ホワイトホースから西へ!
今回は僕の住むカナダ、ユーコン準州のホワイトホースから車で2時間走ると、世界最大の氷河原がある。前回は東へ向かって走ったアラスカハイウェイを、ここホワイトホースから西へ向かってみた。
地図があると便利!
ユーコン準州内を走るハイウェイの数はとても少ない。初めて走る人でも迷うことはないだろう。それでも地図を持っていると次のガソリン補給までの距離、湖や山の名前、キャンプ場の場所などを知れるから、持っていて損はないはず。
ハイウェイマップやキャンプ場のマップは、主要な街の観光局のビジターセンターで手に入れることができる。
ユーコン準州ハイウェイマップ
https://yukoninfo.com/yukon-southeast-alaska-northern-british-columbia-maps/yukon-territory-map/
ユーコン準州キャンプ場マップ
https://yukon.ca/sites/yukon.ca/files/env/env-guide-camping-yukon-map.pdf
いざ出発!
ホワイトホースを出て西へ向かう。途中エルク(北米2番目に大きなシカの仲間)や、ウッドバイソン(北米最大の陸上哺乳類)の生息域を通る。それら以外にもクマやムースにも出会えるかもしれない。
長い直線が続く道をついついスピードを出して走りたくなってしまうけれど、法定速度を守りつつ安全運転を心がける。動物との衝突など不慮の事故はもちろん避けたい。
クルアニ国立公園
ホワイトホースを出て約2時間弱。最初の町ヘインズジャンクションが近づくにつれて視界に入ってくるのは、行く手を遮るような大きな山々。ここがカナダの国立公園、クルアニ国立公園。
ヘインズジャンクションはクルアニ国立公園への入り口になる町で、アラスカ州の港町ヘインズへ向かう分岐点にもなっている町だ。ビジターセンターに行けば、ロードトリップの情報も国立公園の情報も手に入れることができる。
この山々の向こうには、世界最大の氷河原が広がっている。
世界遺産の氷河原
クルアニ国立公園内に広がる氷河原は、西隣アメリカのアラスカ州ランゲル=アセントエライアス国立公園、南隣カナダのブリティッシュコロンビア州タッシェンシーニ=アルセック州立公園と3州の公園にまたがって続いていて、北極と南極を除いた氷河原としては世界最大。それが理由でユネスコの世界遺産にも登録されている。
クルアニ国立公園内の氷河原には、カナダ最高峰ローガン山(5959m、北米2位)がそびえる。カナダの高い山上位20峰のうち、18峰がこのクルアニ国立公園内にある。残念ながらハイウェイ沿いから氷河を見ることはできない。
じゃあ、どうやって氷河を見に行く?
(1)飛行機での遊覧飛行
ヘインズジャンクションにある空港、もしくはさらに1時間車で北上したクルアニ湖のほとりの空港から、小型セスナでの遊覧飛行ができる。
(2)バックカントリーキャンピング
クルアニ国立公園内には沢山のトレイルがある。そのうちのいくつかは、氷河が見られる場所まで続くもの。日帰りで見に行ける距離に氷河がないから、キャンプ泊をどうしても必要になる。その際には届出が必要。それと同時にクマ対策の講習や、フードコンテナの貸し出しなども受けられる。届出がない場合は罰金が発生するので要注意!
ハイウェイはさらに続いてアラスカへ
野性のヒツジ、ドールシープが道路からも見られるかもしれない?シープマウンテン。その東には巨大な湖、クルアニ湖。
それら以外にも、ハイウェイは北米極北のワイルドな自然、先住民コミュニティを通り、ユーコン準州最後の小さな町ビーバークリークを過ぎれば、アラスカとの国境だ。
コロナ禍後に海外キャンピングカーの旅を!と考えている方の役に少しでも立てたらうれしい。
2008年にユーコン川下りで訪れて以来、ユーコン準州に通い始める。2011年に移住後も、ユーコンに生きる野生動物、風景、自然と共に生きる人々を引き続き撮影中。2019年、First Light Image Festivalにて最優秀賞受賞。ユーコンから色々なトピックをお届けします!