Tokyo/
トランクコーヒー
名古屋に新しいカフェ文化を開拓するべく、2014年にオープン。元大手旅行代理店勤務の鈴木さんは、会社を退社後、コーヒーを学ぶため、コーヒーの先進国デンマークへ。コペンハーゲンとノルウェーの歴史ある店で、日本人初のバリスタとして働いていた経験があります。「名古屋は昔ながらの喫茶文化が根強いから、実は新しいものが受け入れられにくいんですよ。そのなかで、新しいマーケットを動かしていきたい!浅煎りで風味高いコーヒーが名古屋でも浸透していってくれたらいいですね」と鈴木さん。日本には2台しかない、ドイツ製焙煎機「プロバット」の最新機を設置し、ロースターとバリスタの連携で、新しいブームを巻き起こそうとしています。
http://www.trunkcoffee.com/index.html
【DAY2】
フォーバレルコーヒー byメリータイム
サンフランシスコでは、ブルーボトルとともにコーヒーショップ界の2大巨頭。現在は、実店舗は持たずに、WEBとワークショップを中心に活動しています。「コーヒーを淹れる人を増やす」=「MERY TIMEをつくる人を増やす」ということを定義。人とのつながりを大事にし、生産者と焙煎師の思いを伝えるべく、1杯を丁寧に淹れていました。
ザ・ローカル
2016年3月にオープンしたての新しいコーヒーショップ。1週間から1か月で提供するコーヒーの豆が変わるから、いろんな地方の豆が楽しめる新スタイルのお店です。アプリを使って事前注文をしておけば、待たずにコーヒーが買えるというハイテクなサービスもおもしろい! 常に新鮮な気持ちでコーヒーが飲めるので、オープンしたてにも関わらずリピーターも多いそうですよ。
シングルオージャパン
オーストラリア・シドニーに本店がある、シングルオージャパンは、日本では豆の販売のみ。今回は特別に、淹れたてのコーヒーが飲めるとあって、朝から大行列! オーストラリアは、イタリアの移民が多いためエスプレッソのお店が多いそうなんですが、5年ほど前からドリップがブームに。家庭でも飲める味とあって、ハマる人が続出しているそうです。豆はオンラインか、両国にある焙煎所で販売中。HPには、バリスタ直伝の抽出方法が掲載されているので、そちらもチェックを!
スロージェットコーヒー
店名はドリップを「スロー」、エスプレッソを「ジェット」と表現してつけられた名前。サードウェーブ系のショップでは珍しい、中煎りから深煎りの豆を使用しています。下町である東京・北千住という土地柄、地元の人が多く訪れるので、昔ながらのコーヒーも提供しているのだそうです。飛行機のイラストが描かれたマグカップも人気で、即完売することも。グッズ含めて、要チェックのお店です。
【DAY1+DAY2】
グリッチコーヒー&ロースターズ
初日、2日目とも出店していたのが、このイベントの発起人でもある鈴木清和さんが代表を務める「グリッチコーヒー&ロースターズ」。古本の街である神保町でスタートし、最近、新宿に2号店もオープン。鈴木さんは、ポール・バセット氏に師事し、バリスタとしてのノウハウを10年かけて徹底的に習得したそうです。エアロプレスの日本チャンピオンでもあり、難関と言われているSCAAのQグレーダーの資格も持っています。イベントでは、鈴木さんの志と技術を受け継ぐスタッフが1杯1杯丁寧に淹れてくれました。「今まで、缶コーヒーやファーストフード店のコーヒーで満足していた方が、うちのコーヒーを飲んで『コーヒーのおいしさに気づいたよ』と言ってくれるのがうれしい。出勤前に買って、また帰りに寄ってくれる人もいます」とは塚田さん(中央)。おかわり半額サービスも行なっているそうなので、1日2杯、グリッチで過ごすのも良さそうです。http://glitchcoffee.com/
アストル
コーヒーイベントだけでなく、ワインの試飲会も行なわれておりました! ふだんは、ソムリエやバイヤーしか入れないテイスティングスペースを一般開放。6種類のボルドーワインが1000円で試飲できました! 購入も可能だったので、もちろん1本おみやげに買いましたよ。
「おいしいコーヒー」って何だろう?
いままで深煎りの苦いコーヒーがおいしいと感じていましたが、このイベントを通して、浅煎りのフルーティな味覚を楽しむのがコーヒーの新しいスタイルということを学びました。苦いコーヒーを飲めない若者も、浅煎りならば飲めるという人が多いとか。
「グリッチコーヒー&ロースターズ」代表の鈴木さんに、なぜ酸味のある浅煎りコーヒーの人気が高まってきているのか? という点についてお話を聞くと、こんなふうに教えてくれました。
「ちょっと前のコーヒーは、エスプレッソやカフェラテ、カプチーノなどがメイン。そのため、少し深煎りに焙煎した、ミルクに合うコーヒー豆
それにともない、抽出方法も変わりました。ハンドドリップやエアロプレス、エスプレッソマシンなど、その豆に合った抽出器具でこだわりの抽出をするのが最近の傾向です。豆を深煎りして、焦がして味を作るのではなく、
生豆も10年前より遥かにクオリティが高く、産地の方々も色々な手法でより個性的なコーヒーを作成しているの
クリームやシロップたっぷりのフラペチーノはもう古い! 浅煎りコーヒーで、1杯を大切に楽しむのがコーヒーの新しいカタチのようです。
◎文=中山夏美(バリスタのお兄さんたちがかっこよすぎました) 協力=ノルディスクジャパン