エシカルなデザインやモノ造りという概念が、社会においての重要性を増している。では、どんなモノを選べば正解に近づけるのだろうか。そこで、木という再生可能資源で持続可能な循環型社会の実現に向けた提案を続ける、オークヴィレッジの森づくり活動を覗いてみよう。
適材適所の考え方で、日本の森林事情改善につながる木製品を創出
オークヴィレッジの森には、針葉樹から広葉樹まで、ありとあらゆる樹種の木が育っている。〝適材適所〟という考えのもと、例えばひとつの椅子を造るにも、座面はクリ、背はコナラと、用途に合わせて使う材を変えるという、そんなモノ造りが反映された森だ。
「使い捨て文化をやめ、修理しながら使い続けられるモノ選び。そういうモノを選べる目を育てることも大切。海外からの安い木材を使用することは、海外の森林を荒廃させる恐れがあるうえ、二酸化炭素を大量に排出して木材を運搬することになります。同じ木でも、国産材を活用したモノ造りを続けていきたい」
と、オークヴィレッジ代表の上野英二さんは話す。
木製品の良さは、五感を使って楽しめるところ。色に音、手触り、香り。「うちの子、積み木のマツの味が甘くて好きなんです」といわれることもある。同じ敷地内にあるグループ会社の正プラスでは、間伐材などから抽出された香りも、アロマとして製品化している。また、工房ではほとんどゴミが出ないという。おが屑は近くの牛舎が引き取り、フンと発酵させて堆肥に生まれ変わる。30種類ぐらいの樹種がブレンドされているため、肥料としてバランスがいいのだ。
「適材適所の考え方で、日本の森林事情改善につながる木製品を創出していきたいですね」
オークヴィレッジの森で生まれた木製品の数々
ドングリカードスタンド
¥990
スタッキング可能でキャンプにも
シェーヌ・ドゥ ネストボウル
¥9,460
ウィンザーチェアと日本の伝統的な木組みの融合
Mori:toチェア
¥73,700
和のアロマを温もり感じる木製香炉で
yuica
森香炉・青海波やすらぎの香り
森香炉・麻の葉めざめの香り
各¥5,500
樹種の違いで音階を奏でる木琴
森の合唱団
¥16,500
岐阜県 ・ オークヴィレッジ高山
住所:岐阜県高山市清見町牧ヶ洞846
電話:0577(68)2220
営業時間:9:30〜16:30
定休日:年末年始
HP:https://www.oakv.co.jp/
※構成/大石裕美 撮影/柏倉陽介
(BE-PAL 2022年9月号より)