『朝霧JAM』のキャンプで何を作ろう? と、前日からスーパーで食材選び。わくわくしながら早朝に集まって、みんなでドライブを楽しみながら現地に到着! 大量の荷物を分担して運び、いざリストバンド受付へ。
……と、そこで、
「ガーン!!!」
なぜって、ここはまだ、長い長い旅の始まりだからだ。
入場ゲート近くには石のサイズが大きい砂利があり、荷物を載せすぎたキャリーカートのタイヤはうまく回らない。キャンプサイトはまだまだ先、ちょっぴり肌寒い季節なのに、気づけば大量の汗。あんなに楽しかったのに、いつの間にか修行っぽい……。
というのは、『朝霧JAM』に限らず、フェスのよくある風景。最終的にはその苦労も、楽しい思い出話になるんですけどね。
でも、さすがにこの手の荷運びは、年齢とともにキツくなる。
また、キャンプに慣れてくると、キャンプと音楽の楽しみの割合が、「キャ6:音4」とか「キャ7:音3」と、キャンプ優勢にもなる。
そんな人におすすめなのが、「ふもとっぱらオートキャンプ駐車券」の購入だ。最大の魅力は、あの過酷な荷物運びから解放される点。また、テントをどこに張っても、ドカーンと富士山が鎮座するという、圧倒的な絶景感だ。「でも、キャンプ地が会場から離れていると、ステージに行くのが面倒臭いんじゃない?」
という不安もありますが、シャトルバス(所要時間約10分)が自由に使えるので、じつはめちゃラクなんです。発着所は、場外・グリーンパーク駐車場のシャトルバスと同じ場所(『朝霧JAM』に行ったことがある人はピンとくるのでは?)。
また、「ふもとっぱらオートキャンプ」ならではの特典もある。早朝に地元の野菜などを購入できる簡易市場がオープンする。夜にはキャンドルやミラーボール、キャンプファイアーといった演出で幻想的な雰囲気に包まれるピーターパンカフェも展開されるのだ。
『朝霧JAM』のベテラン勢なら、「なんでもっと早くこっちにしなかったんだろう!」と思うこと間違いなし。唯一の注意点は、ライブ終わりにシャトルバスが長蛇の列になることだけど、その時間帯以外は、かなりスムーズ。あまり教えたくないけど、「ふもとっぱらオートキャンプ」は、こっそりおすすめしたい『朝霧JAM』の穴場スポットなのです。
いまや日本全国で、音楽とキャンプを「ハーフ&ハーフ」で楽しむことを目的としたフェスがありますが、その先駆けといえるのが2001年より開催されている『朝霧JAM』。
当時はまだフェスが珍しく、誰もが音楽を楽しむことが最優先でキャンプはただの寝泊まり程度の意識。『朝霧JAM』がギリギリまで出演者を発表しないのも、「いい音楽は約束するから、ちゃんとキャンプも楽しんでくれよ」という啓蒙のひとつだったと記憶しています。そう考えると、日本のフェス文化の成熟度に改めて気付かされますね。
◎文=富山英三郎 (フェス取材班『朝霧JAM』担当ライター)
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