いまや登山ベースレイヤー(肌着)として定番となった100%メリノウール製のロングTシャツ。
これを、アメリカ西海岸の人たちは「カットソー」のように着こなしているらしい……。
そんな話を耳にして、さっそくメリノウールのロングTを、ネルシャツの上に重ね着してみた。
これが調子いい! 伸縮性が高いので動きやすく、織りの細かい羊毛が、暖気を逃がさない。
おまけに、淡い光沢に品があり、まさに「薄手の上質なセーター」といった感じなのだ。
保温性・吸汗性・抗菌性に優れた機能的なメリノウールを、登山だけでなく、日々の暮らしで着用。
そんなスタイルを「メリカジ」(メリノウール・カジュアル)と名付けた(『b*p』が命名!)。
この「メリカジ」の潮流を作ったメーカーこそ、
1994年ニュージーランドで創業した、最高品質メリノウール専門メーカー「アイスブレーカー」だ。
2007年、「アイスブレーカー」はデザインオフィスをアメリカ西海岸の都市ポートランドに移した。
ポートランドといえば、全米中から自然好きがぞくぞくと移住してきており、
「アウトドア界のシリコンバレー」と呼ばれる大注目都市。
ニュージーランドの大地で育った最高品質のウールと、
自転車、キャンプ、ハイキング、ランニング、スノースポーツを気軽に楽しむポートランドの生活文化。
このふたつが結びついて生まれた、気軽で上質な新しいスタイルが「メリカジ」なんである。
まず、見かけがさりげない。高機能素材なのにもかかわらず、「オラオラ感」は皆無。
バックカントリースキーのときにも、街でデートするときにも、ちょうどよい温かさ。
おまけに、ランニングやハイキングなど、汗をかくような状況では、
繊維の隙間が開いて、蒸気を逃がしてくれるから、蒸れにくい。
アウトドアだけじゃなく、毎日の暮らしでガンガン使えるのが「メリカジ」の素敵さだと思う。
毎日快適なんて、サイコーじゃないか!
仕事が早く終わった日には、メリノウールのままで自転車に乗ったり、
金曜日の夜に、そのまんまの格好で、スキーやキャンプにでかけちゃったりもできる。
故きを温ね、新しきを知る、という言葉もあるけれど、
街と自然をシームレスにつなぐ新時代の服は、
古くからある天然素材=羊毛からから生まれた。
ヒツジって、本当に偉大だね!
What’s Merino-Wool? 「メリノウール」って、何がスゴイ?
1| 天然の抗菌力。1週間着ていても、においません~!
メリノウールには、いやなにおいのもととなる雑菌の繁殖を抑える働きがある。
何日も歩くロングトレイルハイカーがメリノウールを選ぶのはその所以。
衣服内温度・湿度を適正に保ち、あらかじめ汗をかきにくい環境も作っている。
2| ちくちくしない! 軽くて肌触りがいい。通気性もバツグン!
標高2000m以上で育った最高品質のメリノウールは、繊維が細長く、ちくちくしない。
おまけに、汗をかく前に、体の蒸気を繊維の間に吸収し、発散させる、
天然の"湿度調整作用"を持つ。
汗はすぐに繊維の奥へ吸い上げるから、
気化熱による"汗冷え"はなく、肌はいつもさらっと快適。
「自然の力」はスゴイ!
3| 洗濯機OK。お手入れがラクチン!
市販の弱アルカリ洗剤を使って、洗濯機で気軽にガシガシ洗える。
洗濯後は厚手のハンガーに吊るしたり、物干しネットで自然乾燥するだけ。
縮みの原因になるので乾燥機はNG。毛玉ができにくいのもうれしい。
■History of "icebreaker"|「アイスブレーカー」とは?
「アイスブレーカー」は、カヤック好きのジェレミー・ムーンが1994年に創業した。ジェレミーは24歳の時、アメリカ人のガールフレンドの紹介で、ある羊農家とランチをともにすることになった。その際に、シルクのような肌触りの新しいメリノウール生地を知り、起業を志す。1997年、世界で初めて牧場と直接契約を結び、環境に配慮したウール製品を作りをはじめた。2007年、アメリカのポートランドにデザインオフィスを開設。ニュージーランドの広大な高原でストレスなく放牧される最高品質のメリノ種ウールのみを使用。ポートランドの自然派生活のなかで開発・デザインされた高機能ウェアは、アスリートはもとより、一年中心地よく着られる「新しい生活着」として世界中で愛用されている。
◎文=森山伸也 撮影=山本 智
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