2022年6月9日〜11日の3日間にわたり、コロナ禍以降2回目となる夏のORショーが開催された。今秋から来春にかけて、新たにリリースされる最新アイテムを中心にレポートする。
記事作成にあたっては現地メディアやORショーのデイリーニュースを独自に分析し、話題性満点なギアを厳選ピックアップした。とくに北米ではeバイクの人気が高まっており、バイク好きは要チェック!
新メーカーの参入と 初心者フレンドリーギアが続々!
1982年に始まって以来、今年で40周年を迎えるアウトドアリテーラーショー(以下ORショー)。本誌は、2001年から20年間は年2回開催のショーを皆勤取材してきたが、コロナ禍以降は海外取材が禁止状態。冬のショーに引き続き、リモート取材でレポートをお伝えすることになった。
2018年からデンバーで開催されているORショーだが、じつは今回がデンバー開催の最後のショーで、来年からはユタ州のソルトレイクシティ(SLC)に会場を移すことになる。年明け1月のSLCでは、現地取材できる状況になっているといいが、どうなることやら……。
さて本題です。ORショー主催社の発表によると、出展社数は661社。以前の夏のショーは1000社を大きく上回っていたから、かなり規模を縮小した。総入場者数は9000人弱(従来は2万人超だった)。
そして出展社のうち184社、約28%が新規出展社だというのが驚き。従来、だだっ広いスペースを占有していた大手メジャーブランドが一部、OR出展をボイコットしていることも影響しているようだ。とはいえ、新しい出展社が増えたということは、見たことのないモノに出会える可能性も大きいと考えれば、決して悪いことではない。
トレンドといえるのは、やはりサステイナブルなモノ作りだ。リサイクル素材を使う、製造段階での廃棄物や排気、排水の削減、有害物質の不使用などは、すでにスタンダード化している。今回目立ったのは、頑丈で耐久性に優れ、長く使えるクオリティーを備えたモノ作りだ。
FICORの再建を発表
また、修理、補修用アイテムも増えてきた。ウェアが破けたから、バッグに穴があいちゃったから捨てる──を、少しでも減らし、自分でリペアして寿命が尽きるまでとことん使い続けることも、サステイナブルにつながるというわけだ。
メーカーが丈夫に作り込んだアイテムを、ユーザーが使い込み、破損したら修理してまた使い込む──。これこそが、究極のサステイナビリティといえるのではないだろうか。
そしてこの7月、うれしいニュースが飛び込んできた。トランプ政権で廃止されたFICOR(連邦省庁間アウトドアレクリエーション評議会)を再建することが発表された。これは、アウトドアレクリエーションを通じて経済発展を支援することを目的としており、自然に恵まれない地域でより多くの公園やアウトドアフィールドの整備、野生生物やその生息地、公有地の保全・保護などが含まれる。
米国内の話ではあるが、このFICORの再建は、アウトドア業界をさらに活気づけること必至だ。業界が元気になれば、ギアの開発も活発になる。そうすれば、エンドユーザーの我々もうれしい! という、好循環が期待されるのだ。
それでは、今回のORショーで見つけた注目度満点なアイテムの数々を厳選してご紹介。お楽しみください!
いま最軽量のインフレータブルSUP
KOKOPELLI/Chams Inflatable SUP
大好評モデルの居住性を高めてアップグレード
SEA TO SUMMIT/IKOS TR
設営・撤収が楽な革新的収納方式
KLYMIT/MAXFIELD TENTS
軽さ、薄さ際立つルーフテント
CVT/MT.HOOD
Jeepとコラボした最強のオフローダー
QUIETKAT/Jeep Rubicon E-Bike
ステム調整が可能な唯一のeバイク
AVENTON/PACE 500 NEXT-GEN
※構成/RIE SAKAMOTO
(BE-PAL 2022年9月号より)