なんだか話題の「ジビエ」(狩猟肉)料理。猟師じゃなくても、お取り寄せを活用すれば、ホームパーティーでジビエ料理をふるまうことだってできる。
そこで、狩猟免許を持つ料理家/フードデザイナーの蓮池陽子さんに、
「家で“ジビエしてみる”」ときのポイントを教えてもらった。
1
料理家・蓮池陽子さんの「ジビエ術」
「イノシシやシカなど、ジビエのお肉は、インターネット検索すればたくさんヒットするので、
手に入れること自体は難しくありません。
ただ、ジビエ肉は、血抜きなどがすばやく適正に処理されていることが重要です。
その処理によって、くさみや味が変わってきてしまいますから。
だから買うときには、処理の仕方などを明確に書いてある業者やお店から買うといい。
処理の仕方を、メールや電話で直接問い合わせてみてもよいと思いますよ」
ジビエは、野生の生きもの。だから個体差があって当然。
そのクセを掴むことが重要だと蓮池さんはいう。
「お肉の一部を切り取って、試し焼きしてみるとわかります。
くさみがないなら塩コショウくらいでシンプルに。くさみがあったらハーブやスパイスを使ってみる。
食材ごとの味を見極めると、料理法が必然的に定まってきます」
2
ダッチオーブン料理を極める!
蓮池さんは、キャンプやアウトドアでの料理も得意としている。
「やはりダッチオーブンは、料理に幅が生まれて楽しいです。
とくに男子は“ワイルドに料理している感”があっていいのでは?
おすすめは、“蒸し焼き”ですね。
野菜などの素材を入れて、塩を振って、フタして焼くだけ。
本当に蒸すのはいろいろとめんどくさいので、あくまで“蒸し焼き”です。
野菜から出た水分が鍋の中を回って蒸らしていきます。ときどき食材の位置を変えてくださいね」
3
燻製を極める!
もうひとつのオススメは“燻製”だとか。こちらも簡単。
「多くの市販の燻製器は、ずっと火をつけておかないといけません。
だけど、ダッチオーブンならば簡単だし、より短い時間ですみます。
スモークチップなどをいれて火にかけ、ある程度いぶしたら、保温性を活かして“放置”です。
私のオススメ食材は、おいもたち。里芋やじゃがいもを茹でて、ダッチオーブンへ。
燻製全般にいえることですが、乳製品とも相性がいい。
クリームチーズとかマスカルポーネと一緒にいただくと、美味ですよ!」
4
キャンプには“お酢”だ!
アウトドアイベントで料理講師を務めることも多い蓮池さん。
キャンプで料理上手になるためのワンポイントも教えてくれた。
「お酢づかいがうまくなるといいと思います。鶏モモを米酢で焼いてみたり、
スペアリブを煮込むときもビネガーを入れてみる。たんぱく質をやわらかくしてくれるし、
くさみも消してくれます。お酢って、意外と忘れていますよね。
キャンプでも、ワンランク上の料理ができますよ」
5
放置系・料理グッズ=真空保温調理器
ダッチオーブンのいいところは、ある程度放置しておけるところ。
数品つくるなかで、最初にダッチオーブンを仕込んでおいて、
もう一品は手の込んだものを、なんて使い分けもできる。
そういった意味で蓮池さんがおすすめするもうひとつの“放置系・料理グッズ”が
『サーモスシャトルシェフ』。
内側と外側が分離できる二重構造になっていて、
内側に火をかけたあとに、外側の保温容器入れておくという保温調理器だ。
煮物もコトコト煮るわけではないので、煮くずれしない。だから面取りも不要。
また火を使う時間をかなり節約できるので、省エネにもつながる。
限られた空間と時間であるキャンプやアウトドアは、
それだけに便利で機能的なアイテムがあふれている。
それらの道具は、家でも使えるものばかり。
うまくクロスオーバーさせれば、家でも野外でも、
どちらも豊かな生活を味わえるにちがいない!
◎ 文=大草朋宏
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